地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

秩父鉄道石炭列車終焉に寄せて・デキ100

2020-02-26 22:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 鶴見線の扇町と秩父鉄道の三ヶ尻を結ぶ石炭列車は、既に3月ダイヤ改正を機に運行を終了する旨がアナウンスされていましたが、荷主の都合でダイヤ改正を待たずに、昨日扇町を最終列車が出発したとのことです。そして最近は、一旦武川まで進んでから三ヶ尻へと折り返す手間を省いていたため、きょう熊谷貨物ターミナルから三ヶ尻に到着して完全に歴史に幕を閉じることになります。当ブログ開設からさほど時間を経ていない頃、この石炭列車の扇町シーンを紹介したところ、「おせっかい」と称する無識の徒が「石灰列車だろ?」とドヤ顔でコメントし、当方が「いや石炭だ。検索されたし」とたしなめて、結局この輩がトンデモな赤っ恥をかいたという爆笑失笑級の珍事もありましたので、なかなか思い出深いものがあります (遠い目)。
 既に釧路の石炭列車も消え、これで本邦の石炭列車の歴史も終焉ですか……。非常に大きな歴史の節目を感じます。



 ともあれ、熊谷貨物ターミナルでJRから秩父鉄道へと直通する貨車は、かつての車扱セメントホキや有蓋車がとっくの昔に消え、細々と残っていた石炭列車も消え、今後熊谷貨物ターミナル〜三ヶ尻間はたまに甲種輸送のみが運行されることになるのでしょう。路線の維持が秩父鉄道にとって負担になるとしたら、今さら熊谷駅の連絡設備を復活させるのは現実的ではなさそうですので、もしや甲種は寄居での授受に変更とか……(妄想失礼)。
 いっぽう、秩父鉄道をある意味で最も象徴するヲキ・ヲキフの鉱石列車は今後も石灰石が枯渇しない限り残ると思われますので、山が削られて行くことには複雑な気分を覚えますが、引き続きの活躍に期待したいものです。しかし、日常的にはデキ300・500だけで十分に鉱石列車の運用を回して行けると思いますので、既にヴィンテージ級の古さとなったデキ100の今後については心配しています。いつまでも、EF15の私鉄版とも呼ぶべき雄姿を拝めますように!

美濃路歩き鉄 (11) 西濃鉄道乙女坂駅

2017-11-15 12:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 中山道の宿場町であった美濃赤坂駅の周辺には、その繁栄を伝える見事な建築がそこかしこに残っています。しかし、今や美濃赤坂の街における最大の産業は、すぐ北にある石灰石の巨大な塊である金生山を切り崩す採石業に移行しており、街の一等地には石灰石ホキの所有者である矢橋工業の本社が陣取っています。
 というわけで、鉄ヲタが中山道を歩いて美濃赤坂を訪れるにあたっては、そんな赤坂宿の今昔をビンビンに感じる最良のネタとして、恥ずかしながら初めての西濃鉄道撮影を試みることにしました。大垣に泊まって揖斐行きの一番列車に乗り、東赤坂から15分ほど西に歩けば、早朝6時過ぎに美濃赤坂を出発する乙女坂行きの運転には間に合わないとしても、乙女坂駅で罐と貨車を撮れるだろうと思いまして……。



 しかーし!このプランは所詮西濃鉄道初心者の無謀な試みでした (苦笑)。東赤坂から必死に歩いてようやく線路に近い街並みに迫ると、奥の方でホイッスルが鳴り……あ〜あ、本線走行には間に合わん。揖斐行きがあと10分早く大垣を発車してくれれば間に合ったものを……(苦笑)。まぁ仕方がないので、とりあえず乙女坂駅に向かったところ (駅の大部分は積み出し工場の中ですが、南端と北端は公道に面しています)、既に罐の入換は終わり、美濃赤坂寄りのホキから順に積載作業に入っているという……。
 というわけで、罐は全く撮れず、単にホキ2000を撮るだけに終わってしまいましたが、ホキ2000-1を撮影する偶然に恵まれましたし (→ムリヤリ嬉しがる -_-)、入換の要領が分かったのも収穫でした。ここは美濃赤坂からの到着時と、積載作業をほぼ終えるタイミングが華ですな……。

終焉迫る岳南鉄道貨物・新塗装ED403

2012-03-14 00:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 岳南鉄道を訪れた昨年末のとある日は、基本的にED402が吉原~比奈間を往復する本務機であったのですが、午前中に吉原から到着する703レは単機、704レは……一緒に連れて行った甥っ子をいつまでも空きっ腹にさせておくわけにも行かないためメシ屋に入って撮影せず……(^^;)。さらに705・706レも、甥っ子を371系に乗せる都合上撮影出来ませんでしたので、結局ED402がワムを繋いでいるシーンは1カットも撮らなかったのでありました (汗)。まぁ、このときの訪問における最大の目的は、「どこでも良いから鉄道シーンを見に行きたくて仕方がない」小学生の甥っ子に、一度は比奈の「ワムのある風景」を見せておきたかったためでして、既にED402+ワムという編成は撮ったことがあり「まいっか」という感じです (笑)。
 その代わりに、比奈で忙しく入換に従事していたのは……新色のED403!



 周知の通り、ED403は荷主である大○和製紙吉○工場のアピールのため、前回の検査入場時にレッド+アイボリーの塗装が鮮烈な姿に衣替えしており、これはこれで個人的に「何だか産業機っぽくて良いなぁ~♪」と思っていたのですが、昨年初夏には葡萄色+アイボリーの新色へと衣替え! 恐らく葡萄色はED402との共通化を図ったものと思われますが、シックな気品が薫り立つようで非常にシブい……!
 そんなED403が、間もなく全廃の憂き目に遭う青ワムをジャラジャラと連結し、冬空の下ホイッスルも高らかに行ったり来たりする光景は、とても間もなく岳南貨物が終焉を迎えるとは信じられないほどの活き活きとしたものでした……。今週末の貨物廃止に伴い、この塗装が貨物列車の先頭に立っていたのは僅か数ヶ月ということになってしまいますし、今後計3両のELの処遇が保存・廃車のどちらになるのかも分かりませんが、果たして再び晴れ渡った比奈にてED40の勇姿をのんびりと味わうことが出来る機会は来るのでしょうか?
 ともあれ、富士山麓における戦後の製紙業の発展とともに走り続けた岳南貨物が、不況・IT化による紙需要の減少・JRFの施策変更といった複合的要因により消えて行くことに、改めて歴史の無常を痛切に感じると同時に、松本電鉄のダム建設輸送終了に伴い富士山麓に居所を移して以来長年主力として活躍し続けたED40の功績を讃えたいと存じます。

終焉迫る岳南鉄道貨物・旧塗装ED402

2012-03-13 00:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 ダイヤ改正が各社で目白押しの3月は、鉄道ファンにとって諸行無常を感じざるを得ない季節でもありますが、長距離列車や魅力的な路線・車両・運転形態の度重なる激減により、残されたものがさらに消えて行くときのショックはいよいよ大きいものになっているような気がします。そしてこの春にはまた一つ、地方私鉄ファンにとって大きな存在であったと思われる岳南鉄道貨物輸送が消えて行くことになりました。その主な理由は、富士駅改良による紙輸送のコンテナ化にあるようですが、裏の理由としては富士・吉原と並び立つ駅で貨物扱いすることの非効率を何とかしたいというJRFの思惑があるとかないとか……。



 そんな岳南鉄道では先月から機関車に記念HMを掲げ、さらに先週末には記念イベントも開催されたようですが、何かの言って人が多数殺到し、のんびり・まったりとした地方私鉄ファンの聖地は雰囲気が変わってしまっているのでしょうか。個人的には、昨年末の時点で比奈を訪問したのが最後となっているのですが、この日は富士山こそ見えなかったものの、如何にもといった感じの冬の寒空の下、麗しのブラウンに身を包んだED402の勇姿(そして背景には青ワム!)を思う存分撮影出来、とにかく素晴らしいの一言に尽きるひとときでした……(*^^*)。ここのところ天気も思わしくありませんし、むしろこんな感じでのんびりと比奈の風景を楽しんだ記憶をそのまま大事に持ち続けたいと思っているところです。

秩父デキ100の勇姿 (祝・広瀬川原祭開催!)

2011-04-23 00:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 電力不足と自粛ムードの一辺倒が、いつの間にか桜と新緑の季節とともに少しずつ「頑張れるところから頑張ろう。心に少しでも笑顔を」という雰囲気に変わってきている今日この頃。例年になく強烈な花粉症地獄に悩まされた人間にとっても、間もなく苦しみは終わりだと思うにつけ気分は軽いですね……(年間積算放射線量が健康維持のために余裕を持った厳格な規制値とされる20ミリシーベルトを超えない限り、花粉症の人間にとってはスギ・ヒノキ花粉の方が余程健康被害の源でオソロシく、タバコの煙や排気ガスの方が余程発癌性があると思うのですが。汗)。
 そんな中、鉄道会社も徐々に、いつも通りのサービスやイベントを実施することで、利用者やファンの喜びとチャリティを両立させようという方向に向かって下さっているようです。とくに秩父鉄道は、被災地に縁があるC58 363をいち早く稼働させて急行料金の一部を義援金に充て、昨日は双葉町から加須(騎西)に避難している方々をSL乗車と芝桜観光に無料で招待したほか (160名ということで太っ腹・・! 頭が下がります)、来月の広瀬川原まつりもチャリティを兼ねて予定通り開催し、何と!目玉としてデキ103を塗装変更して展示するとか!



 しかも、今回の塗装変更は当日までのお楽しみ……ということで、『秩父鉄道ニュース』最新号には予想図や具体的な色は記載されておりません (汗)。いち早く眺めたい向きは当日会場へGo!ということなのでしょうなぁ……。デキ107・108であれば「ひょっとして松尾鉱山色?!」という予想もつきますが、さて製造当初から秩父所属のデキ103は一体何色に変わるのでしょうか? 単なる茶色では、広瀬川原にてイベント用オブジェと化しているデキ101と変わりなく、イマイチ芸に欠けるような気がしますので (^^;)、恐らくもっと凝った塗り分けが施されるのではないかと予想しているのですが……。岳南ED402のようなアッと驚く、しかしそれでいて名作の香り漂う独創的なカラーリングを期待したいものです♪ あるいは……小豆ツートンのELバージョンなんてものが出現すれば狂喜モノだったりしますが……(ムリ? ^^;)。チョコバナナ塗装だとすればかなりスゴいかも (汗)。
 というわけで、手持ちのデキ103の画像を漁ってアップしようと思ったものの、最近はデキ103を撮っておらず、過去のカットに遡って探すのも面倒ですので (^^;)、昨年末に7503Fの甲種を撮影したついでに激写したデキ102・104を……。いや~この日は7503F牽引機もデキ107でして、嵐の後の冬の青空のもとデキ100まつりが突発した美味しいひとときでした……(*^^*)。