ここのところ、来年の年度末を目途にした廃止の話が相次ぎ、鉄道・公共交通派としては本当に寂しい思いが募ります。特に、かねてから問題になっていた鹿島鉄道は、ついに正式に廃止届が提出されたようで……。
そんな中、九州でも西鉄宮地岳線の西鉄新宮~津屋崎間が来年3月末を以て廃止となるとのこと……。宮地岳線といえば、福岡市営地下鉄と連絡しつつ、福岡都市圏北部ベッドタウンの気軽な足として走ってきたわけですが、釣掛式電車を愛好する立場からみれば、戦後の運輸省規格型車両の貴重な生き残り・300形や、正面2枚窓がなかなか良い感じの313形 (一部はカルダン駆動に改造済) がバリバリの現役で走っているという点で最高に魅力的な路線です。そこで、恥ずかしながら2年前に初めて九州の地を踏んだ際には、最優先で訪問して数時間じっくりと乗車と撮影を楽しんだものです (^^;)。特に、300形の猛烈なモーター音や揺れ具合、それに板張りの床などは素晴らしいのひとこと! (*^o^*) 東武7800系が車体を載せ替えずに冷房化していたら、多分こんな感じになっていたのだろうな……と思いながら堪能したことは言うまでもありません。
とはいえ、住宅の密度が低くなる今回の廃止対象区間において、車内がとにかく閑散としていたことは、すぐそばを走るJRの方が圧倒的に速くて快適ということもあり、この初乗車の時点で既に気になっていました。各駅の立地も、市街地のはずれの辺りにひっそりと佇んでいる雰囲気が強かったですし……。
恐らく、国鉄改めJRの本数が少なかった80年代までは、それでもそれなりに集客できたのかも知れませんが、JRが本気を出したことによってついに宮地岳線が割を食らうことになったのでしょう (-_-)。
したがって西鉄としては、それなりに客が多い存続区間について、かねてからウワサがある地下鉄との直通を将来的に実現させ (? ……少なくとも貝塚駅の構造は、地下鉄も地上にホームがあり、ちょっと線路をいじって延ばせばいつでも直通可という雰囲気です)、末端部は見切りをつけよう、ということなのかも知れません。
そこで、果たして廃止区間の運行を担う別会社が設立されるかどうか……ですが、個人的にははっきり言って悲観的です。とにかくJRがすぐ近くを走っており、しかも鉄壁の路線網を誇る西鉄バスもありますので、沿線住民も「そちらをご利用を」と言われればあっさりと受け入れてしまうのかも知れません。一応、乗って残そうという類の看板を見かけた記憶はありますが……。
車両面について、恐らく300・313形は全廃になるのでしょう……(T_T)。考えようによっては、余りにも老朽化した300・313形の引退のタイミングとも合わせて廃止に踏み切る、と考えられなくもありません。
すると残るは、本線系から引っ越してきた600形のみとなるのでしょう。300・313形目当てで線路脇で待っているときには、600形がやってくると「ハズレ」なわけですが (^^;)、この電車も既に十分シブい部類に入る高度成長期の佳作であり、加えて台車は標準軌の本線系から転属してきた関係上、国鉄101系か103系のものを流用しているなど、趣味的な面白みもあります。この600形も、もし将来地下鉄直通が実現するとすれば廃車になるでしょうから、撮影は「思い立ったら吉日」かも知れません。
とりあえず、7月に福岡出張の予定がありますので (1週間ぐらい滞在して、ついでに九州各地の私鉄をめぐるつもり ^^;)、また改めてレポートしたいと思います。
それにしても、部分廃止によって宮地岳まで行かなくなったら、路線名はどうなるのでしょうか??