地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

名古屋鉄散歩05秋 (1) パノラマカー健在

2005-10-29 19:39:11 | 都市民鉄 (中京圏)


 かつて名鉄の黄金時代を築きあげた名車の中の名車と言うべき名鉄パノラマカーですが、今年の夏ついに汎用性が低い7500系が全廃になったのをはじめ、残りの7000系についても2010年までの置き換えが表明されるなど、確実にその終焉----まさに一つの時代の終焉----が迫りつつあります (T_T)。特に、小田急沿線住民の視点から見ますと、小田急ロマンスカーの展望席はうまく予約に成功しないと着席出来ませんが、パノラマカーの場合は (白帯座席指定特急を除いて) 席が空いている限り自由に着席出来ますので、子供心に非常に羨ましかった記憶があります (^^;)。中学時代、今はなき岐阜600Vや本線系半鋼製AL車を追い求めて名鉄を訪れたときも、特別スケジュールと称して (?) パノラマカーに乗ったものです (^^;)。

 そんなかつての名鉄王国のヒーローとして本線系の特急・高速・急行を中心に頻繁運転していたパノラマカー7000系も、今や犬山・常滑・河和線系統の急行・準急・普通運用を中心に運用されているようです (あくまで目にした範囲での感触ですが ^^;)。朝のラッシュアワーが終わると、あちこちの車庫で昼寝をしている編成が多いようですが、それでも一応まだ辛うじて本数もあるため、遭遇する確率もそれなりに高いような気がします。もちろん、当たりの時には次から次へとやって来たり、ハズレの時には全然来ないというムラもありますが……。
 そして言うまでもなく、名鉄沿線に住んでいるわけではなく出張スーツ鉄で訪れている私にとっては、全ては行き当たりばったり (笑)。遠くで4つ目玉のライトが光っているのを目にした瞬間から一気に撮影モードに突入し、間近に迫ってくるまでのあいだに露出とピントを合わせるという忙しさでした (^^;)。上の画像は、名古屋臨海に向かう途中の大江にて、普通電車が中部国際空港行き特急を待ち合わせしている間に撮影した、タイミング的に超ラッキーなカットです。
 まあ何はともあれ、これほどの名車は消滅間際になると殺人的な賑わいになることが十分予想されますので、私としては今後しばらくの間、出張鉄するたびに少しずつ記録に励んでおこうと思っております。

青い箱根登山・モハ108

2005-10-28 14:27:00 | 地方民鉄 (東海道)


 先週小田原から新幹線に乗って名古屋出張&鉄へと向かう際、ちょいと早起きして箱根登山に寄り道して来ました。さる8月下旬に続いて、登山電車の旧型車が朝方のみ小田原まで乗り入れて来るのを、コツコツと忘れずに記録しておくためです (登山電車が箱根登山線の一部区間に「乗り入れて来る」というのも随分ヘンな言い方ですが、車両運用面では実質的に湯本まで小田急線の末端区間になっていますので……^^;)。
 そして今回は、前回訪問時に運用に入っていなかった旧塗装復活車・モハ2形108号を無事撮影しました (^^)。このブログを始めた去年の今頃、大平台駅で1カットだけ撮影して以来、かれこれ1年ぶりの出会いです。もちろん、個人的な登山電車のイメージカラーは、ロマンスカー3000・3100形譲りの朱色系塗装なのですが、こういう如何にも昭和の古きよき時代を思わせる青+黄系ツートンカラーも惚れ惚れします (^^)。これで釣掛駆動なら文句なしですが、モハ2形はカルダン駆動化と大幅なアコモ改造を受けていますので、まあ仕方ないですね。
 なお、旧塗装復活車はこの1両しかありませんので、運用時には必ず他のモハ1・2形現行塗装車との混色編成となります (かつて、閑散期の湯本~強羅間区間運転が単行だった頃でしたら、旧塗装単行という楽しみも当たり前のように楽しめたのかも知れませんが……最近は誰も乗っていない真夜中でも2~3両編成で走っているというのは、恐らく京福電鉄事故の影響でしょうか??)。もちろん、ゴチャ混ぜの味わいは如何にもローカル私鉄らしくて絶品なのですが……個人的には、入生田で全般検査をしていたモハ1形・104+106編成もこの旧塗装で出場し、ブルーの編成美を見せてくれないものか、と思っていました。でも結局、標準塗装で出場したようです (ちょっとガッカリ ^^;)。

化成品タキの情景 (2) 名古屋臨海・昭和町

2005-10-27 18:38:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 まったりほのぼのとした (?) タキシーンの第2弾として、先週出張鉄で訪れた名古屋臨海鉄道・昭和町をとりあげてみましょう。
 昭和町線は一応、名古屋臨海の中枢である東港駅から西に分岐して路線長1km少々のミニ支線ということになっています。そこで、私はここを訪れるまで「距離的にも雰囲気的にも鶴見線の大川みたいな感じなのだろうか」と思っていたのですが……東港駅から、休止中の汐見線の脇を通り、さらに船見町交差点からトラックの洪水の中を北上して、昭和町駅に到着してみると、想像をはるかに超えるアヤシイ雰囲気とスケールにびっくり仰天! 東港からカーブを描いて西進する線路は、早くも東亞合成工場内でヤードを展開し、トラック通りの踏切は複線、さらに西側には草に埋もれた複雑な配線のヤードが広がっています。要するに、東港駅から分かれる最初のカーブ以外は、ほとんど「線」というよりも、やたらと細長いヤードの集合体といった雰囲気です。
 しばらく待っていると、午後1時20分過ぎ、東港駅からND552 (名古屋臨海版DD13) の単機が姿を現し、たくさんのタキ5450 (液化塩素用の黄色いタキ) が昼寝をしている横をかすめ、トラックの洪水の中を「そこのけ」と言わんばかりに横切って、草に覆われたヤードの中を走り去って行きました (↑の画像)。ヤードからさらに90度曲がった最奥部へと向かったようです。
 しばらく待っていると、カセイソーダ用タキ7750を2車連ねてND552が戻ってきました。バックのガスタンクとの組み合わせはまさに臨海テイスト! 通い慣れた川崎・千鳥町の雰囲気とは一味違った不思議な魅力に大満足しました (^^)。
 その後は、東亞合成工場内の黄色タキをガチャガチャ入れ換えるのかと思いきや……結局何もせずに東港へと戻ってしまいました (T_T)。というわけで、より複雑な作業を楽しもうと思ったら、改めて朝の201~202レを目当てに訪問しなければならないようです (^^;)。
 交通は、一番確実なのは地下鉄新瑞橋 (あらたまばし、と読むことを今回初めて知りました ^^;) から笠寺・大江・東名古屋港の各駅付近を通って汐見町方面に行くバス (だいたい30分間隔) に乗るか、名鉄柴田駅から歩く (徒歩20分くらい) ことでしょうか。

化成品タキの情景 (1) かなりん千鳥町

2005-10-25 21:10:00 | 貨物列車 (神奈臨)


 9日ぶりの投稿となってしまい、いつも楽しみにして頂いている方には大変申し訳なく思っております。ここのところ爆風状態の忙しさでしたもので……(@o@)。あ、でも先週後半の3日間名古屋に出張した際には、何のかの言ってヒマを見つけて「スーツ鉄」して来ましたので、その際のあれこれをいずれご紹介できればと考えております。

 さて今日は一種のつなぎネタとしまして、普段ほとんどスポットライトを浴びることがない貨物ネットワーク末端の地味~な化成品タキを扱ってみましょう。はっきり言って、一見華も何もない無味乾燥な世界ですが、ややレアなスタイルのタキを機関車が牽引してトボトボと走る光景は、それだけでも大いにワビサビな世界ですので……(^^)。それに、しばしばディープな臨海鉄道に通う私としては、先月のRF誌に掲載された素晴らしい記事に触発され、「自分も一丁、この奥深い世界を地味ながらも 特集してみたいと思ったからです (^^;)。

 鶴見線と並んで横浜・川崎の鉄道貨物輸送の末端を担っている「かなりん」こと神奈川臨海鉄道は、主に石油タキとコンテナを輸送していますが、川崎地区の千鳥線を行く1日2往復の列車は、沿線の工場に出入りする化成品タキを連結しており、その如何にも臨海鉄道チックで抜群にフォトジェニックな背景と合わせて、敢えて運休を厭わず訪れる撮り鉄の目を楽しませてくれます。
 その化成品タキの多数を占める青化ソーダタキ (タキ22900など) は、今年の1~2月頃を境として急速に化成品用ISOコンテナに置き換えられてしまいましたが、最近はやや小口の輸送用として、廃車を免れていた一部のタキ22900が復活しているようです (^^)。ただ、多分常に来るわけではないと思われますので、悪しからず……。
 千鳥線に入線するもう一つのタキ……ラテックス車につきましては、特に大きな変化はないようです。毎日連結されているとは限りませんが、運が良ければ需給の関係で遊ばせておくタキを側線で出し入れする光景を目にすることが出来ます。「かわいい」編成と、背景の物々しいプラントの風景のギャップがまた何とも言えませんので、おすすめです。

 なお、千鳥町界隈は常に化学薬品のきつい臭いが充満し、間違っても空気がきれいとは言えませんので、このディープな光景を楽しみたい方はそのつもりで……。交通は、市バスが頻繁に走っていますし、市営埠頭行きバスはヤードの目の前が終点ですので便利です。

関東南西部大手私鉄「風前の灯火」な車両たち

2005-10-16 21:18:52 | 都市民鉄 (首都圏)


 昭和生まれの鉄道車両を愛するファンにとって、最近いよいよ加速しつつある新型車の増備ペースは本当に頭が痛いものがあります。慣れ親しんできた車両たちとの最後の時間が急速になくなりつつあるようで……(T_T)。
 その中でもとりわけ今回は、消滅が目前に迫っているか、少なくとも確実にあと1年を切ってしまったと思われる車両たちを扱うことで惜別の念を表したいと思います。

 まずはこちら、小田急9003+9004Fです。9000系の4両固定編成を2つ組み合わせて中間の運転台を撤去し、主に各停・区間準急として運用されておりますが、オールMの8両編成はお世辞にもエネルギー効率が良いとは言えないためか、ハイペースで進む9000系廃車・3000系新造の流れの中でもとりわけ優先的にその対象となっているようです……。もしかして、中間運転台撤去編成は既にこれだけ?
 ちなみに、ふだん小田急の8両編成とは縁の薄い私としては、9000系の8両編成を撮ったのは今日が初めてでした (最初で最後かも……)。友人と会うため吉祥寺へ向かう途中、経堂あたりで追い抜いた区間準急を下北沢で待ち構えて後追いしました。撮り鉄する予定がない日でも、デジカメを忍ばせておけばこういうチャンスもあるものですね……。



 次はこちら、遅くとも今月いっぱいで確実に運用離脱してインドネシアに向かう東急8003Fです。先日ご紹介した8500系「サークルK」撮影ののち都内へ向かおうとした折、二子玉川で目の前に停車中でした! そこで急遽ルートを変更し (^^;)、恐らくこれが最後になるであろう8003F乗車を心から満喫したのち、中延で逆光のカーブに踊る8003Fの勇姿を激写したのでした……。余程のことがない限り、多分次に会うのはジャカルタか……それとも某埠頭……?



 そして最後は京急700系。今すぐの完全運用離脱は考えられないものの、新1000系の増備スピードから言って、あと1年持つかどうか……と思われます。ついこの間まで大師線はほとんどの列車が700系や1000系白幕車で運用されており、700系は少なくとも3本に2本の割合でやって来たものですが、もう最近では3本に1本やって来れば御の字という状況です (運用の都合上、昼間は全く来ないこともあり得るそうです)。
 もちろん、琴電に行けば主力として大活躍中なのですが、やはり子供の頃から見慣れた700系が京浜急行から完全にいなくなってしまうのは寂しいですね。
 なお、これから日の短い季節の大師線は建物やケーブルの影が車体に落ちやすく、かなり見苦しい写り具合になってしまうため、薄曇りの日がオススメです。

 それにしても……今回ご紹介したどの車両も、他にほとんど撮り鉄を見かけないのはどうしてなんでしょうね~。(勿論その方が気分的にはラクなのですが ^^;)