地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

福井鉄道80形を撮る (03年8月)

2020-06-21 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 最近当ブログの更新頻度が低下しており、いつもご覧頂いている皆様には大変恐れ入ります。昨今の何事もオンラインでこなす風潮の中で作業の量が増えてしまっていることに加え、試しで始めたツイッターの方にいつの間にか時間を取られているためということで御容赦願います。
 そのツイッター版では、思いつくままに行き当たりばったりで様々な画像をアップおりますが (それはこのブログも然りですね ^^;)、思いつきで過去画像に走る中で、昔撮ったきり忘れていた画像にスポットライトを当てることが増えました。とりわけ、ポジフィルムで撮った故にデジタル化の時代の中で使い勝手が悪くなっていたカットなど……こんなシーンを撮っていたのか!ということで、マクロレンズを使ったお手軽スキャンで救出する機会が増えています。



 そんなシーンのひとつとして、2003年8月に撮影した福井鉄道80形の画像をアップしてみたく存じます。当ブログを始めたのは04年10月のことで、それ以前の画像はただでさえお蔵入りしまくりであるのですが、デジ一眼 (EOS 10D) を初めて購入した03年夏の時点では、やはりまだポジの方が偉くデジタルは補助という固定観念が強かったため、より決めたいシーンはポジで撮影し、おまけとしてデジ一眼で撮るという傾向が強かったですね……。しかしデジ一眼や画像処理に慣れる中で、「しまった、デジタルの方が解像度が高くいじりやすいし、プリントしても遜色はない……デジ一眼を買った時点ですぐに完全デジタル化を図るべきだった」と思うようになりました。とはいえ、時既に遅し。スキャンする手間をかけないと使い勝手が悪いポジは、そのまま利用せずにスライドボックスの中で保存するままとなっていました……。
 そして最近ツイッターを始める中で過去画像を漁ってみると、をを!こんなシーンも撮っていた!という発見が (笑)。
 とりわけ福井鉄道80形は、南海の木造車がルーツでありながら、福井鉄道入り後の車体載せ換え、そして国鉄の廃車発生品利用による新性能化とそのついでの冷房化、さらに京阪の廃車発生品利用による制御機器の交換を経て、全く違った電車になってしまったという不思議な存在です。しかも、その福井オリジナルボディは、如何にも質実剛健な地方私鉄中〜大型車そのものという感じで、さらに塗装も宜しく、クーラーと排障器もゴツくて良い! そう……こんな地味に濃いぃ電車があったら良いな、という妄想をそのまま形にしたスタイルが魅力的なのです。さらに、車内に一歩入れば、111系のボックスシートが並んでいる光景にもシビれたものです……。
 福井鉄道の鉄コレは、名車・200形が好評を博したものと認識しておりますが、是非この80形、あるいは120形といったオリジナル大型車も、是非いずれ鉄コレにならないものか……と待ちわびるばかりです。

美濃路歩き鉄 (10) ワイン色の養老鉄道

2017-11-14 12:40:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 大垣夜行に乗って東海道線を西に向かう際、一体どこから「関西」をビンビンに感じ始めるのか……人によって基準は様々でしょうが、個人的には名古屋駅の手前や大垣駅で近鉄の電車がチラ見えした瞬間に「西へ来た……」という印象を抱いたものです。実際に関西を「関の西」たらしめているのは、関ヶ原の南西にある不破の関であるといわれますが、鉄ヲタは関ヶ原に達する前に、如何にも近鉄な21m級大型車体を通じて関西を意識するとは、まさに近鉄の巨大な存在感の成せる技と言えましょう。



 このたび中山道を西へ西へと歩いてみた中でも、やはり養老鉄道を横切り近鉄ボディと御対面したことで、「うおぉぉぉぉ~っ!ついに西国に来たぜ!」と思いましたです……(笑)。
 美江寺駅の西に広がる往時の美江寺宿の街並みを楽しんだ後、次の赤坂宿=美濃赤坂駅界隈までが非常に長く、残暑の午後に田んぼのど真ん中を歩き続けてヒィィ~という気分であったのですが、少しずつ近づく伊吹山、そして辛うじて揖斐川の上を吹く川風を楽しんでると、やがて石灰石採掘でハゲハゲ山となった金生山が近づき、家並みの先に東赤坂駅前の踏切が……(^O^)。そこで内心「養老!養老!」コールが湧き起こっていたところ、何と踏切が鳴り、目の前で揖斐行きが中山道を横切って行くではありませんか! というわけで、一旦踏切が上がるとすかさず斜光線のド順光側に回り込み、交換シーンの並びと大垣行の発車シーンを有り難く激写しました☆。そして、揖斐行きが北へ走り去るのを見送りながら、ついに近鉄南大阪線のお下がりが走る世界に徒歩で達したことの喜びを静かに噛みしめつつ、暮れなずむ赤坂宿へと進み、赤坂支線に乗って宿泊地の大垣(アパホテルのトレインビューの間 w) へと向かったのでした。

美濃路歩き鉄 (9) 樽見鉄道ハイモ330

2017-11-13 12:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 岐阜駅の南に広がる加納宿から中山道をたどって行きますと、東海道線をくぐってからしばらく、かつて岐阜市内線・鏡島支線が走っていた古い街並みを進みます。岐阜バスの西鏡島線が10分間隔でやや狭い旧街道を行き交っていることから、鏡島支線はそこそこ繁盛していたのでは?という印象を得ると同時に、この路線がいち早く消えたのもモータリゼーションへの迎合のためだったのか……とトホホな気分になりました。
 鏡島の町を抜けると、中山道は河渡(ごうど)大橋で長良川を渡り、金華山の眺めを楽しむ間もなく河渡宿に入り、さらに西へ西へ、住宅街を進みます。やがて糸貫川を渡ると家並みも次第に途切れ、水田の眺めが広がると、樽見鉄道・美江寺駅南の踏切に到着です。ちょうど、大垣方面からホイッスルが聞こえてきましたので、「をっ♪こりゃドンピシャでラッキー☆」ということで、線路脇で連写態勢に入ったところ……あらら、やって来たのは「モレラ岐阜」ラッピング……(号泣)。



 あ〜あ、この踏切を通過する際には、樽見鉄道標準塗装車が来ればサイコーだ!と期待していたのですが、そう簡単にギャンブルに当たるはずがありません (笑)。本巣へと走り去る「モレラ岐阜」を見送りつつ、「次の大垣行きまで待ってキメてやるぅ……」という思いが一瞬脳裏をよぎりましたが、この先の美濃赤坂まで結構宿場の間隔が開いており、出来るだけ時間に余裕を持って歩きたいのも事実。そこで、どうしようもない残暑の中、駅の自販機で買ったコカコーラを一気飲みして気合いを入れ直し、引き続き西へ、京へ……と歩き出したのでした。
 ちなみに、樽見鉄道の形式名「ハイモ」は、High Speed Motorcarの略で、これに機関の出力値を組み合わせているのだとか (Wikipediaによる)。そして、ハイフンの後の3ケタ数字が日常的な呼称となっているのでしょうか? この702号車は2015年に製造された最新増備車ということで、今後ますますの活躍に期待したいところですが、やっぱり標準塗装の方が良いなぁ……。
 そういえば恥ずかしながら、樽見鉄道は客車列車が走っていた当時、名鉄揖斐線と組み合わせて14系の客レに乗ったことがあるだけでした (汗)。貨物輸送の片手間に、通学需要や薄墨桜輸送に対応した客車をそれなりに揃えていた時代は遥か遠く、単行のワンマンカーで間に合ってしまうというのも時代の流れでしょうか……?

美濃路歩き鉄 (4) 長良川鉄道ナガラ500形

2017-10-15 12:46:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 太多線のキハ75に乗って美濃太田に着こうとしていたところ、ちょうど反対側からもホイッスルの音が響き、長良川鉄道の美濃白鳥行きが入線して来ました (1分遅れか?)。水色帯がなかなか引き締まった印象のナガラ500形は、この手の帯入り車両が2両、今はなきナガラ1形と同じタイプの白ベース塗装を纏った車両が1両ということで、非常に長大な (?) 長良川鉄道においてナガラ500形のイケてる帯入り姿に出会える確率は低いと思われます。中山道徒歩旅の出発に先立ち、そんな車両のお見送りを得られるとは何ともラッキーな話です♪



 しかしこのナガラ500形、車内はロングシートということで、「撮って楽しく、乗ってガッカリ」な車両の典型と言えましょう。美濃太田〜美濃市間で完結する利用であれば、ロングシートでも余り文句はありませんが、かりにメッチャ空いている列車に当たりつつ郡上八幡以遠まで行く場合、折角の長良川の風景もロングシートでは見づらく、何かの罰ゲーム状態のような気もします。もっとも、他の現役車両にしても所詮は軽快DC。そもそもボックスシートの数が僅少で、従来からボックスシートにあぶれている乗客の数が多いと思われますので、思い切ってロングシート・オンリーとしたのかも知れません。

四日市あすなろう鉄道「新車」試運転!

2015-09-18 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 近鉄四日市駅の片隅からひょっこりと発車する内部・八王子線は、全国的に見て極めて貴重なナローゲージでありながら、路線の短さと乗客減少ゆえ、近鉄が廃止を計画し、BRT化することを四日市市に持ちかけたものの、四日市市側の鉄道廃止反対によって二転三転、結局近鉄と四日市市が出資する四日市あすなろう鉄道として、今年春に再出発を果たしたことは周知の通りです。そんな四日市あすなろう鉄道には、四日市で運賃が切り替わることによる実質値上げ、そして非冷房という大きな問題がありますが、前者の問題が大きいからこそ、手がけやすいアピールとして冷房改造が早急に推進されることになったとか……。ただ個人的には、従来のパステルカラー車体のまま、三岐に譲渡された北勢線と同じく、床置式のクーラーを積むのだろうとばかり思っており、そのうちまた四日市界隈で鉄活動するついでに再訪すれば良いかな、と思っておりました。
 ところが何と……改造が終わって再び内部に運び込まれた車両は……何なのでしょうか、このカッコ良さは!! (^O^)



 従来のモ260・ク160の車体はそのままに、窓を丸ごと全く新しく優雅な一枚窓に変更するなど徹底的なリニューアルを施し、青とクリーム色のツートンカラーに身をまとっているとは……! しかも老朽化したサ120 (これはモ220由来だけに、余りにも古いのは事実) に代えて、サ180という完全な新車まで用意されているとは……! (したがってこの編成は完全な新車ではなく、一部リニューアル、一部新車というのが正確な表現でしょうか)
 というわけで、内部駅に留置中の画像をネットで眺めた私は、ナローゲージ新時代を強烈に感じさせながらも同時にヲタキラーな美しいツートンカラーの車体に完全に悩殺されまして、27日の運行開始を待たず一刻も早く見てみたい、と思ったのでした (爆)。
 そこで昨日、京都出張ついで鉄 (^^;) として大阪近辺の新鮮なネタを追い回したのち、久しぶりにアーバンPLUSのデラックスシートで青山峠越えを楽しみ、四日市に降り立ってみました。ただ、当初の腹づもりとしては、果たして何時からどういうスジで試運転をするのかも全く知りようがなく、とにかく内部駅の側線に留置されているシーンを拝むことが出来れば御の字、という程度だったのでありました。
 しかーし!そこに強力な撮り鉄の女神が微笑んでいました……♪ 四日市駅の改札を通ってホームに進むタイミングを見計らったかのように、新編成の試運転が到着……!! 四日市まで試運転で来た以上、必ず内部に戻ることから、途中で待ち構えて走行シーンを激写することに成功しました♪♪ いや~ナマで見ても、小粒な車体にツートンカラーが余りにも似合っており、「嗚呼来て良かった!!」と叫びたい気分 (笑)。来る27日の正式デビュー後も、ごくたまに訪れるとしても必ず動いているとは限りませんし……。
 まぁ何はともあれ、営業運転開始によってあすなろう鉄道の顔となることが大いに期待されますし、別の色(例えば近鉄復活色)も企画しているとかいないとか。本当に楽しみなことです……(*^^*)