地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

貨物天国四日市を歩く (3) 海山道エチレン出入

2011-03-31 08:00:00 | 貨物列車 (四日市)


 当初の予定では今日を以て最終の積車コキ入れが行われ、明日コキ出しがなされて大団円を迎える予定であったという海山道の液化酸化エチレン輸送……(具体的な予定を操車係の方から伺っていました)。しかし、今月10日には総武線滑河駅にて空車エチレンコキが脱線転覆し、さらにその翌日である11日には大震災のためにJR鹿島線・鹿島臨海・三○化成のエチレン工場が打撃を受けて、そもそも輸送体系自体が崩れてしまったのは周知の通りです。



 しかし本来であれば、今月末まで四日市の川下企業は液化酸化エチレンの供給を受けることを欲していたわけで、果たして代替のエチレン製造元から海山道までオンレールで輸送が続いていたのでしょうか? 単なる一ファンに過ぎず、しばらく外国に出ていた私には知る由もありません。何はともあれ、近鉄海山道駅の敷地から徒歩0秒でかくも素晴らしい光景を激写出来まくりであった素晴らしい貨物スポットが、度重なる事故や天変地異のために寂しい最後を迎えることを悲しく思う限りです……。操車担当の方々は四日市の大手倉庫会社に所属されているようですので今後に問題はないそうですが、願わくばこの美しすぎるスイッチャーたちに佳き再就職先が見つからんことを!

風雪えちぜん鉄道 (下) 威厳の凸型EL雪レ

2011-03-30 11:40:00 | 事業用車両


 福井市内ではみぞれ気味な天気と僅かな積雪であっても、九頭竜川の峡谷を奥へ奥へと分け入って行く勝山永平寺線の沿線は一気に豪雪地帯であるという印象を強く受けます。そんな過酷な自然環境の中で30分間隔のパターンダイヤを維持するのは並大抵のことではないように思われ、辺り一面の風景が吹雪で完全にホワイトアウトしてしまった中であっても、私が福井から乗った列車は越前竹原にて対向列車待ちで2~3分遅れたのみであったのは、実に除雪作業に動員された職員の皆様の努力の賜物なのだろう……と痛感した次第です。何があろうと確実に列車を前に進めようとする鉄道魂の束……それがあってはじめて乗客がくつろぐ暖かな車内と美しく流れる車窓風景がある。そんな思いを感じることもまたローカル線の旅の魅力なのかも知れません。



 しかし勿論、降雪量が多ければ人力によるポイント等の雪かきのみでは限界があります。そこでえちぜん鉄道の場合、京福福井から継承した凸型電機・ML521形の出番! しかも、猛烈な吹雪の中に忽然と姿を現す重連の姿は……まさに守護神の如き凄みがあります。乗っていた勝山行きが発坂駅に接近するにつれ、日中は交換列車がないはずの駅に前照灯を照らした黒っぽい車両の姿が見え、「何じゃこりゃ?」と目を凝らしてみると……巨大なスノープロウを装着した凸型電機の武骨すぎる姿に完全に圧倒されまくり……!! そこで速攻で荷物を抱えて下車し、上り線に停車しているシーンを撮影しようとしたものの、ML521は我が列車の到着→青信号点灯を待ち構えていたかのようにグォォォ~と発車してしまい、後追い撮影はホームに厚く積もる雪で足場をすくわれてアウト。そんな間抜けな私の姿を見ていた雪かき中の保線区員の方が「大丈夫。今度勝山から来る列車に乗れば途中で追い抜くよ」と教えて下さったのでした……。そして見事、降りしきる雪の中をゴボゴボと進む姿をゲットォォォ! \(^O^)/ スーツ姿でこんな必死の撮影をしているワタクシ……アホですな (笑)。
 ちなみに、えちぜん鉄道の特雪列車は「降雪日に必ずこのスジで運転」ということではなく、沿線の降雪状況に応じて臨機応変に動くようです。但し、パターンダイヤに乗せる都合上、「毎時○分に福井口または勝山を発車する」ことは決まっているとか。
 なお、私が訪れた後の1月下旬に越前国を襲った豪雪では、他にも「サンダーバード」が今庄駅で立ち往生するなど大変な事態となりましたが、それでもかの38豪雪や56豪雪と比べれば全く大したことではないようです。京福福井の廃止を記念して出版された『越前線写真帖』を眺めてみますと、2mをはるかに超えるとにかく凄まじい豪雪と闘うテキ (ML) 521の姿が載っています……。

風雪えちぜん鉄道 (上) 悪路に挑む6101形

2011-03-28 12:10:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 震災に追い打ちをかけるように長く厳しい寒さが続いてきた昨今ですが、それでも確実に春はやって来ます。今日は何と、東京でソメイヨシノが開花したとか。つい数日前までは堅いつぼみのままだったような気がするのですが、やはり自然の巡りは偉大だなぁとしみじみ。
 厳しい時期や困難に見舞われながらも、不死鳥のように見事な復活を遂げた鉄道として、えちぜん鉄道の存在を思い出すのは私だけではないでしょう。半年の間に二度立て続いた正面衝突事故により国土交通省から運行停止命令を受け廃線の危機に陥った京福福井ですが、それを救い見事に再生させた越前国の人々の心意気に学びたいものです……。去る1月中旬、京都出張のついでに久しぶりに雪のえちぜん鉄道を訪れた際には、風雪に負けず走る電車、そして定時運行を確保しようとする関係者の皆様の心意気に大いに心打たれたのですが、今改めて「復活」「復興」という言葉を思い浮かべるとき、雪国に生きるえちぜん鉄道の姿を思い浮かべます。



 そんなえちぜん鉄道、訪れたのは恥ずかしながら2003年夏の部分開業 (永平寺口まで) 以来7年半ぶり (滝汗)。高校生の頃にも訪れた好きな路線だけに、もっと頻繁に訪れたかったのはやまやまですが……何故か間が開いてしまった……。
 その間に起こった最大の変化といえば、愛知環状鉄道で余剰となった100形 (片運Mc→えち鉄入線時に両運化)・300形 (両運Mc) を譲り受けた6001・6101形の大量入線でしょうか。両形式の区別は主に、前者がMT46、後者がMT54を装備していることによるようですが、後に6001形のMT46はMT54に換装されたため、両者の違いは素人目には少なくなっているのでしょう。この元愛環車の導入の結果、京福福井から継承した大量の釣掛2101形のうち、非冷房車を中心に相当数の車両が廃車となってしまい (現在2101形は基本的に朝夕ラッシュ&多客時専用)、2101形の凄まじい釣掛サウンドを愛でる向きにとっては残念ではありますが、確かブレーキが1両に1系統しかないという理由で2101形を常時2連で使用せざるを得なかったえち鉄にとっては、愛環が単行運転可能な20m車を大量放出したことはまさに渡りに船だったのでしょう。
 このように6001・6101形は釣掛党からみて憎まれ役のはずですが、個人的には前パンと幌!という黄金の組み合わせ、そして重厚なボディに傑作えち鉄塗装……ということで、近年の地方私鉄車両としては最高傑作のひとつと呼ぶべき車両ではないかと思っております (*^O^*)。愛環時代には個人的非鉄期と重なっていたこともあって「ふーん」としか思わなかったのですが……それが一気に印象が変わったのは塗装の威力によるところが大きいのでしょう。鉄コレでもえち鉄バージョンはすぐに売り切れ、愛環バージョンは長く売れ (以下略)。
 そんな6101形のゆったりとしたボックスシートに腰掛け、雪化粧した九頭竜川沿いの峡谷美を眺め、MT54の低いうなりに耳を傾け (但し電圧が異なるためかサウンドはJR線内と比べて弱々しいような)、雪にまみれた姿を激写し……。湿雪が重く降り積む中でも「鉄」的ハートは熱くたぎらずにはいられないのでした。

非常時節電と通勤電車の窓 (東武50050系)

2011-03-27 14:54:00 | 大手民鉄 (東武)


 首都圏の膨大な電力供給を福島第一原発に依存していたことが誰の目にも明らかになった今や、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ」節電の努力は、復興が実現するその日まで続けられなければならないでしょうし、さらにはそもそも電気を湯水のように使ってきた従来のライフスタイルへの反省を迫るものとなるのでしょう。
 既にいろいろ言われていることですが、そこで「夏場の冷房をどうするのか?」という大きな問題が浮上することになります。暑さが苦手な私としては、とにかく猛暑とならないよう祈るばかりですが、もし猛暑が襲来するとしてもやはり極力冷房に依存せず酷暑に耐えなければならないと覚悟しているところです。



 すると槍玉に挙げられそうなのが……窓が開かない通勤車両! 夏場に大停電の危機を避け平常の社会生活を維持しようとするならば、既に「春は名のみの風の寒さ」の中でも車内暖房が切られているのと同様、車内冷房オフが広く提唱されることになるでしょう。しかし例えば、窓が一切開かず、換気すらも全て電気仕掛けで行うものと割り切った (いや、最新の未来電車として奢った?) 車両はどうするのでしょうか? もしこのままであれば、車内冷房オフの必要性が高まったときにガンガン冷房を使わざるを得ないことで「節電非協力車両」ということにもなりかねません。あるいはもし節電のため空調を全てオフにするとしたら、窓が全て開かず夏場は悶々とした車内だったという定山渓鉄道2300形のようなシロモノとなることでしょう (→そんな定山渓2300形でも天井に通風器がありました)。
 したがって、既に209系で上下開閉窓化改造がなされ、東武50070系でも同様の改造を施された車両もある中、何故か未だに改造されていない50050系でも同様の改造を進めることが焦眉の急となっているように思われます。その点、最初から窓が開く51061F以降の編成は偉大だ……と思うわけです。あ、50050系の窓を改造するのであれば、ついでに椅子の座り心地改善改造もヨロシク……(爆)。
 そういえば……窓が開かない通勤車といえば京浜急行にもゴロゴロ……(汗)。

名鉄ダイヤ改正・パノスパを撮る

2011-03-26 00:00:00 | 都市民鉄 (中京圏)


 名鉄は今日からダイヤ改正を実施するとのことで、とくにその目玉は利用状況に合わせた特急ネットワークの再編・充実にあるようですが、一方で地味~に減便が実施される路線もあるようです。まだ全線時刻表の現物を詳細に見たわけではありませんので詳細は記しませんが、名古屋近辺の区間で非常に目立つのは日中の豊明~弥富準急 (名古屋~弥富間は普通) の廃止でしょうか。もっとも、津島線は運転間隔にばらつきがありますので、吉良吉田~佐屋準急 (吉良吉田~名古屋間は急行) を普通に格下げして、須ヶ口~佐屋間を完全15分間隔で揃えれば良かろうという判断なのかも知れません。
 それでも、いろいろな路線で少しずつ所要編成を節約することで、余剰となる編成が生じることはすぐに予想がつくわけで……5000・5200系の下回りを流用した5300系あたりはそろそろ本当にヤバいのではなかろうか?と思えてなりません (-_-;)。名古屋近辺では5300系を待っていてもなかなか姿を現さないことは、先月瀬戸線で6750系を楽しんだ後、新幹線の時間まで少々本線系を撮影した際にも痛感したところでして、まぁたまたま運が悪かっただけかも知れませんが、果たしてあと何回5300系を撮影出来ることやら……。



 ちなみにこのときの撮影では、せっかく抜けるような青空が印象的な午後の順光線に恵まれたにもかかわらず、6000系すら全く来ず (名古屋にて、自分がホームに下りた1分前に発車した犬山行き普通に乗れていれば撮影出来たのですが・・・)、鉄仮面6200番台や6500系も滅多に姿を現さず、さらにはパノスパ特別車編成の生まれ変わりである新5000系も全く来ず (名鉄の新型車のうち、何故かこの車両だけ心が惹かれる……)、怒濤のようにやって来るのは2000系列や新3500系などのVVVF車ばかりでつまらん・・・。
 そんな中、たまにパノスパ一部特別車6連が姿を現しますと、思わず心がときめくのは私だけではないでしょう! 勿論、丸みを帯びたパノスパにはパノラマカーのようなアブナく尖ったダンディズムは感じられませんが、とにかく気合いが入った展望室・特別車を含むその姿には、やはり名鉄の良き時代の残像を感じてしまうのであります……。パノラマカーが約半世紀走ったこと、そして名鉄の特急営業施策変更作戦がほぼ落ち着いたことを考えますと、とりあえず今後しばらくのあいだパノスパ一部特別車編成は安定的に推移しそうな気がしていますが、とにかく路線長が長い名鉄にあって昭和気質のシブい車両を見かける頻度が下がっている中では、何はともあれパノスパがそれなりの頻度でやって来ること自体を有り難いと思うのが良いのかも知れません。
 
 余談ですが、名古屋圏で長らく普及してきた「トランパス」は、来年の2月29日を最後に名鉄で使用できなくなるとか……。パノラマカー引退時にゲットしたトランパスの未使用分がまだまだあるため、先月の名鉄訪問時には積極的な (?) 消費に務めた私ですが、栄にて瀬戸線から地下鉄東山線に乗り換えたところ、名古屋市交では一足早く既に使用中止となっており、突然バタンと自動改札が閉まって吃驚……。と申しますか、その衝撃的瞬間によってはじめてトランパスの落日を知った次第 (滝汗)。まだ残額を抱えている方は使用・払い戻しなどお早めにどうぞ・・・。
 個人的には他に「スルッとKANSAI」の未使用分が多数あるのですが、世の中これほど非接触型カード全盛となった以上、いつ「ICOCA・PiTaPaオンリー宣言」がなされてもおかしくないわけで、これも早めに使わないと……(汗)。