地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ジャカルタ炎鉄録 (23) 貨物列車も参上!

2009-09-30 00:14:00 | インドネシアの鉄道


 インドネシアの客車列車やDC、それに特殊な車両を出演させたとなれば、貨物列車も当然出演させなければなりますまい (笑)。……とは申しましても、ことジャワ島に関しましては、貨物列車はなかなか狙いにくいのが実情です。地形が基本的に日本列島と同じ細長い島であり、ジャカルタなど大都市の近郊に立地する各種の工場から消費地や港へと運ぶには、トラックの方がはるかに機動的で低コスト。また、ある程度の距離を運ぶにも、古くから発達した船便のネットワークを使うことになるのは自然の流れ……。
 したがって、鉄道貨物輸送は貨物列車の優越性を辛うじて発揮しやすいジャカルタ=スラバヤ間といった長距離、あるいはジャカルタ=バンドゥン間のように高速道路の開通まで道路が急勾配の隘路だった区間で、主にコンテナ列車の類が細々と運転されてきたのが実情のようです。バンドゥン駅すぐそばの歩道橋でちょこっと撮り鉄していたところ、たまたま海上コンテナを満載した列車が登場して思わず大喜びでしたが、それにしてもこの列車……プルワカルタ~パダララン間の急勾配を単機でどうやってクリヤするのだろうか……と。謎は尽きません (^^;



 ともあれ、コンテナまたは有蓋車による編成を目にしたのは、今回の訪問では1枚目の画像の1回きり (-_-;)。タンジュン・プリオクやジャカルタ・グダンといった貨物駅に直接通じる東線で撮っていても、撮った貨物列車は鉱石の類を運ぶと思われる2枚目の画像のみ……。
 いっぽう、短距離でも大量輸送によって鉄道の優越性を発揮できる鉱産資源の輸送に関しては、細長い形をしたジャワ島でもそれなりにあるようです。東急8000系列や都営6000系などが頻繁に行き交うボゴール線でも、車庫があるデポック・ラマの一つ南隣にあるチタヤム駅から専用線が分岐しており、セメント工場に続いているのを遠望することが出来ます。残念ながら、ボゴール線で撮り鉄していても結局一度もセメント列車は来なかったという……(-_-;)。もっとも、車内から見ていますと、線路自体はなかなか立派なもので、列車が最低でも1日に1往復はするであろう程度にレールが輝いていましたので、単に私がセメント列車の運転時刻に沿線にいなかっただけの話かも知れません (苦笑)。
 なお、スマトラ島には石油やセメントの類を大量に運ぶ路線もあるようで、その手の路線ではむしろ旅客列車の方が細々とした存在とか……。セメントと言えば今や秩父と三岐ですが、国内ではもはや飽き足らない感もありますので、将来はそんな海外の濃いぃ貨物スポットを渡り歩くのも悪くないなぁと思っております。
 というわけで、ジャカルタ撮り鉄シリーズの第3部はこれにておしまい。次回からはいよいよ最大のお目当て……東急8000系列の活躍を、全編成網羅してアップして行く予定です。どうもお待たせ致しました~(って、誰も待っていないか。笑)。

ジャカルタ炎鉄録 (22) 巡視車「月下美人」

2009-09-29 07:48:00 | インドネシアの鉄道


 インドネシアのDCといえば……近郊輸送用の車両のみならず、最高に神出鬼没で如何にも高級そうな雰囲気を漂わせる巡視車が存在しています。ネットで目にする限り、巡視車は2両存在するようで、1両はその名も「レイル・ワン」。金色に輝くガルーダのエンブレムもまぶしく、赤と青の細い帯を締めたデザイン。恐らくは大統領クラスのVIPの利用に対応しているのでしょう。そしてもう一両は、やや光り具合が弱いエンブレムを掲げて紫の濃淡の帯を締めた「ウィジャヤクスマ」。具体的な意味を調べてみますと、1年に1回だけ満月の夜に咲く花「月下美人」を意味するそうで……滅多に見かけない特殊車両の名称としては、何やらうまく出来過ぎているような気もします (笑)。
 そんな「ウィジャヤクスマ」、ジャカルタの東線で撮り鉄していた際、何と奇跡的に遭遇してしまいました! ジャカルタ・コタ方面から、既に見慣れたDLとは違った形状の白い車両が迫って来たため、望遠レンズの望遠側で「何じゃ何じゃ?」とばかりに観察してみたところ……「ぬおっ!ナゾの事業用車……というか、ゴツい検測機器の類はなさそうな代わりに、眺めの良さそうな窓がある……。これは巡視車に違いない!」ということで、線路脇に掲げられたメラ・プティ=インドネシア国旗とからめて激写!! 



 しかし、オドロキの事態はそれだけではありませんでした。撮影後に早速拡大再生してみたところ……何と!乗っているのはどう見ても鉄道関係者の皆様やVIPではなく、ただの現地鉄ヲタの皆様ではありませんか! とくに……ヴェールをかぶった女子大生っぽい私服の女の子なんて、絶対に関係者ではないだろう……と。
 その後しばらく「あれは一体何だったのか。まさかこんな事業用車を趣味団体が貸切可能とは……何とユルい国だ」と思っていたところ、やはり「乗客」はジャカルタの若い鉄ヲタの皆様であったことが判明 (笑)。リンク頂いている「Kreta dan Kuching」の管理人・seri8039さんによりますと、この日はまず現地鉄ヲタの皆さんとタナ・アバンの機関区を見学、するとその場で「これからウィジャヤクスマの試運転をするから乗ってかない?」と誘われたそうで……このような激しく濃ゆ~くご機嫌な環状線一周の旅が実現したとのことです(当然seri8039さんもご乗車)。というわけで、このシーンを写っている人数分プリントして差し上げたのですが、フツーあり得ないですね……こんな偶然の展開 (笑)。
 (1) 機関区を訪れた一行が試運転に誘われる。
 (2) 私がたまたま東線で撮り鉄している。
 (3) マンガライ駅でたまたま初めてお会いしたseri8039さんと懇意になる。
……しかもこれは全て、東京から約6000km離れたジャカルタでの話……(^^;;;


ジャカルタ炎鉄録 (21) スカブミ線のDC

2009-09-28 05:17:00 | インドネシアの鉄道


 バンドゥンを訪問した後は、往路に利用した「パラヒャンガン」と比較する意味で「アルゴ・グデ」に乗っても良かったのですが、『地球の○き方』をパラパラとめくるにつけ、「バンドゥン~ボゴール間の路線バスは風光明媚なプンチャック峠を越えて走る」云々……という記述に惹かれたのでした。というわけで、活火山を望む峠越えの絶景バスと、ボゴールからの急行電車の組み合わせでバンドゥン日帰りの旅をシメるなんて最高じゃん!!というワクワク気分で、バンドゥン市内南部にあるルゥイ・パンジャン・バスターミナルに行ってみますと、広大な構内にはジャワ島各地へ向かうバスがズラ~リ。そこで、ボゴール行きの冷房付きデラックスバスに乗り込んで、客がある程度たまったら出発進行~。
 しかし……そんな期待は間もなく木っ端微塵に崩壊したのでした。何と……ボゴール方面への一般道には入らず、プルワカルタ~ブカシ経由ジャカルタ方面への高速道路(完成ほやほや)に入ってしまった……(T_T)。そして、ジャカルタの手前で環状道路に入り、ジャカルタ~ボゴール間の高速道路を経由して、「雨の街」の別名通りスコール降りまくりのボゴールに到着……。そりゃまあ、高速道路からもそれなりに茶畑や棚田の風景は見え、乗り換えなしの所要3時間の旅は快適であることも確かですが、こんなことならガンビールまで特急列車に乗り、さらに急行電車に乗り換える方が全然良い……。
 ともあれ、既にそのような運命としてボゴールに着いてしまったので仕方がありません。高速道路は鉄道・濃いぃ路線バス趣味の双方にとってつくづくマイナスだなぁ……と思いつつ、メチャクチャ車内が狭いアンコタ(ミニワゴン使用のミニバス)に乗ってボゴール駅に向かったのでした。そして、ジャカルタまでの急行の切符を購入して構内に入りますと……ををっ!電車区の中には黄緑色のDCが!



 この車両は、ボゴールからチサダネ川の渓谷へと分け入り、山間の街・スカブミとの間を結ぶ「ブミ・グゥリス (美しきスカブミ)」号に使用されている日本製DCでして、しばらく運休していたスカブミ線が昨年運行再開となったのに際し、整備のうえ新塗装をまとい今日に至っているようです。クッション付きセミクロスの車内ゆえ、バンドゥンのDCと同様2等車=ビズニス扱いで、座席数を増やすためか中央の扉が埋められて2扉となっていますが、その後乗客増に伴い増結したと思われる車両は3扉のままで、正面の「Bumi Geulis」の表示もないなど(その代わりに新造時からのV字状装飾あり)、やや趣が異なるのは興味深いところです。
 しかし、何と言ってもビックリ仰天したのは……まだ電車区の構内に留置されている段階から、乗客が駅舎からワラワラと歩いて乗り込んでおりまして、電車区からホームへと入換する時点では既に満席!立ち客多数! (滝汗) 鉄道関係者の誰もとがめ立てせず、電車区構内への一般客立ち入りが当たり前になっているあたり、何ともユルくのんびりした風情を感じます……(^^;)。というわけで、DCを撮るべく電車区詰所に向かい許可を願い出たところ、返ってきた答えは「OK! Welcome!」。そういえば、衝突事故を起こした6151Fと乗客満載のDCが同じ線路上に留置されているという光景も、考えてみればスゴい……。
 そうこうしているうちに、夕方5時少し前にホームへと入換がなされ、5時の定刻通りにスカブミ行が発車して行きました。ボゴール駅のスカブミ方には交通量の多い踏切がありますが、普段はキセル客防止のためか、線路に設けられた門が閉じられており、スカブミ線列車が通過するときのみ開門されます。
 こんな感じで見送ったスカブミ線のDC……自然豊かな渓谷を走るということで、是非一度乗ってみたいものですが、運行は毎日1往復、夕方にボゴールを出発し、翌朝まだ暗い頃にスカブミを出発するのみ……。日中の観光列車の運行、そしてスカブミ~バンドゥン間の運行再開を期待したいですね……(それが実現すれば、バンドゥンからボゴールまでの移動手段として使ってみたいですが、のんびり走る各駅停車では先述の高速バスよりもはるかに時間がかかるのも事実。やはり難しい話なのでしょうか……)。

嵐電&江ノ電姉妹鉄道提携記念・モボ101

2009-09-27 00:47:00 | 地方民鉄 (近畿)


 昨日、朝飯を食べながら『神奈川新聞』をパラパラ眺めていたところ、眠気が思わず吹っ飛ぶ驚きの記事を発見! 何と……来る10月14日「鉄道の日」に際して、東西の古都を走る江ノ電と嵐電が姉妹提携をする旨が、25日に発表されたとのこと! その後、複数のネットニュースサイトに同様の趣旨が掲載されていますので、詳しくはそれらをご参照頂きたく存じますが、とくに姉妹提携の目玉として、江ノ電には嵐電塗装、嵐電には江ノ電塗装の車両がお目見得するようです!! 江ノ電ではどの車種に塗り替えの白羽の矢が立つのかは不明ですが(でもまぁ無難に1000形? 305Fは最近検査を受けたばかりですのであり得ないと予想 ^^;)、嵐電では是非昭和の良きスタイルを今に伝えるモボ101かモボ301に塗って欲しいものだ……と思っております(*^^*)。あるいは大穴としまして「なんちゃってレトロ」なモボ21(最近何度か京都出張撮り鉄で訪れても、何故か未だに見たことも乗ったこともないという……^^; 北野線中心の運用?) に、これまた「なんちゃってレトロ」な江ノ電20形の塗装を施すのかも知れませんが (笑)。
 ともあれ、併用軌道も存在する緑豊かな古都の粋な風景の中を走るふたつの私鉄が協力し、互いを宣伝し合うというのは良いことですね~。江ノ電の駅でイキナリ富士急ミ○○カ電車の広告をドドーンと貼られても、やはりピンと来ませんので (爆。ま、これはこれで富士山が見える私鉄つながりなのかも知れませんが ^^;)。



 というわけで、今年に入ってから少しずつ撮りためたモボ101 (何故か来るのは103メイン) の画像をアップしてみることにしますが……それにしても、今回の姉妹提携はとくに嵐電の側が江ノ電に対して強くラブコールを送って来たのではないか、と何となく予想しております(あくまで個人的な推測です。すみません)。と申しますのも……むかし80年代に半鋼製・ニス塗り車内のモボ111・121目当てで嵐電をたびたび訪れた際と比べて、明らかに嵐電は客数が減って台所事情が苦しいのではないか……と推察せずにはいられないためです。
 周知の通り、かつて国鉄山陰線が長距離鈍行主体の超閑散ダイヤだった頃は、嵐山・嵯峨野観光に国鉄を使うという選択肢はフツー有り得ず、四条大宮で阪急電車またはバスから乗り換えて嵐山に向かう嵐電は非常に賑わっていたものです。しかし、その後JRWアーバンネットワークの攻勢は著しく、JR京都駅経由の流れが一般化したことに加え(→打撃を受けた阪急京都線の特急が実質「急行」化……)、地下鉄東西線が開通したことによって京都市街中心部からも二条乗り換え→山陰線で嵐山へ向かう流れが加速しているように見受けられます(その後東西線は太秦天神川まで開通し、嵐電へのアクセスも便利になりましたが、余り利用者は多くないような印象も……)。
 こうした要因が重なって、嵐電の利用者はどう見ても昔ほどではない……と心配していたのですが、先日の出張撮り鉄の際には衝撃的な光景に遭遇……。山陰線で少々撮り鉄をした後、JR太秦駅から歩いて帷子ノ辻に向かい(徒歩すぐ)、嵐山まで嵐電に乗ったところ、ただでさえ少ない利用客が嵯峨駅前までにほぼ下車してしまい、嵐山で下車したのは私を含めて2名……(@o@)。観光オフシーズンの平日であるためかも知れませんが、観光にて最適な午前10時着の電車でさすがにそれはないだろう……と (-_-;)。華やかに飾られ広々とした嵐山駅の構内が、何だか泣いているように感じられたのでした……。
 というわけで、モボ101、良いですよ~♪ 車籍上は堂々80歳! 釣掛は響きまくり、淡いグリーンの化粧板にブルーのモケットがまさに昭和! 皆さん思い出したら乗ってやって下さい……。そんな嵐電が江ノ電との姉妹提携で今後より活気づくことを願っています。福井支社での不幸な経緯を同様、万が一資金不足がたたって事故が起き、経営をやめてしまうなどという事態になるとすれば、それこそ趣味的にも一大事ですので……。

京成3600系、白昼堂々金沢八景へ

2009-09-26 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 3種類のリバイバルカラーに新型AE車と、ここのところやけに賑やかな京成……。とくにリバイバル青電をかねてから撮ってみたいと思っているのですが、悲しいかなヒマがなかなかない……(-_-;)。まぁ、今のところは旧塗装復活直後ということで、沿線も土日を中心に混雑しているようですので、もっと落ち着いてからじっくりと取り組んでみたいところではあります。
 いっぽう、3300系がリバイバル塗装をするということは、他の私鉄の例に照らして廃車の時期も迫っていることを意味しているわけでして、とくに成田空港新線での高速運転用として3050系がこのたび現れたことも、世代交代劇をいっそう生々しい現実にしつつあります。もっとも、新車の出現あれば、そこには必ず珍な光景あり。京成の新車が東急車輌経由で宗吾参道入りする場合、多くの場合は自力回送となっていますが、第一陣の入線の場合には恐らく誘導障害をクリヤしているかどうか不明であるという理由で自力回送にはならず、京成側から牽引車がお出迎え……という滅多にない展開となります。そこで、いつもお世話になっております「あまのじゃく」さんから「3600系が金沢八景に来る」というご連絡を頂きまして、これは普段金沢文庫・八景界隈では絶対に撮れない京成車(しかも個人的にお気に入りな3600!) を記録するまたとない機会到来!! 平日休みが重なったのを良いことに、抜けるような秋空の下、沿線へと繰り出してみたのでした。



 そこで、露出を計って何枚か試し撮りをするなどして待つことしばし……。金沢文庫駅を発車して来た列車は、たしかに青と赤の京成カラー!! しかも、通常はブツ2連×3というマニアックな編成で用いられている3668Fが、オールMの4連という最強のパワフルさとマニアックさとなっているではありませんか!! (^O^) いや~思わず緊張してしまいました (^^;
 金沢八景到着後、今度は東急車輌へ入る3線レールの専用線に自走で入線するという、やはり極めてレアな光景が展開~♪ ドピーカンのド順光で広角狙い。完璧な1カットとなりました……(*^^*)。この踏切は、今から10年ほど前にこのすぐそばに仕事で週1のペースで通っていた頃からの馴染みの存在でありますが、列車が横切るシーンを目にするのは実は初めてだったりします (汗)。それほど撮影難度が高い踏切で3668Fを撮影できるとは感無量です……。なお、踏切から先、工場至近の位置で工場内の車両を撮影することは禁止されていますので念のため。
 というわけで、現地でお会いしてお世話になりましたあまのじゃくさん及び情報元の方に、この場ながら心よりお礼申し上げます!! m(_ _)m
 ※この記事は26日付としております。