地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

西鉄宮地岳線も部分廃止へ……

2006-03-31 12:52:58 | 地方民鉄 (西日本)


 ここのところ、来年の年度末を目途にした廃止の話が相次ぎ、鉄道・公共交通派としては本当に寂しい思いが募ります。特に、かねてから問題になっていた鹿島鉄道は、ついに正式に廃止届が提出されたようで……。
 そんな中、九州でも西鉄宮地岳線の西鉄新宮~津屋崎間が来年3月末を以て廃止となるとのこと……。宮地岳線といえば、福岡市営地下鉄と連絡しつつ、福岡都市圏北部ベッドタウンの気軽な足として走ってきたわけですが、釣掛式電車を愛好する立場からみれば、戦後の運輸省規格型車両の貴重な生き残り・300形や、正面2枚窓がなかなか良い感じの313形 (一部はカルダン駆動に改造済) がバリバリの現役で走っているという点で最高に魅力的な路線です。そこで、恥ずかしながら2年前に初めて九州の地を踏んだ際には、最優先で訪問して数時間じっくりと乗車と撮影を楽しんだものです (^^;)。特に、300形の猛烈なモーター音や揺れ具合、それに板張りの床などは素晴らしいのひとこと! (*^o^*) 東武7800系が車体を載せ替えずに冷房化していたら、多分こんな感じになっていたのだろうな……と思いながら堪能したことは言うまでもありません。
 とはいえ、住宅の密度が低くなる今回の廃止対象区間において、車内がとにかく閑散としていたことは、すぐそばを走るJRの方が圧倒的に速くて快適ということもあり、この初乗車の時点で既に気になっていました。各駅の立地も、市街地のはずれの辺りにひっそりと佇んでいる雰囲気が強かったですし……。
 恐らく、国鉄改めJRの本数が少なかった80年代までは、それでもそれなりに集客できたのかも知れませんが、JRが本気を出したことによってついに宮地岳線が割を食らうことになったのでしょう (-_-)。
 したがって西鉄としては、それなりに客が多い存続区間について、かねてからウワサがある地下鉄との直通を将来的に実現させ (? ……少なくとも貝塚駅の構造は、地下鉄も地上にホームがあり、ちょっと線路をいじって延ばせばいつでも直通可という雰囲気です)、末端部は見切りをつけよう、ということなのかも知れません。
 そこで、果たして廃止区間の運行を担う別会社が設立されるかどうか……ですが、個人的にははっきり言って悲観的です。とにかくJRがすぐ近くを走っており、しかも鉄壁の路線網を誇る西鉄バスもありますので、沿線住民も「そちらをご利用を」と言われればあっさりと受け入れてしまうのかも知れません。一応、乗って残そうという類の看板を見かけた記憶はありますが……。
 車両面について、恐らく300・313形は全廃になるのでしょう……(T_T)。考えようによっては、余りにも老朽化した300・313形の引退のタイミングとも合わせて廃止に踏み切る、と考えられなくもありません。
 すると残るは、本線系から引っ越してきた600形のみとなるのでしょう。300・313形目当てで線路脇で待っているときには、600形がやってくると「ハズレ」なわけですが (^^;)、この電車も既に十分シブい部類に入る高度成長期の佳作であり、加えて台車は標準軌の本線系から転属してきた関係上、国鉄101系か103系のものを流用しているなど、趣味的な面白みもあります。この600形も、もし将来地下鉄直通が実現するとすれば廃車になるでしょうから、撮影は「思い立ったら吉日」かも知れません。
 とりあえず、7月に福岡出張の予定がありますので (1週間ぐらい滞在して、ついでに九州各地の私鉄をめぐるつもり ^^;)、また改めてレポートしたいと思います。

 それにしても、部分廃止によって宮地岳まで行かなくなったら、路線名はどうなるのでしょうか?? 

福井鉄道モハ140・最後の雄姿

2006-03-30 17:46:37 | 地方民鉄 (中京北陸)


 今回の福井寄り道訪問にあたっては、もちろん名鉄600V車の活躍開始前夜の模様を目にしてみたいという願望もあったのですが、それ以上に重要だったのは、3月いっぱいで運用を離脱することが分かっている80・120・140・300形の最後を記録しておくことでした。
 しかし、非常に古い車体が最高に魅力的な120形は、せっかくカルダン駆動に改造されながらも、車内が半鋼製ロングシートであるためか、予備の中の予備ということで、運用に入っていることなど滅多にあり得ません。そこで、せいぜい武生新に留置中の姿を撮れれば御の字だ……と思っていたのですが、当日行ってみたところ西武生の非常に撮りづらい位置に留置中だったため、根本的に撮ることは叶いませんでした (TT)。
 その代わり、釣掛駆動のままで半鋼製転換クロスというスペックの140形が、何と120形の定位置 (?) に留置されており、しかも何とパン上げ中!! v(^o^)v この140形についても、通常は予備車扱いということで元々パン上げ状態は全く期待しておらず、とにかく撮ることが出来るだけでも良いと思っていただけに、古典電車の廃車直前パン上げ姿を目にすることが出来ただけでも、高いワープ料を払って来た甲斐があったというものです! 
 もちろん欲を言えば、是非ダイナミックな轟音と揺れまくりの乗り心地を体験してみたかったのですが (結局一度も乗ったことがなかった……-_-)、長野出身車 (前パン側) と名鉄出身車 (パン無し) という全く生い立ちが異なる車両どうしがデコボコな固定編成を組んで活躍してきた……という、如何にも古き良き地方私鉄らしい組み合わせは、もう今後余り見ることが出来ないものでしょう。
 そういう意味でも、今回の140形の廃車は、LRT化や大手私鉄ステンレスカー導入の道を進むことによって生き残ろうとする地方私鉄のひとつの典型的な象徴的事例なのかも知れません。
 ちなみに、このあと西武生駅で雨宿り中に会話をした同業者 (初老の紳士ながら、どう見ても偉大な写真家に似ておられる……) のお話によりますと、この140形は翌朝 (29日) に動くとのこと……。長電や名鉄の同時代の車両たちは全て廃車になってしまった中、21世紀に至るまで、しかも引退の直前まで朝のラッシュアワーに活躍の場を与えられたこの2両は、本当に幸運だったのかも知れません。

福井鉄道リニューアル目前!

2006-03-29 23:55:54 | 地方民鉄 (中京北陸)


 先ほど関西方面への出張&スーツ鉄から帰ってきました。撮り鉄の成果は大漁そのものですので (^o^)、これからぼちぼちご紹介して行きたいと思います~。
 それでもって、紹介する順序は何故か一番最後の訪問地から……(^^;)。このたび、廃線となった名鉄岐阜600Vの車両群が入線して、来る4月1日から既存の車両の大部分を置き換えることになった福井鉄道です! かねてから、既存車の最後の活躍と、福鉄新塗装をまとった岐阜600V車両が大挙して待機しているシーンの両方を眺めてみたいと思っていたのですが、遠路はるばる福井まで往復するまとまった時間がありませんでした。しかし、置き換え目前というタイミングと、出張最終日の予定が午前中で終わるというスケジュールがピタリと重なるという千載一遇のチャンスが! そこで、京都13:10発のサンダーバードに乗り、一路武生を目指しました。所要時間たったの1時間10分少々で運賃+料金が5000円近いというのは、あくまでワープ料と割り切って、気にしない、気にしない。
 武生で下車後、歩いて武生新駅に向かいますと、2面3線のうち2線に770形と800形を並べ、ノンステップでラクラク乗車!を強調するPR用ビデオ撮影をしていました。ふと気がきつくと、駅のホームが低く改造されており、既存の大型車は路面区間でもないのにステップを出して停車していました。
 そして西武生の車庫に向かいますと……いよいよ元岐阜600V車の営業開始を4日後に控え、先日市ノ坪から搬入されたばかりの880形が仕上げの整備を受けるため、秘宝・デキ3に牽引されて木造車庫の中に押し込まれるシーンに遭遇しました! いかんせん連結器の高さが全く違っているため、笑ってしまうほど非常に簡素な棒連結器 (?) とアダプターを組み合わせて、そろりそろりと庫内を移動していましたが、第二の車生を歩み始めたピカピカな880形と古典電機の組み合わせには思わず感激せずにはいられませんでした (^o^)。もちろん、珍で絵になる光景だからですが、何やらまるで、生き字引的な存在としてのデキ3が、まだ何も知らない新参者としての880形をエスコートしながら「ごらん、これが君の新しい車庫だよ……」と語りかけているかのような。
 非常に味のある80・120・140・300形が全廃されてしまうのは残念ですが、やはりこれも時代の流れということで、旧美濃町線880形と揖斐線780形が2大主力となる新しい福井鉄道を一ファンとしてこれからも訪ねてみたいな……と思ったのでした。

わ鐵寄り道記 (2) 大間々駅の車両群

2006-03-26 23:49:44 | 地方民鉄 (関東北東部)


 わたらせ渓谷鐵道初訪問で取り敢えずの折り返し点となった大間々駅は、本社・検修区が置かれた沿線最大の駅で、昼寝中のDCや、観光シーズンに運行される客車列車などが留置されているため、これがなかなか楽しめます (^^)。しかも、山懐に抱かれた構内の雰囲気は、古き良きローカル線情緒そのもの! 桐生方面ホームへ向かう際に渡る跨線橋からの構内の眺めもなかなか素晴らしく、じっくりと観察しているだけで時間があっという間に過ぎてしまうほどです。列車で到着後、すぐには外に出ずホームで撮影させて欲しい旨をお願いすれば、快く承諾してくださると思います。
 というわけで、主力のわ89-310型は前回ご紹介しましたので、今回は大間々駅で見られるその他の車両を少々……。まず↑は、89年に足尾線を引き継いで開業したときからのLE-Car、わ89-200型です。同時に登場したわ89-100型との違いは、ロングではなくセミクロスであることによります。ただ、LE-CarはLE-DCのわ89-300・310型に比べると如何せん乗り心地が悪いためか、こうして端で見ている限り、ラッシュアワー専用という雰囲気が漂っていました (実際にはどうなのでしょうか ^^;)。しかしまあ、かつての第3セクター開業ラッシュとともに一世を風靡したLE-Carも消える一方ですから、徐々に貴重な存在となりつつあることは確かだと思います……。



 そしてこちらは、12系のお座敷客車「やすらぎ」を購入した「サロン・ド・わたらせ」と、わたらせオリジナル塗装になったDE10 1537です。2輌のスハフ12の中間に京王5000系を種車としたトロッコ客車2輌を挟み込んだ編成 (4輌ともわ99-5000型に改称) は、残念ながら撮りにくい位置に留置されていたため撮影していませんが、茶色ベースのシブい塗装をまとったDE10 1537を見ていると、今度訪れたときには旋回窓が凛々しいこのDLが先頭に立った客車列車を撮ってみたい……という欲求が (^^;)。もう1輌あるDE10は国鉄色そのままのようですので、当たる確率は5割で、何度か遠路はるばる通わなければならないでしょうが……(^^;;;)。
 このように魅力ある車両を有するわ鐵も、1年有効1万円のフリー切符「わたらせ夢きっぷ」の販売戦略を誤ったことが一因ともなり (定期券客がこちらに移行してしまうことによる大減収を、沿線一般住民のサクラ購入分が穴埋めすることによって、結果的に増収を狙ったようですが、全くこのようにはならなかったようで……)、経営が苦境に陥っているとか。そんな危機となればなおさら、四季折々に美しいわ鐵に通い、僅かでも運賃収入に貢献したいものだ……と思っているところです。もっとも、3~4ヶ月に1回に通って元を取るだけのヒマもなかなかないのですが……(-_-

ぱれっとさんの頂き物・土電590形快走!

2006-03-25 10:05:47 | 頂き物画像


 のんびりと楽しく地元密着型の鉄道風景が広がっていた名鉄岐阜600V王国が崩壊してまもなく1年……。馬面の600形や道産子870形が廃車解体されてしまったのは残念ですが、その他の車両は新天地を見つけて既に走り出しているものあり、あるいは美しい状態での静態保存が実現したものあり (モ513→谷汲駅跡・モ593→美濃駅跡)、その後の車両たちの身の振り方という点ではましな部類なのかも知れません。
 これらの車両たちの中でも個人的に一番の注目株は、もちろんモ591・592の2両。これだけ古い車両なのに、よくぞ土電は購入してくれました!……というわけで、高知まで行ってみたいのはやまやまなのですが、なかなかまとまった休みが取れず、他に行きたい場所も山のようにあることから、なかなか訪問もかないません (-_-;
 そんな中、お遍路島にご在住のぱれっとさんから、超多忙の中での気晴らしとして日帰りで高知まで往復し、590形やモノコックバスの活躍に心から癒された~という近況をお送り頂きましたので、さっそく頂いた画像をアップしてみます!
 行先表示がLED化された以外は、パッと見で何一つ岐阜時代と変わらないモ590の優美なスタイル! いや~本当に、こうして生き残ってくれたことは奇跡ですね (^^)。しかも、広々とした道路の中央をクルマに遠慮せず堂々と走る姿……! 岐阜時代に結局恵まれなかった理想郷にやって来て、心からのびのびと走っている……そんな雰囲気が伝わってきます (*^^*)。
 何はともあれ、590形のいっそうの活躍を願いたいものです。
 というわけで、ご投稿ありがとうございました~m(^^)m