地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

国鉄高崎に遊ぶ・2015夏 (上) 115系

2015-09-29 12:00:00 | 国鉄型車両


 今月発売されたRP誌の最新号は115系特集。今や新潟地区や広島地区でE129やら227やらが現れ、あるいは新潟のE127がえちトキ鉄道 (という略称で良いのか?) に移るなどして、115系淘汰の新たな波が押し寄せているさなかですので、誠にタイムリーな企画であると言えるでしょう。とりわけ首都圏及びその周辺の場合、上野口と中央東線では全く異なる考え方によって編成が用意されて勢力が拡充した歴史的過程 (当たり前か) が、貴重なモノクロ画像とともに分かりやすく示されており、改めて115系約半世紀の歴史に思いを馳せる機会となりました。
 そんな115系、勿論最初にデビューした上野口からは消え去って久しく……。しかし、その上野まで僅か100km少々という高崎駅を拠点として信越・吾妻・上越・両毛へと扇のように運用を持ち続け、しかもデビュー時と全く同じ湘南色のまま走り続けているというのは、かなり奇跡に近い話なのではないかと思います。



 勿論、0番台や300番台は既に無く、1000番台で揃えられていますが、内装は内装で伝統のボックスシートを完全に保っていますし(長野の1000番台のような、多少背が低くなったようなボックスシートではない)、何と言っても高崎駅に各方面からの列車が集結するラッシュアワーともなれば、115系ばかりが並ぶという奇跡的な一瞬(夕方6時過ぎに目撃し、タイムマシンに乗って昭和に舞い戻ったかのような錯覚すら覚えました……☆)もあるなど、他の保存SL運転などと合わせても、意図的に国鉄的空間が残されているのではないか、という気すらします。
 というわけで、去る8月下旬の上信ビール電車乗車の際には、前日の夜に高崎に入り、翌朝集合時間になるまで115系を撮影したのですが、編成こそ短いもののピーク時には数分間隔でこれが来るというのは本当に快感に近いものがありますね……! そのうち是非、「運休寸前の雪まみれ」という情景でも撮ってみたいものですが、それはさすがにギャンブルというものでしょうし、最初から豪雪の新潟に行け、ということでしょうか (笑)。むしろ、今後正式に高崎地区の115系全廃がアナウンスされて、どの列車もヲタヲタヲタ……となる前に、上越線や吾妻線の空いている列車で乗り鉄を楽しんでおくのが良いのかも知れません。時間があればなぁ……。

祝!鉄コレ第22弾発表・紀州鉄道キハ603

2015-09-26 00:00:00 | 地方民鉄 (近畿)


 昨日、帰りがけに近所の模型屋に寄ったところ、「模型ホビーショーのため臨時休業」との張り紙が……。「まぁ電車賃は一切無駄ではないので、まいっか」ということで、むしろ「果たして何か新発表があったのだろうか?ワクワク……」と思い、帰宅後さっそく『N-Gauge Information』にアクセスしてみたところ、ななな何と、鉄コレ第22弾の発表キターー!! しかも今回は、18~20mの大型ボロキハ特集!! これぞ鉄コレってもんでしょう♪♪
 というわけで、6年前に和歌山に出張したついでに雨中撮影した紀州鉄道キハ603の画像のうち、未アップ分を2カット選んでレタッチしてみました。



 それにしても、今回のホビーショーでは取り敢えず、国鉄キハユニ15、岡山臨海キハ7002、紀州鉄道キハ603、江若鉄道キハ12の4両が発表されているわけですが、第13弾でも留萌→茨交という「移転前&移転後セット」が見られたように、恐らく今回も岡山臨海キハ7002の裏には夕張鉄道キハ253か水島臨海キハ304が控えているのかも知れませんし、江若キハ12の裏には岡山臨海キハ5001が控えているのかも知れません。いっぽう、紀州キハ603の元の住処である大分交通バージョンは、色が同じであるため多分出ないものと予想。平仮名の愛称が正面ど真ん中に書かれているだけの違いですし……(その違いだけで大分交通バージョンも封入され、他の私鉄の車両が混ざる可能性が下がるとしたら、ヲタからのブーイングがあり得るかも ^^;)。
 さーてと、残りの4~5両は一体何が来るかな~?と予想する楽しみが今後しばらく続くことになりますが、ボロキハといえばやはり、茨交のキハ1100、鹿島鉄道のキハ600やキハ714、あるいは関鉄常総線キハ551 (元キハ07→加越能)、キハ700、加悦鉄道キハ083 (オハ62を改造した元祖PDC) などなども是非よろしくお願い申し上げたいところです。しかし……個人的に最も悶絶しそうなのは、あのステンレスのシブい奴、茨交ケハ601でしょうなぁ……。これが万が一シクレとして入っていようものなら、恐らく中古市場価格は凄まじく暴騰することでしょう。恐るべし鉄コレ商法……(@o@)。
 いっぽう、個人的に期待したいのは、これを機に非電化私鉄界の東西両雄たる関鉄常総線と江若鉄道を体系的にシリーズ化して頂きたいということです。今ではホテルと駅前広場となっている水海道機関区の情景なんて、80年代には釣掛電車ヲタをやっていたばっかりに一度も訪れていなかったことを激しく後悔するものがあるわけで、あるいは三井寺下の情景を古い画像で眺める度に気分は鼻血が大放出……。
 というわけで、煩悩は止まらない……(笑)。

東武6050系臨時区間快速、白幕で走る

2015-09-25 01:00:00 | 大手民鉄 (東武)


 首都圏では5連休すべての日で雨が降らないという記録的な天気の良さの中、いろいろ出かけられた方も多いのではないかと存じます。記録的猛暑かと思ったら長雨に豪雨、そして秋晴れ……何だか極端すぎるように思います。そんな中、新鹿沼以北で線路が寸断されてしまった東武日光・鬼怒川線では、超書き入れ時の5連休を睨んだ突貫工事で復旧が進められ、無事先週中に全線で運行が再開されたとのことで何よりです♪
 それに先立ち、当面藤岡付近での路盤崩壊を修復した上で、快速&区間快速は新鹿沼まで、特急は新栃木まで運行が再開されたわけですが、たまたま暫定再開の期間中、非鉄な目的で東武沿線を久しぶりに訪れる機会がありましたので、早急な運行再開を喜ぶ気持ちで区間快速を撮ってみました。6050系の撮影自体も久しぶりですし……。



 というわけで、最近買ったばかりのEOS M3 (非鉄な一日でも手提げ鞄の中に高画質なデジ一眼を忍ばせておきたいということで……。軽いのがとにかく有り難い ^o^) を片手に待つことしばし……やって来た6050系は完全な白幕でビックリ! 要は、計画的に走らせる臨時列車ではなく、あくまで早期復旧を目指す中での暫定超臨時扱いに過ぎない、という東武の意志が表れたものかも知れませんが、これはこれで全く期せずして貴重な記録になりました。
 ちなみに、一枚目の画像は梅島駅の長~いホームの丁度真ん中辺、階段の前で撮っておりますが、その後、撮影名所として昔から知られた西新井方先端を久しぶりに訪れ、ちょこっと東急8500を撮ったろか……と思ったところ、先端の手前に「撮影禁止」の張り紙が(-_-;)。確かにここは狭く、人が集中すると危険ですので、これも時代の流れ、やむを得ないのでしょう……。
 それにしても、今回たまたま撮り鉄していた僅かな時間のあいだ、やって来た急行は50050ばっかし……。これに対し、緩行線を行く20000系列やメトロ03、それに竹ノ塚以南では10000系列に眼が向かってしまったのでした。時代は変わったな……というわけで、今のうちから本腰を入れて日比直を撮っておかなければなぁ~(今まではロクに撮ってない ^^;) と思った次第です。

第七ジャカルタ炎鉄録 (7) KFW

2015-09-24 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログによりますと、昨日、中央線高架のジュアンダ駅にて、205系10連2編成が衝突し (詰まっていて後ろから来た編成がブレーキをかけきれず)、編成全体の衝撃・破損が大きいため、まるごと廃車の可能性が高いとのこと……。ATS無しで (GPSで位置管理) 続行運転していたツケがついに回ってきたようです……。
 というわけで、インドネシアの鉄道における中長期的なブレーキや運行管理システムをどうにかしなければならないと思われる中、昨晩入って来たニュースによると、迷走に迷走を続けたインドネシアの高速鉄道問題、やっぱり「要る」ということになり、しかも中国が有利なのだとか。



 一体この、猫の目のようにコロコロ方針が変わるのは、何なのですかねぇ……。華人を介して莫大な裏 (中略)。安物買いの銭失いをするのも、あるいは下手に経済関係が深くなり過ぎて、ある日突然島嶼問題などで中国に牙を剥かれて (尖閣の時の日本M主党や経済界のように) 右往左往せざるを得ないというのも、非常に長い目で見てインドネシアにとっては勉強になるのではないか……という気がしてきました。
 というわけで、まだインドネシアでは中国製の鉄道車両は走っていないわけですが、中国でも日本でも欧米でもないインドネシア独自の車体の持ち主として、KFWの画像を取り敢えずアップしておきます~。
 この電車、昨年訪れたときは調子も良く、スルポン線やタンゲラン線はもとよりボゴール線でも運転されており、「意外となかなかイケるんじゃね?!」などと思ったものですが、今年訪れてみますと、マンガライ~ドゥリ間のフィーダと、ジャカルタコタ~カンプンバンダン間のフィーダとして細々と走るのみ……。このうち前者は、時間帯と方向によって非常に混雑しますので、通勤電車としての本来の役目を果たしているように見えますが、後者はもう何と申しますか、致命的なほどガラガラでした……。4連でも十分間に合う超短区間の閑散路線を、終日堂々の8連で運行していましたので……。環状線列車利用客がコタ駅に向かう僅かな需要に応えているとはいえ、単純にカンプンバンダン駅の立地 (大通りから、スラム街の路地を結構歩いてようやく到達可。しかも大通りを走るアンコタに乗ればあっという間にコタ駅到達可能) だけを考えれば、本当に無駄の極み……。そんなフィーダ運用であっても8連で走ってろ、という判断がなされること自体、KCJの車両余り (?) あるいは「故障の多いKFWは、205系が増えた以上もうどうでも良い」という意向を感じ取らずにはいられなかったのでした。
 う~む、この電車はこの先一体どうなるのでしょうか? 昨年だか一昨年だか、マジャからタナアバンに戻る際に延々とこの電車に乗り、「快適だけどついてないなぁ~」と思ったものですが、今にして思い出せば、むしろそういう偶然こそ非常に貴重だったのかも知れません。

第三ヤンゴン熱鉄記 (28) 最新通勤客車

2015-09-22 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 JR東海から転じたキハ40系列やキハ11の相次ぐデビューに沸くヤンゴン環状線にあって、すでに旬はあっという間に過ぎ去ってしまったかの感がありますが、昨年3月にヤンゴンを訪れた際に最も腰を抜かした車両のひとつが、新造ロングシート客車であるLBT13300形の存在でした。とにかく扇風機もなく貫通路もないボロ車両の寄せ集めであったヤンゴン環状線に、運賃300ksの冷房RBEと並ぶ目玉車両として扇風機つき200ksの特別車が入り、その多くは従来編成の中間に挿入された急行用ボックスシート車BDTEZ12000形だったわけですが、その一方でとにかく編成丸ごと体質改善を図ろうと、ミャンマー国鉄が放ったのがこの13300形だったのでした……。
 この車両、基本的にはBDTEZ 12000形に代表される後期標準客車の車体構造を踏襲しつつ、LBTX 900形や、前回ご紹介したSMBDT 45000形を彷彿とさせる窓割りの車両をつくった、という感じでしょうか。そして、ごく一部が従来編成の中間2両特別車となっているほかは、基本的に6両丸ごと特別車編成を構成し (2編成ほどあるはず)、日々DD900形に牽かれて環状線をグルグル走っています。



 しかし私の見るところ、この車両は極めて過渡期的かつ思いつきのやっつけ的存在であり、余り成功しているようには思えません。まず、同じ運賃200ksの特別車でありながら、全てボックスシートのBDTEZ 12000形とのスペックの差は余りにも大……。CNRのYZ22廃車発生品と思われるCNRマーク付き (笑) 扇風機がカラカラ回っているのを除けば、従来の環状線ロングシート・ボロ車両の体質改善車(昨年から急増)とほとんど変わらないプラ椅子・扉無し乗降口というアコモですし、肝心のCNR扇風機も壊れたりして停止中となれば、実質的に100ksの一般客車と何ら変わりはありません。それなのに倍の運賃を払うとしたら、せいぜい「空いている料金」に過ぎず……だったら13300形で来ることが明らかな全車200ks特別車の列車を見送って(各駅の時刻表に明記)、一部200ks特別車の列車や300ks冷房RBEを利用する方が賢明というものです。一番最悪のパターンは、一部200ks特別車の編成を待っているつもりが、何とこの13300形で来てしまったというババ抜き状態(そういう編成も僅かにあるはず)でしょうか……。
 というわけで、今後東海のDCが全てヤンゴンでデビューすれば、明らかにヤンゴン市民から見向きもされなくなりそうな13300形ですが、唯一の活路はCNR扇風機が壊れたことを以て100ks一般車に格下げされることでしょうか (笑)。今後、加速度的に客車列車の環状線列車は減って行くと思われるわけですが、その残り僅かな運用や東郊運用に13300形やRBE改造RBTが入る割合が増え、900形や10700形・1000番台は一気に消えて行く(地方ローカル線に転出?)ことが予想されるわけで、いやはや、これまで1年ごとに3回ヤンゴンを訪ねて客レを激写しておいて本当に良かったと思います♪
 とりわけ、全車13300形の6連は、現在オールラッピングとなってしまいましたので、登場直後であった昨年3月にこんな感じで後追い撮影しておいたのは、今考えてみれば本当にナイスな判断でした♪♪

 以上で、延々ダラダラとアップして参りました、ミャンマー国鉄オリジナル客車の勝手流分類紹介を終えることにしたく存じます (バゴーなどのLRBEに連結されるLRBTにつきましてはこちらをどうぞ)。いや~これほど、興味を抱かれる方と全く興味を感じない方にスッパリと分かれるネタもなかなかないものでしょう。否そもそも、客車に対して趣味的に掘り下げが進んでいる国は実は少なく、鉄道趣味が存在する国でも多くの興味は罐に注がれがちという現実があるようです。それだけに、一定の民主化・自由化の進展に伴って、従来は軍事政権の固いヴェールに閉ざされていながらもそこそこバラエティに富んだミャンマー国鉄の客車を、網羅的とは行かないまでもそれなりに撮り貯めることが出来たのは、極めて貴重で嬉しい出来事だったのだなぁ~と思います。

 このほか、ミャンマー国鉄の客車には (1) CNR昆河線車両=13000番台 (2) インドっぽい冷房車 (3) 凶悪な乗り心地のRBT (4) 驚きと期待の新星たるRBE改造RBT (5) LRBEにぶら下がるマッチ箱のようなLRBT (6) 北斗星 (爆) があります (他にもまだまだお宝がゴロゴロしていそうですが、私が把握しているのはとりあえずこの程度ですのでお許しを ^^;)。
 このうち (6) につきましては、いつもお世話になっております斎藤様や西船junction様が折に触れてレポートして下さっているところです (最近整備再開とか!)。(5) の愛嬌ある姿はこちらをどうぞ。(4) はマジ垂涎……。私はまだ撮っていませんので、ネット上で他の方の画像を拾って頂ければと存じます。いっぽう (3) は、ウリナラ製も含む極悪な乗り心地のク○車両に興味をお持ちの方はいらっしゃらないでしょう。現在ヤンゴン地区にある車両は、輸送力の低さが嫌われ、全車草に埋もれて休車中ですし。 (2) は既に一度アップしたことがあり、当時は定期運用がないVIP客車のようでしたが、『RBE』様の最新速報によりますと、今ではエーヤワディー川の向こうのパテイン地区に持って行かれたとか。(1) は……画像を多少撮っていますが、もう少々体系的に撮り貯めてから考察してみたい気もしますので、とりあえずお・し・ま・い!
 というわけで、今年3月のミャンマー遠征ネタ、既に鮮度は落ちてしまいましたが、次回からはRBEの現状やいろいろな列車・編成をフツーにダラダラとアップするという内容に戻ります。