地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

銚子電鉄・冬至訪問記 (4) デハ301@外川!

2008-02-29 20:40:55 | 地方民鉄 (銚子)


 ローカル線の再起に関する新刊書といえばもう一冊、銚子電鉄の次長さんが執筆された『がんばれ!銚子電鉄』も挙げないわけには参りますまい。こちらの本は、一昨年11月以来の大混乱をどう乗り切ったのかを中心に、歴史的背景も含めて一連の経緯がわかりやすく整理されており (次長さんのブログと全く同じ文体ですので、100%ご本人の執筆でしょう)、一喜一憂を続けたファンにとっても、ローカル私鉄の今後を考えるうえで必読の一冊だ……ということでオススメです!
 それはさておき、昨年末の銚子訪問の目的は、デハ1002の検査終了・運行開始を前に、少なくとも1両の釣掛式電車が動いている状態を楽しんでおくことでしたが (デハ1002の塗り立てほやほや「鉄子色」を見てみようという意図がなかったといえばうそになります ^^;)、それ以上に楽しみにしていたのは……デハ301が仲ノ町を離れて外川にいる姿を記録することでした。
 デハ301の外川移動は、リンク頂いている「麻呂の気紛れなる戯言」さんのレポートを通じて判明したのですが、恐らくはデハ1002の検査・塗装にあたり、仲ノ町のスペースを確保するためだったのではないかと思われます。そして12月下旬の時点で、デハ1002の営業運転復帰が迫っているとなれば、いつデハ301が仲ノ町に戻って来ても不思議ではなく、外川留置シーンの記録は待ったなしでした。



 というわけで、仲ノ町での撮影を終えて外川を訪れてみると……をを素晴らしい! 仲ノ町の狭苦しいスペースに留置されている姿 (2枚目の画像) とは違い、何て撮りやすいことでしょう……(^O^)。しかも、特設の架線検査台といい、後ろにユ101を連結した状態といい、如何にも「珍」な雰囲気が潮の香りとともに漂ってきます……(*^^*)。そこで、あわよくばパンタを上げて仲ノ町に戻るところを記録できないものか……と思ったのですが、そこまで運が良いわけではなかったのは残念 (いや、それがフツーか。^^;)。
 それはさておき、去る今月頭に横浜で開催された鉄道模型フェスタでは、「鉄道コレクション」銚子電鉄デハ301・501醤油色バージョンセットの試作品が展示されており、なかなか引き締まった出来映え (?) に思わず惚れ惚れ……(笑)。そして、発売は3月と決まったようです。そうとなれば、ここは是非銚子まで出向いて購入することによって、少しでも銚子電鉄の収入の足しになるようにしたいと思っているのですが、ついでに鉄道コレクションの発売を記念して、デハ301の撮影会を仲ノ町で開催して頂ければありがたいなぁ……と思っています。確かRP誌の読者短信欄にも、事由は記されていなかったものの「撮影会開催予定」云々の記述があったような (^^;)。もっとも、1日だけの開催となりますと、あの狭い仲ノ町のホームが大混乱になってしまいそうな気もしますので、一定期間仲ノ町構内の形式写真を撮りやすい位置にパン上げ留置というのがベストかなぁ、と思われます。以上はあくまで願望、あるいは妄想ですので、皆様真に受けられませんよう……(^^;

ローカル線ガールズ記念・えち鉄2101形

2008-02-28 06:32:16 | 地方民鉄 (中京北陸)


 先週、久しぶりに神保町の書泉に行ったついでに、かねてから読んでみようと思っていた『ローカル線ガールズ』を購入、帰りの小田急線快速急行の車内で一気に読んでしまいました (爆)。この本は、えちぜん鉄道開業以来サービスの新基軸となっているアテンダントさんの奮戦記。乗客を愛し、鉄道を愛し、沿線を愛する……という一途な気持ちの中から生まれる接客業魂、あるいは仕事人魂の何たるかを示している、という印象です。もっとも、ミョーに技巧的な文章は、かなりの部分を出版社側のライターさんに負っているようにも思えるのですが、それはそれ。開業直後に乗りに行った際、アテンダントさんの暗中模索の仕事ぶりは傍目で見ていて「大丈夫かいな……」と思ったものですが (^^;)、今ではすっかり板につき、えち鉄の名物サービスとして定着しているということで、ローカル私鉄ファンとしてはうれしい限りです。読んでいると、いろいろな内幕が明かされ興味深々ですが、詳しいことはネタばらしになりますので省略するとして……2101形と6001形の駆動方式の違いを答えさせようとしてアテンダントをわざといじめる輩の存在に呆れるのは、私だけではないでしょう (苦笑)。



 とか何とか言いつつ……思い出してもみれば、えち鉄は2003年夏の開業直後に「復活万歳!最近の鉄道車両新塗装の中ではずば抜けてセンスの良い新塗装万歳!」ということで訪れて以来、すっかりご無沙汰になってしまいました……(滝汗)。数年前に鉄道趣味の道に復活して以来、まだ乗ったことがない路線などにも力を注いだ結果、高校生の頃に何度も通ったはずの北陸の私鉄自体がおろそかになってしまったもので……(^^;;)。また、雪や新緑などの季節にまとまった時間を確保して行こうとしても、どうしても予定繰りが合わなかったりします。
 というわけで、今年の目標の一つは北陸の私鉄&国鉄型車両巡礼ですが、その際にはえち鉄も当然、重点的な訪問対象となることでしょう。何といっても……釣掛2101形が現役だからです (*^^*)。もっとも、開業当初は日中の運用にも主力として用いられた2101形も、その後愛環出身の6001・6101形が増え、日中の運用は基本的に冷房車の単行ワンマンカーでまかなえるようになったことから、朝ラッシュ限定気味となっているようです。そのため、プランニングをしっかりと立てなければならないのが難点ですね (土曜休日も走るのだろうか……)。ちなみに、2101形には両運転台車もありますが、京福福井末期にブレーキロッド破断による正面衝突事故を起こした251形と同じく、ブレーキを1両1系統しか備えていないため、現在では単行ワンマン運転は行われておりません。
 まぁ、車内を巡回し、アナウンスも行うアテンダントさんにとって、揺れが激しく音もデカい2101形が乗務時間帯=日中の運用に余り入らなくなったことは、ラッキーの一言に尽きるのでしょう。とくに、開業当初は日中にも2101形の非冷房車が運用に入っており、猛烈に暑い車内に加えて、全開にした窓から豪快過ぎる釣掛サウンドがビンビンに響き渡ってくる中、汗を拭き拭き仕事をするアテンダントさんはホントに辛そうでしたので……。釣掛党とは利害が相反するということで、複雑な気分ですね (^^;;;)。

京急1309F・戦後風ラッピング登場!

2008-02-27 23:40:00 | 大手民鉄 (京急)


 このたび登場した京急110周年記念・2種類の懐古ラッピングのうち、個人的にとくに期待していたのは、昭和20~30年代の塗装を再現したいわば「戦後風」のラッピングです。やはり何と申しましても車両塗装の定番中の定番・ツートンカラーですし (^^)、リベット・シルヘッダーなどの表現の難しさゆえに最初から「所詮ラッピング」と予測できる (^^;) デ51風と比べれば、単純な塗り分けだけの戦後風ラッピングは自ずと完成度の高さを期待せずにはいられません。
 そして実際……神奈川新町でホームに近い位置に留置されていた1309Fを眼にしたところ……敢えて無理矢理ケチをつけるとすれば、ラッピングであるため下地の白線の部分がうっすらと凹凸になっている点と、「塗り」ではなく「貼り」であることによる質感の違いが僅かに感じられる点ぐらいなもので、1000形がこのカラーリングを身にまとうのは初めてとはとても思えないほど、余りにもバッチリと決まっておりました!! \(*^O^*)/ そこのところはやはり、デ1形=230形以来の京急伝統の様式美ともいえる大型の窓と片開き扉を受け継い1000形だからこそ!という感じです。正面の運転席窓と表示窓も、この塗装と組み合わせてみますと何やらバス窓か二段窓っぽく見えて来るから不思議です (と思うのは私だけでしょうか ^^; 一応プレスリリースでは500形登場時の正面二段窓姿が掲載されていますので、少しは意識したのかなぁ……と)。



 そんな1309F、私が神奈川新町に降り立って間もない10時過ぎになると突然動き出しまして、車庫構内踏切を越えてJR東神奈川駅寄りの位置へと移動して行きました。午前10~11時の新町構内は入庫・入換・洗車ラッシュということで、作業スペースを空けておくためでしょう。その後もパンタを下げず、再び出庫するための点検・確認作業を行っていましたので「これはもうのんびり待ち続けて、出庫シーンを決めまくるしかないでしょう!」と思い、しばらく粘ってみることにしました。基本的にここは頻繁な入換、さらには近くを走るJRの車両を眺めていれば退屈しない点でありがたいですが、たまたま「黒船電車」による「リゾート踊り子・河津桜号」さらにはE655系 (!) が通り過ぎるのを目にしてしまうと、ちょっとだけ浮気をしたい気分にもなります (^^;)。でもそんなの関係ない!……ということで待つこと約2時間、ついに動き出しました! いや~余りの見栄えの良さに、もう連写!連写! (フィルムでしたら後で目の玉が飛び出そうな……爆) 
 その後は品川方面へ回送されるということで、京急鶴見で順光になるように後追い撮影を試みたところ、これも大成功! これから1年間、この編成をどう撮って行こうかと考えるだけで楽しみです。
 それにしても、実物を眺めていて「何か違うな」と思ったら……公式HPに乗っている完成予想イラストと比較しますと、かなり薄く明るい色遣いですね (汗)。
 ※車体にかかった目立つ影をレタッチで消去しております。悪しからず・・・
 ※この記事は26日未明のアップですが、27日付とさせて頂きます。

京急1321F・デ51風ラッピング登場!

2008-02-26 19:04:00 | 大手民鉄 (京急)


 京急公式HPではかねてから、京急創立110周年を記念して、デ51形の塗装と昭和20~30年代の標準塗装を旧1000形へのラッピングで再現し、2月25日から1年間運行する旨が告知されていましたが、このたび予定通り登場しました!! 6~8歳の頃京急沿線に住んでいた京急ファンの超はしくれ (笑) としましては、この試みは楽しみで楽しみで仕方が無く、しかも今日はうまい具合に平日休みでしたので(その代わり今週後半は修羅場の予定 ^^;)、勇躍京急沿線を訪れてみました。
 そこでまず訪れたのは、旧1000形の出入りが多い神奈川新町。ひょっとするとクラから出てくるかな……と期待してのことですが、果たせるかな戦後ツートンの1309Fが出庫準備中! (レタッチに時間がかかりそうですので、その模様は改めてアップします) その一部始終を撮った後、主に大師線を走るというデ51風はどうかな……と思いまして川崎に向かったところ、あらら残念、留置中でした (爆)。



 京急川崎駅の様子から察するに、どうやらデ51風ラッピングを施された1321Fは、午前中に大師線ホームで開催された創立110周年記念式典の主役として臨席したあと、再び留置線に引っ込んで夕方の出番まで昼寝中……という感じでした。記念式典を終えて出発進行……とは言っても、小島新田行きの営業列車ではなく、招待客用の貸切列車で1往復するだけだったようです (あとで分かりました)。
 まあ、空振りでぼやいても仕方がありませんので、フェンスの上に手を差し上げてサイドヴューを中心に撮影してみたのですが (正面と編成全体は障害物に阻まれて撮れないのが残念!)、デ51形風ラッピングの出来は……う~ん微妙ですね (^^;)。一生懸命ウインドシル・ウインドヘッダーやリベット、それにドアの凹凸や木目を表現しようとしているようなのですが、やはり立体的に見せるのは難あり、といったところでしょうか (^^;;)。臙脂色ともマルーンともとれる塗装は、フィルムやデジタル画像として正確に再現するのが難しそうで、腕の見せ所という気もします (比較のため、高架を行く標準塗装車と一緒に撮ってみました)。
 ともあれ、何のかの言ってこれから1年間、コツコツと通うことになりそうです (笑)。4両編成ですので、大師線だけではなく本線系での運用も楽しみ……(^o^)。
 ※当記事は2/25夕方のアップですが、2/26付とさせて頂いております。

津軽鉄道しばれ旅 (4) 旧塗装の老役者たち

2008-02-25 07:04:03 | 地方民鉄 (東北)


 今回はじめて津軽鉄道を訪れてみて、年代物のDLは果たしてこの先一体どうなるのか……と思ったのですが、旧型客車につきましても、中長期的にみれば決して安心できない状況にあるようです。一応、手前のオハ46 2 (もとスハ43→台車交換でオハ46 2612) は昭和29年製、奥のオハフ33 1 (もとオハフ33 2520) は昭和23年製と、どちらも戦後の作品ということで、JREに残るスハフ32と比べれば全然新しいことになります。しかし、JREとは資金力の点で比較にならない中での保守には限界があるためでしょうか、一般客用オハフ33の車内に一歩足を踏み入れてみますと、デッキと客室のドアを閉めても、窓からのすきま風が盛大に吹き込んできます……。もちろん、その傍らで石炭ストーブが燃えさかっているのですが、すきま風の冷たさで相殺されて余り暖かくないのが実情です。やはり木製の窓枠も、車齢60年を迎えて限界か……と。
 もちろん、すきま風さえ我慢すれば、1980年代中頃まで当たり前のように味わうことが出来た旧型客車鈍行のテイストを味わうことが出来ますので、「あぁ……来て良かった (*^^*)」の一言 (笑)。決して「レトロ風」ではなく、ボックスシートがズラリと並ぶ正真正銘の半鋼製ニス塗り車内は、JREと大井川を除けばもうここだけでしか乗ることは出来ませんので、少しでも長く生き延びて欲しいものです……。



 なお、ストーブ列車用の旧型客車は他にもう1両、オハ46 3 (もとオハ46 2662) がありますが、津軽21形を連結するようになったためでしょうか、それとも調子が悪く部品取り車とされたためでしょうか、五所川原駅で団体客用の待合室代わりとされていました……。
 その五所川原駅には、津軽21形の増備によって出番を失った2両のキハ22が留置され、すっかり雪に覆われておりました……。車内はすっかり物置となっているようで、褪色も進みつつあるようですが、果たして休車と廃車のどちらなのでしょうか……? いずれにしても、辛うじてこんな雰囲気で撮影できるのは貴重なことだと思わなければならないでしょう。雪が全くなくなった季節に下回りも含めて、改めて撮影してみたいなぁ……と思うシーンです (^_^)。
 いっぽう、やはり五所川原に留置されている元西武のナハフ1200×2につきましても、昭和初期の川崎車両タイプの車体を今に残す非常に貴重な車両ということで、是非撮ってみたかったのですが……オハ46 3やキ101 (除雪は最近導入した排雪モーター車で間に合っているらしく、出番はない模様……) に邪魔されて、全く撮りようがありませんでした (T_T)。ちゃんと現役の頃に来ておけ……という痛い教訓ですね (^^;)。
 こんな感じで、まあいろいろと後悔することはありつつも、満足のうちに終了した津軽鉄道初訪問……。弘前駅前の宿にチェックインした後はその余韻に浸るべく、さっそく駅からすぐそばの三味線ライブ居酒屋に向かい (中国製食品を使った東京あたりのありきたりなチェーン居酒屋で飲むよりも安いです♪)、カウンター席で独りしみじみと、美味い酒・郷土料理と強烈な津軽三味線の響きに溺れまくり (*^^*)。そこで瞳を閉じれば、厳しくも美しい津鉄沿線の冬景色がオーバーラップし……「津軽三味線はロックだ」と思ったのでした。