地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ日本中古放置車探訪 (8) マップカバオ探訪法

2017-04-29 00:00:00 | タイの鉄道


 これまで数回に分けてマップ・カバオ駅の放置車両群を集中的にアップして参りましたが、実はここを探訪したのは私が初めてというわけではなく、帰国後ググってみたところ、既に訪問された方が複数いらっしゃり、結構詳細な記録を残されています。そりゃ~まぁ、東北本線の山越え区間が始まる印象的なロケーションの駅の一角に、これほどの放置車体の山が転がっていれば、気付かないヲタはいないということなのでしょう。その割にはこれまで情報が広まっていなかったように思われるのは不思議なことですが、裏を返せばそれは即ち、タイの鉄道に対する日本人鉄ヲタの注目度の低さを示しているのかも知れません (実際にはもっと多くの関心が注がれており、それは個人的な偏見に過ぎないということであれば幸いですが)。



 とりあえず、今回の連載で興味を持たれた方のために、以下の通りバンコクから日帰りで訪れる場合の時刻を載せて、参考に供することに致します。但しこれは、2017年3月時点の時刻であり、実際の時刻は最新のものを御参考下さい。帰りにバーンパーチー・ジャンクションで途中下車し、日本製2等車の大量廃車体も見物するというモデルコースです。マップ・カバオ駅そのものは、下記で記します通り鈍行しか止まらず、鈍行利用だけでは日帰り不可ですので、ケーンコーイ・ジャンクションからバイタク利用が必須となります。駅前で待機しているバイタクの運ちゃん達はマップ・カバオ駅の存在を知っていますが、果たして今後、日本人ヲタっぽい人間が下りてくるのを見かけると瞬間的に「マップ・カバオ?」と言い寄ってくるようになるか否かは、この記事を読まれた方のうち何名の方が実地に訪れるかにもよるでしょう。インドネシアのチカウム駅は、パクアン急行様が何度も足繁く通われたことにより、今や最寄りの急行停車駅であるプガデン・バル駅で日本人が列車を下りると、オジェックの兄ちゃんが瞬間的に「チカウム?」と言い寄って来るそうですので……(笑)。

(1) バンコク→ケーンコーイ
339 Ordinary Bangkok→Keang Khoi Junction (THN)
Bangkok 520……Keang Khoi 805
21 Special Exp. Bangkok→Ubon Rhatchathani (Daewoo)
Bangkok 545……Keang Khoi 744
135 Rapid Bangkok→Ubon Rhatchathani (PC)
Bangkok 640……Keang Khoi 922

(2) マップ・カバオ→バーンパーチー
(バイタクを待たせて早めにケーンコーイに戻り軽食をとるのも可)
234 Ordinary Surin→Bangkok (PC)
Map kabao 1127……Ban Phachi Junction 1219
……Ayutthaya 1240……Bang Sue 1350……Bangkok 1415

(3) バーンパーチー→バンコク
112 Rapid Den Chai→Bangkok (PC)
Ban Phachi Junction 1529……Bang Sue 1733
……Bangkok 1800

(4) 参考:バンコク発スリン行き鈍行 (マップカバオからの帰りに、地元のローカルバス又はソンテウの類を捕まえる自信がある方のみどうぞ。多分走っていると思いますが、どのようなルートで運行されているのかは関知しません)
233 Ordinary Bangkok→Surin (PC)
Bangkok 1140……Bang Sue 1205……Ayutthaya1307
……Map kabao 1415

タイ日本中古放置車探訪 (7) RTS系DC

2017-04-28 00:00:00 | タイの鉄道


 タイ東北本線のマップ・カバオ駅に放置されている日本中古車両の全貌は、何せ20分少々の短時間しか持ち時間がなかったこと、そして最前列の車両の奥にも大量の車両があることから、到底把握し切れているわけではないのですが、とにかく宝の山を探し当てたという気分とともに、圧巻の滅びの美を見届けた思いです。そして特筆すべきは、日本中古車両に混じって、これまで全然知らなかったタイプのステンレスDCも複数放置されていたこと……。現在もタイの地方路線で使用されている鋼製の日本製DC・RHN系のボディをステンレス化したような雰囲気の出で立ちに、思わず「うぉっ!何これ!グロベンも合わせてマジカッコ良い!」と叫んでしまいました。



 そこであれこれググってみますと、さすがインターネットは偉大なり……。この車両はRHN系のステンレス版として、当初メークロン線に投入された車両のようで、RTS系と称するようです。メークロン線にはその後、両開き扉の「キハ47・タイ向けステンレスバージョン」と呼ぶべき (?) THN系が投入されていますので、余剰となったこの車両は本線に移されて放置されているという……。ひょっとするとステンレス車体を活かして、客車化のうえオーストラリア出身車と同じく、バンコク近郊の通勤輸送に活用しようというプランもあったのかも知れません……。
 それにしてもナゾなのは、2等車と記されている割には、車体の中央に高床ホーム専用としか思えないワイドドアが設けられていることです。将来の高床ホーム化を見越して新造時に予め用意したのだろうかと解釈できるものの、ならば3等車は3扉ではなく2扉のままなのは何故なのか……?
 何はともあれ、一段窓のコルゲート&グロベン付きボディは滅茶苦茶カッコ良い! 思わず模型でも是非欲しいと思わせる風貌です♪ しかし、GMのエコノミーキットのうちどのパーツを活かせば上手く作れるのか全く見当もつきませんし、そもそも最近多忙で、模型いじりをするヒマもなかったりするのでありました……。

第八ジャカルタ炎鉄録 (22) 東急8610F

2017-04-26 00:57:00 | インドネシアの鉄道

 
 ジャカルタでは車両面の大きな変化は一段落したものの、電化区間の延伸やダイヤの改定、そして編成替えなど様々な変化が続いており、少々目を離している隙にもアッと驚く新展開があります。その詳細は、いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログをご参照頂ければと存じますが、個人的にはやはり、スルポン=バンテン線のマジャ~ランカスビトゥン間正式電化開業に興奮しますね……。中間点のどうしようもないド田舎駅であったチテラスにも、電車乗降用のステップが設置され、複線化用地が確保された熱帯風景の単線区間を力走する205系の雄姿には感無量です。また環状線につきましては、アンケまで営業運転するようになった列車がカンプンバンダンの留置線まで回送されて折り返すシーンも新鮮ですし、10連・12連がそれぞれスルポン線・ブカシ線にますます取られた結果、ボゴール線が8連の巣窟の度を強めているというのもまたいとをかし……(利用客にとってはたまったものではないでしょうが。それはまさに、東海道線東京口で15連ではなく10連で来ることを知ったときの落胆の如し。もっとも、普通車が13両から8両に減るのに比べれば、ジャカルタの方が少々マシかも)。



 というわけで、ボゴール~環状線運用の主力となっている8連のうち、東急8610Fの画像をアップしてみたく存じます。昨年8月の訪問時、8610Fは検査を受けて余り時間が経っていなかったと見え、総じて非常に美しい姿を保って日々姿を現していたのは嬉しかったですね……。先頭車腰回りの女性専用車ラッピング看板が撤去されてコルゲートが丸見えになったのも、極めてポイント高し!です。
 そんなジャカルタの東急8500系ですが、東急田園都市線2020系の登場はもう少々ズレ込むようで、田都で依然として8500系の余剰が発生しないまま、来年から再来年あたりの中古車輸入禁止年限を迎えてしまいそうですね……。ということは、ジャカルタの8500系が引き続き部品不足の綱渡りを強いられることを意味しているのですが、性能が安定した車両として、KAI・KCJスタッフの手によって一日でも永く良好な状態を保つことを願っています。最大の爆弾はSIVでしょうか……。
 
 そういえば、パクアン急行様のブログの最新更新を拝見しておりますと、何と!しばらく放置されていたブカシ線の複々線化工事がついに本格的に再開されたほか、マンガライ駅のセブンイレブンが撤退するなど、駅・線路インフラ面でも新たな変化が進みつつあるようで……。セブンイレブン、便利だったのになぁ~。そして、マンガライ駅全面改良工事の進展に伴い、ブキッドゥリ電車区に向かう線路も付け替えられ、かつての名撮影地は完全に様相を改めつつあるようです。もっとも、既に昨年にはマンガライ駅南東側の撮影地には入れなくなってしまい、撮影地生命は終わっていたのですが、こうしてまた一つ、最高に激しく百花繚乱だった時代に撮り鉄しまくった場所が変わって行くというのは、何とも寂しいことではあります。

タイ日本中古放置車探訪 (6) キハ28・58

2017-04-24 00:00:00 | タイの鉄道


 黄色顔を先頭に長大編成を組み、朽ち果てつつあります……。



 クーラーが最も残っている車両 (車番不詳)。



 205号車。ブルーは濃いものの車内は荒廃。



 206号車。深いステップは非運転台側限定。

----------------------------------------------
 マップ・カバオ駅に放置されている日本中古車両のうち、キハ28・58のタマ数はかなり多いのですが、車体の手前に草がボーボーに生えていたり、柱が立っていたり、あるいは手前側の車両の奥に留置されていたりしますので、キレイに (?) 記録できる車両は実は余り多くありません。もっとも前回アップしました通り、キロ28が3両も残っていることの方がはるかに垂涎モノで、どうしてもキハ28・58の立場が霞んで見えることは否めず、実は今回の訪問もキロ28が最優先だったりしたのでした。何という贅沢な……キハ28・58に申し訳ないような気がします。まぁキハ28でしたら、いすみ鉄道で定期運用中ですので、いずれ人の少ない梅雨時あたりにそちらを見物に行きたいものです。
 なおタイのキハ28・58は、非運転台側のデッキのみステップ増設&ドアの延長改造を受けていますが、運転台側はステップを改造すると台車と抵触しますので、このような限定的な改造になってしまったのは致し方のないところでしょう。そして恐らく、事実上デッキが1カ所しかないという使い勝手の悪さが、タイにおけるキハ28・58の短命につながってしまったのだろうと想像しています……。折角他の3等客車より長めで輸送力が大きくとも、乗降に難があれば使いづらいということで……。

ありがとう、さようなら、東武快速

2017-04-20 20:05:00 | 大手民鉄 (東武)


 本日只今 (4月20日の20時5分)、もし東武でダイヤ乱れが発生していなければ、上り最終の区間快速が浅草に到着したことを以て、東武快速の歴史に終止符が打たれました。(予約投稿です。悪しからず)
 新しい時刻表では、例えば南栗橋発新藤原行き普通が日中に設定されていることからして、ダイヤ改正後の6050系は新造車を除いて全車廃車となるわけではなく、それなりの数が残って南栗橋以北で運用され続けるのではないか、そして南栗橋以北の急行に6050系が入って引き続き力走するのではないかという期待が高まらずにはいられません (間もなくその真相が明らかとなるでしょう)。しかし少なくとも、間もなく新栃木行きの2201レが発車してしまえば、南栗橋以南、とりわけ北千住~春日部間での豪快な走りは、多客時臨時急行でも設定されない限り過去のものです。



 そもそも東武快速の歴史は、高速道路が未整備だった時代において沿線と東京方面を速くつなぐ需要や、日光・鬼怒川観光の大衆化といった、戦後高度成長と深く結びついたものであったはずですので、今や時代が変わり環境も変わった中では、特急リバティへと発展的に解消されるのは当然の流れといえます。とりわけ最近は、日光へ向かう外国人観光客がかなり快速を利用しており、本来であれば旅費をたっぷり持っている観光客から料金収入を取り損ねるという状況もありました。したがって個人的は、リバティ満席時の救済を兼ねた急行が設定されていることもあり、今回のダイヤ改定を高く評価するものです。
 しかし……東京のド真ん中から、ガンガン飛ばす列車のボックスシートに座って美しい大自然に向かう長旅を満喫出来るという《急行列車感覚》が、ついに西武の週末限定快速急行を残して首都圏から消えてしまうことを心から悲しむものです。中2のとき、非冷房時代の6000系快速に初めて乗って新栃木所属7870形探訪の旅に出掛けて以来、果たして何度6000・6050系の長旅をし、四季折々の風景を眺め、心癒やされたことでしょうか……。とりわけ、浅草から乗り続けた先に、1m近く積もった豪雪地帯が広がっていたときの記憶は未だに鮮烈です。
 また、特に料金を必要とするわけでもないのに、明らかに非日常な雰囲気を醸し出した列車が日常との接点スレスレに存在していたこともまた、過去の物語となってしまいました。駅を通過するごとに普通や準急 (改め急行) に押し込まれるべくホームで待つ人々を「なんじ等お疲れよのぅ」とエラソーに眺めるという、何ともチープな優越感に浸ることが出来たものですが……。
 何はともあれ、多くの人々の様々な思いを乗せて快走を続けて来た東武快速の歴史は、こうして幕を閉じました。今はただ、東武快速で幾度となく旅を重ねることが出来たことを心から幸せに思い、今後もしばらく南栗橋以北で残り続ける6050系の活躍を見守りたいと思うのみです。ありがとう、さようなら、東武快速!