地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ヤンゴン熱鉄記 (17) 栄光の (?) 1/2レ

2018-07-29 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 先日のパクアン急行様を囲む宴では、インドネシアで新たに豪華客車を連結した「アルゴ・ブロモ・アングレック」が、1レ・2レに相応しい風格を取り戻したということで大いに注目の的となりました。如何せんブロモ・アングレック専用の下ぶくれボディ客車は、INKA最新客車と比べれば大いに見劣りするのは否めないところでしたので、なおさら、ということでもあります。
 そう、いやしくも鉄ヲタたる者、それぞれの国を代表する1レ・2レたる者、それに相応しい風格を保って欲しいものだと切に願うものです。既に1レ・2レが消えてしまった日本では、のぞみ1・2号の1A・2Aがその栄光を代表している……のでしょうか? しおかぜ・しらさぎ・スーパーあずさ・スーパー北斗、それぞれに1D・2Dや1M・2Mを名乗っていますが、重みは如何ほどに……?



 目を外に向けてみますと、1レ・2レが如何にもそれらしい座にあるのは、ロシア・シベリア鉄道のロシア号でしょうか (個人的には、ウラジオ〜モスクワ間鈍行の901・902レに憧れたものですが。爆)。北朝鮮の1レ・2レは平壌〜恵山間の運行ということで、金日成が抗日パルチザンとして白頭山麓に立てこもったという伝説にちなんでいます。中国の1レ・2レ(現在はT1・T2)は北京〜長沙間の運行ということで、毛沢東の出身地にちなんでいるわけですが、まぁ中朝両国は革命的に勝手にやって欲しいところです。今や中国のT1・T2は高速鉄道や他の同様の特快クラスの列車の中に完全に埋没し、特異なところがあるとすれば「紅色列車」の牌子を車内に飾っていることでしょうか (乗務員は全員優秀な共産党員で、サービスも中国国鉄の中では極上、ということ。他にも特快クラスはだいたい「紅色列車」「共青団号」だったりしますが)。
 台湾の場合、むかしはキョ光11次、台東発台北経由高雄行きというハードコアな列車がありましたが、今やキョ光は500番台の列車番号を与えられる急行列車的存在に転落……。自強101次は台中発高雄行き、プユマ111次は南港発潮州行き……という感じですが、まぁ速いですけど昔のキョ光号のようなシブい重みはないですわな。総じて台鉄には、列車番号への思い入れというものは余りなさそうです。台湾はある意味で日本よりも合理主義的な国ですし。
 東南アジアの場合、タイやインドネシア、そしてベトナムは代表的な特急に1・2を付けるという、スタンダードな選択をしているようです (ベトナムはSE1/2)。タイの1レ・2レはバンコクとチェンマイを結ぶ「ナコンピン号」で、今や中国製最新ステンレス車を使用しています。いっぽうミャンマーの場合、1レ・2レは決して速くなく、編成的にも他の速い列車と比べて見劣りするようです。ミャンマーの場合そのココロは、植民地行政 (そして独立後の行政)に必要な文書を運ぶ列車=Mailだからなのでしょう。
 というわけで、さらに細かく各国それぞれの1レ・2レを考察していると、それ自体が各国の近現代史そのものであるということが分かります (笑)。しかしまぁ、混合列車としてここまで濃いぃ風貌の1レ・2レは、世界広しといえどもミャンマーの他にあるのでしょうか?

予告 (JRE交流区間にお布施する?旅)

2018-07-27 12:19:00 | JR発足後の車両


 当ブログはこのたび、JR系特急&「走るんです」を愛でるブログに宗旨替え致しました (大嘘)。



 至近距離で金太郎を眺める至福のひととき……って、別に貨物イベントの類ではありません。



 今回のような脇役でなければ多分当ブログには出演しないE3系現山形色。400系のハイセンスな色を何故止めたのか?



 大宮で新幹線を降りると、ちょうど「やまどり」の玉原ラベンダー号が到着……って、E231が手前にカブった (-_-;)。

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 先日、ネタ鉄の道まっしぐらの甥っ子を1日だけ18きっぷの旅に連れていってやり、郡山から大宮までは「オジサン面倒臭い」と称してスッカスカの「なすの」に乗ったのですが、たまにはJR系車両をちまちま撮るのも良いですね。
 ……とはいえ、実はそれが主目的ではないのでした。新連載始めます。(まだ全然終わっていない連載が幾つあることやら……滝汗)

第五ヤンゴン熱鉄記 (16) 緑青の新中華

2018-07-26 06:00:00 | ミャンマーの鉄道


 一昨日のパクアン急行様を囲むタイ料理の宴では、当然のように話題がミャンマーにも及んだのですが、「ヤンゴン環状線の電気式DC投入は将来の完全電化に向けたプレゼントなのだろうけど、如何にも取って付けたような案件で、しかも第三軌条でなければ建築限界の低さからしてムリだろう。フィリピン国鉄がINKAから購入するPP通勤客レ、あれは結構良い感じではないか。でも日本のメーカーや鉄道会社はEMU・DMUに集中し過ぎて、海外の動力集中式車両の細かいニーズに対応出来ないんだよなぁ……。そこで中国中車が東南アジアでも大きな存在感を見せるのは、口惜しいけれど当然だ」というぼやきも共有されたのでありました。



 一方、昨日の日経新聞によりますと、2011年の民政移行後のミャンマー投資ブームは、諸制度の整備が発展途上であることに加えてラカイン州の問題などもあって当面下火になってきたようで (私が初訪問した2013年頃のグラフの傾きがやっぱり凄い)、思ったほど中間層が生まれていない中、雨後の筍のように現れた航空会社のいくつかが運航を停止したほか、鳴り物入りで建設が決まったハンタワディ空港も今年に入って無期延期とか……。ヤンゴン環状線の電気式DC投入経験をもとに、バゴー及びハンタワディ空港への近郊輸送にも電気式DC を投入することになるのかとワクテカ予想していた私の見方は甘かったようです。ま、世の中何事も一進一退ですな……。
 というわけで、そんなミャンマーのインフラ整備は、1〜2年前に思ったよりもまったりとした速度で進むことになりそうですが、何事もとりわけ日中のつばぜり合いとなる中、こと罐に関しては中国の独壇場となるのでしょうか? 少しずつ増える緑+青のChinese Trainの画像を眺めていると、そんなことを思ったりします。画像は、マンダレー最速急行に続いてChinese Trainが投入されたピィ急行です。

第八ジャカルタ炎鉄録 (44) メトロ05KKW

2018-07-25 00:30:00 | インドネシアの鉄道


 いつもお世話になっております日本人ジャカルタ鉄道趣味界の大御所・パクアン急行様が、このたび短期間ながら一時帰国されており、昨日はご実家及び私の用務先にほど近い町田のタイ料理店にてプチオフ会が開催されました。何の因果か、ジャカルタよりも俄然○ソ暑くなってしまった中だけに、スパイシーなメシが猛烈に美味く、その勢いで日本とアジアの鉄道事情をアツく語るひとときとなりました♪ パクアン急行様ほかご参加の皆様には心よりお礼申し上げます!



 今回の会話の内容は相当程度ヤバいものですので、ほとんど割愛させて頂きますが、まぁ一言でいえば、ある車両をある路線に入れるにも、そこには悲喜こもごもあり、といったところでしょうか。あとインドネシアの話題に関して申しますと、自動改札機のシステム更新失敗で一時的に紙の切符が復活したことには一同新鮮なショック (笑)。そして、インドネシアの超豪華客車クラス・ラグジュアリーや、 INKA製フィリピン国鉄新車投入予定の話題など、日々ますます変わりゆく列車・車両の陣容についても語られましたが、どうしても最後は「ガンビル駅の配線は○ソ」というところに行き着いてしまうのであります。そして、何事も縮小傾向の (?) 日本の鉄道事情に話題が及ぶと、やはり一同、景気が良くない表情に……。様々な問題の大きな原因として、国鉄分割民営化が約30年を経てボディーブローのように効いてきている、という緩やかなコンセンサスに行き着いたのでした。
 あと……○○○につきまして、この話題は特筆したいのですが……嗚呼、まだ秘密性が強すぎて書けない (^^;

 というわけで、早いもので約2年前の撮影となってしまったジャカルタ撮り鉄の画像から、メトロ05系の女性専用車ラッピングつき車両を選択して貼ってみます。……とゆーか、これで2016年の訪問分は完全に打ち止め・ネタ切れです (^^;)。半年前の願望としては、来たる8月に再訪希望でしたが、その後少しずつ面倒な依頼仕事が増えたのと、ジャカルタでは8月下旬にスポーツのアジア大会が開催されるのを前にして、鉄道駅及び沿線の警備も強化され、撮り鉄するには余り面白くない環境になることが予想されましたので、当面は再訪を先延ばししたかたちになります。
 それはさておき、最新の日本首都圏混雑ランキングの類を見るにつけ、複々線化が実現した小田急は大幅にランクを下げ(快速急行は相変わらずの混みようですが -_-;)、メトロ東西線が横綱級に混むと伝えられる昨今ですので、ジャカルタに05系を譲渡するくらいなら、主要駅ホームを12〜15両対応にして長大編成を走らせ、そのためにも05系を東西線に引き留めておいた方が良かったのでは?と妄想しなくもありません。とはいえ、03系すら続々と北館林送りとなっている昨今ですので、メトロが05系を処分してしまっても痛くも痒くもないのでしょう。
 ジャカルタで当初、圧倒的に新しいイメージを放って登場した05系は、8連であるが故にいつの間にか12連や10連と比べて「使えない編成」扱いされているのかも知れませんが、環状〜ボゴール線運用では今後も引き続き重宝されることでしょう。

誤字訂正Special Thanks to パクアン急行様。(滝汗)

ジャカルタ2018・人と鉄道 (斎藤様画像)

2018-07-24 00:00:00 | 頂き物画像


 ジャカルタの電車シーンにおいて突如、紙の乗車券廃止・完全なるICカード (Commet) への移行が断行されてからはや数年。その後さらに技術面での進展が進み、Felica対応ではない初期のICカード (黒地に黄色でMのデザイン、そして今はなき東急8613F「Jalita」をもとにした電車マーク) の使用が停止されるとか。手持ちの初代ICカードにはまだ10万ルピアくらいチャージが残っている (はずの) 私はどうすれば良いのでしょう……(笑)。
 そんな、とにかく猛烈な勢いで物事が移り変わるジャカルタに、いつもお世話になっておりますRP誌未来の主筆 (?) 斉藤幹雄様が、先日何と5年ぶりに再訪され、5年もブランクがあったため何事も激変していて浦島太郎気分となられたとのこと。変化と言ってもこれまでは基本的に車両面が中心だったミャンマーに集中的に通われていると、インドネシアは超!先進国に思われたことでしょう……。



 その際のレポートは、今後雑誌や書籍を通じて広く流布されることになるのを楽しみにお待ち申し上げたいものですが、とりあえず、思いのほか撮っているヲタは少ないと思われる、人と電車が織りなす光景をどうぞお楽しみ下さい〜☆
 1カット目は、ラッシュアワーのマンガライ駅。2カット目は、ジャカルタ・コタ駅にて折返し中に勢揃いした乗務員諸氏とPKDの集合記念写真です。
 マンガライ駅は、一応乗り換え用の地下通路などといったものを建設し、確か既に完成しているはずですが、線路内横断や構内横断などに慣れきった人々が狭い地下通路に押し寄せても上手く流れるとは到底思えないわけで……。そんなカオスな情景が画面全体に溢れ出そうなほどです (^^;) 。いっぽう2カット目は、「KCIの電車を我々が日々動かして、ジャカルタの街を支えている」というプライドがビンビンに感じられると思います♪
 なお、どちらの画像も正式な許可証があり、通訳同行であることを申し添えます。 以上、斉藤様には心よりお礼申し上げます!