昨晩、フツーに晩メシを食べながら、これまたフツーに某国営放送の夜7時のニュースを見ていたところ、東京メトロと都営地下鉄の経営統合について正式な協議が始まる旨の報道がなされ、思わず「ついに来たかぁぁっ!」と叫んで飯粒を飛ばしそうになってしまいました (^^;)。さらにその後、J-WAVEの夜8時の番組「Jam The World」でもこの話題が取り上げられ、猪瀬副都知事が生出演して説明するなど、にわかに首都圏全体のアツい話題として沸騰しつつあるような気配があります。
そもそも、東京メトロの前身である営団地下鉄は、周知の通り帝都高速度交通営団という正式名称であったわけですが、この如何にも時代がかった名称は、戦時中に東京市内の地下鉄既存路線(今日の銀座線)と将来構想路線を統合して国家統制の下に置き (浅草~新橋の東京地下鉄道と、渋谷~新橋の東京高速鉄道は将来の覇権をめぐって争っていたようで、それを国が丸く収めるためでもあったとか)、政府と東京市(→東京都)の出資によって建設・運営を行うために設けられた組織に由来しているはず(純粋な国営・市営・都営ではない公営企業として「営団」という名称が付いた由)。したがって、東京メトロ(確か未だ上場していないはず)も都営地下鉄も東京都の大きな影響のもとにあるわけで、すぐにでも統合してもおかしくないのでは……と素人目には思えるのですが、国が50%を超える株を保有し収益力が高いメトロ路線と、長年イマイチ補足的な雰囲気が否めない都営路線はすぐには統合出来なかったのでしょう。
しかし、世界を見回してみますと、大都市の地下鉄網で会社が異なると別運賃になるという不便さを強いられる事例は余りないわけで、身近なところで申しますと韓国のソウル広域電鉄網は国鉄・ソウルメトロ (1~4号線)・ソウル都市鉄道 (5~8号線)・9号線会社に分かれているにもかかわらず運賃は統一されているはず。北京も4号線あたりが香港との合弁による別会社の運営であるものの、運賃は全路線共通でどこまで乗っても2元。というわけで、乗り換えるたびに初乗り以上の運賃を負担しなければならないメトロ・都営の関係は、首都圏住民にとって不便であるだけでなく、国際都市・東京の面子にかけても、あるいは今後さらに便利な都市として発展するうえでも問題があると思えます……。
いやまぁその、個人的にも山手線内の移動でメトロ→都営乗り換えを強いられるとなると「ちっ、高くて面倒臭ぇなぁ」とつぶやかざるを得ないわけです (^^;)。そこで、地図を眺めて下車駅を工夫したうえで少々歩くか、あるいは便利そうな都営バス路線を探す……といった自衛をしております (ケチですかねぇ……笑。タクシーに一人で乗るのも貧乏人にはバカにならない出費ですし)。
そんな煩悶を相当程度解消してくれそうな今回の統合話、恐らく存続会社は東京メトロでしょうが、メトロとしては都営地下鉄のこれまでの負債まで背負い込むつもりはないでしょうから、都営地下鉄部分については所謂上下分離方式を採用し、インフラ保有は東京都、運営はメトロ、運賃は統合、という形態をとることになるのでしょうか。 しかし猪瀬副知事談によると、既に都営地下鉄も大江戸線効果でそれなりに収益力は高く、あと20年で負債を完済可能ということで、むしろメトロの株式上場で完全に国と都のコントロールが効かなくなる前に利用者の利益を重視した統合を実現し、規模の経済で都営分の負債完済を加速させるのがベターであるとのこと。まぁ私は財務屋ではありませんので、余り細かい金の話は分かりませんが、いずれにしても都電と新交通システム(舎人方面へ行くやつ、まだ乗ってない……^^;) は都交通局に残ることになるのでしょう。
う~ん、メトロ・都営・国・都の4者による協議はこれからまっさらな状態で始めるとのことですが、とにかくも九段下駅ホームの半蔵門線と都営新宿線の仕切りがなくなる日が一刻も早く訪れることを期待したいものです。