地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

211系の第一編成 (N601編成) を撮る

2020-09-23 22:07:00 | 国鉄型車両


 最近はあちこちの路線で1980年代製車両にも廃車の波が襲い、あの車両もこの車両も普通に走っているうちに少しずつ撮り貯めておきたいと思うものですが、長野色の211系はそんな車両の一つでしょう。房総ローカル用に登場したE131系が中央線の山岳区間でも試運転を行ったということで、いろいろな画像がネット上に流れていますが、そこで自ずと、中央線のローカル列車を置き換える一つの候補としてE131系が浮上せざるを得ないわけで (ドアの位置もE233と合わせることが可能ですし)、幕張への配備が一通り済んだら次は長野211の置き換えに……と何となく予想しています。だからこそなおさら、長野色211系に乗って撮るのは待ったなしなのです。



 そんな中、先日は久しぶりに神奈川県と東京都の外に出て甲州街道を歩き、翌日は入笠山 (富士見駅からほど近い、南アルプス最北端のハイキング聖地) に登ったのですが、入笠山から歩いて下山してすずらんの里駅から帰ろうとしたところ、211系の記念すべき第一号編成であるN601編成キターッ! 塩山行きの440Mは、すずらんの里から走ってすぐの富士見にて、あずさ38号を待避するために13分も停車しますので、脳内がハイキングモードから一気に鉄ヲタモードに切り替わり、クハ211-1 (高尾方)、クハ210-1 (長野方) の御尊顔を激写したほか、空いている車内のボックスシートに改めて落ち着いたあとは、窓を大きく開けて高原に響くMT61モーターの響きを満喫したのでありました。
 ちなみに今回の旅の往路は、八王子から韮崎まで211系2000番台に乗り、神奈川県の外に久しぶりに越境するひとときを味わったのですが、これからも211系が一気に減るその時まで、少しでも211系の中央線鈍行旅を積み重ねたいと思っています。

小田急新5000形・初めての長距離乗車

2020-09-20 15:27:00 | 大手民鉄 (小田急)


 小田急が新時代の通勤電車の決定版として放った新5000形は、去る3月下旬にデビューしてから間もなく半年を迎えますが、唯一最大の問題と言えば正面の行先表示の小ささくらいのもので、それも改修されたことから、特に悪い話は全く聞いたこともなく、総じて利用者から諸手を挙げて歓迎されていると言っても良いかと存じます。そりゃもう、E233・E235とは異なる独自のボディで、しかも幅広で広々、内装も明るく落ち着きがあり、椅子も幅が広めで座り心地まずまず、走り出せば静穏で安定した加減速ですから、文句をつける方がどうかしています。



 そんな新5000形、個人的には先月末の時点まで、町田→相模大野間のほんの一瞬乗ったことがあるのみで、何とももどかしい気分でしたが、9月2日に記念すべき初・長距離 (?) 乗車を果たしました。午後2時からの会合に出席するため、大和11:13の快速急行に乗って怪社に向かおうとしたところ……運用入りホヤホヤで新車の匂いを充満させた5053Fが大当たり!! 僅か45分で新宿に着くのは誠にもったいない気分で (笑)、到着後は思わずスマホで撮りまくってしまいました。正面から撮ったのみで編成写真ではないのは恐縮ですが、何はともあれ個人的な記念・備忘録ということで御容赦下さい (^^;
 とりあえず今年度は6本の増備となるようで、引き続きどの編成が入れ替わりで廃車になるのかに注目が集まりそうですが、機器更新の都合などから、8000形よりも1000形が優先的に廃車となっているのは返す返すも残念です。8000形はひとえに一人当たりの椅子の幅が狭いですので……。

相鉄の日立製アルミ車2020 (3) 20000系

2020-09-10 11:15:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 本日の『神奈川新聞』及びそのネット版『カナロコ』には、米軍上瀬谷通信施設跡地の再開発に賭ける相鉄の野望、という趣旨の記事が掲載されています。曰く、定期券収入の比率が高く、ラッシュ時に圧倒的に一方向輸送な相鉄にとって、空いている電車を如何に客で満たすかは積年の課題であり、JR直通・東急直通で都内への足がかりを得る相鉄にとっての次の目玉は、都内から人を引っ張ってくるための上瀬谷の再開発であるところ、既に内々の合意を取り付けたTDL・USJ級巨大テーマパークの誘致は、ここに来て武漢由来のウイルス問題で相鉄も巨額の赤字を免れなかったこともあり、宙に浮いたのだとか……。



 というわけで、既に横浜市がゴーサインを出した新交通システムとの整合性はどうなるのかという問題が生じているわけですが、それでも相鉄はテーマパークの誘致を諦めておらず、横浜市も巨大な土地の再開発を進めて利益を挙げたいのでしょう。
 しかし個人的には、今や都内及び神奈川県において、これほど大自然の中の大草原感あふれる巨大な土地が残されているのは最早上瀬谷しかないのですから、武漢由来のウイルス問題でなかなか海外にも出かけられなくなっているこのご時世、そして自粛生活の中で緑とのふれあいを求める気運が高まっているこのご時世だからこそ、ドドーンと広がる緑を活かした都市公園にして、それで集客を図ってほしいものだと思います。谷戸を活かしたこどもの国の大草原バージョンという感じの……。そして、アクセスルートも新交通システムよりは、海軍道路に線路を敷いたLRTみたいなのがちょうど良いですね (弾薬庫引込線を戦後道路に変えたことで生まれた海軍道路に再びレールが)。あ〜、でも、それだとテーマパークほどには客が乗らないってか……?
 とまあいろいろありますが、とにかくも東急乗り入れの重責を担うべく、20000系の大量増備が始まっています。今年度中には6本が新造されて計7本となるようですから、これはあっという間に新7000系全編成現役時と同レベルの勢力になるということで、特に狙わなくても少々 (?) 待てば20000系に乗れる日も近いでしょう。
 そして個人的には……ポポンではなくマイクロから20000系が競作で出ないかなぁと待望し続けております。

叡電探訪2019初夏 (4) デオ721

2020-09-06 00:06:00 | 地方民鉄 (近畿)


 先日発売となった鉄コレ叡電デオ722、京福塗装が実に美しく、素晴らしいですね……。デオ710・720が登場した当初、ニス塗り半鋼製のデナ21・デオ200をつぶすな……と激しく落胆し悲憤慷慨したものですが、そんなことも既に遥か遠い昔の80年代の話。台車を交換しカルダン駆動となって久しいデオ710・720がトコトコと走る叡電の風景を愛で、そして鉄コレを愛でる……それがローカル私鉄趣味の王道というものではないかと思います。



 そしてデオ720の鉄コレとしては、既に緑帯のデオ721も発売されていますが、もちろん個人的にはこちらも購入し、N化しております。総じて鉄コレデオ720は、単行でチョコチョコ走らせても良し、多客時対応の2連を再現するも良し。京都らしい (?) 粋な一品を卓上に、という感じでしょうか。
 というわけで、昨年5月の京都出張ついでに撮影した叡電画像の続きとして、デオ721を貼っておきます。今後また京福塗装が復活しないかな……と思うと同時に (既に一度復活したのでしたっけ?)、三陸鉄道バージョンの鉄コレが発売されるのを熱烈に待望しています。

南海高野線徒歩鉄 (7) 2000系

2020-09-04 18:13:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 高野線の山岳区間は大型車お断りの泣く子も黙る急勾配・急曲線の連続であり、平日はたまに2000系の大運転が走る他は基本的に2300系2連が往来していますが、土休日ダイヤであれば2000系4連の運用が増えます。たまに関西を訪れる関東人にとって、2000系4連といえば本線の普通の印象が強くなってしまっておりまして (とりわけ平日に訪れればなおさら)、高野線の山岳区間で「2扉車」を掲示しない4連が走っているのを眼にすると、強い違和感を感じるという倒錯した状態に……(笑)。でもやっぱり良いですね。本来の目的で用いられている光景を眺めるのは……。



 そして今回高野街道(京・大坂道)を実際に歩いて、南海高野線が如何に高野山を身近にした偉大な路線であるかを痛感しました。1枚目の画像の左に小さく写っている踏切を渡ったのち、高野街道はひたすら長い登りとなり、「やれやれ、紀見峠がすっかり遠くなったな……」と感慨を抱きながら紀ノ川の谷を見下ろして一息ついたと思ったら、急転直下、転げ落ちそうな激坂を下って河根 (かね) の宿場に至り、それまで稼いだ高度がチャラになったかのような絶望を味わうことになります。その直後、脳天に激しいショックの雷が落ちるかのような凄まじい激坂登りが待ち受け、ヒィィ〜と悪戦苦闘を続けると、やっと神谷の集落に至って勾配が緩くなります。
 極楽橋駅は、そんな緩い勾配がしばらく続いてヤレヤレ気分で歩いて来た先にあり、撮り鉄休憩は本当にありがたいクールダウンのひとときでもありました。ここで気分をとり直して、ケーブルカーに乗らずに旧街道を登る頃には、標高ゆえに外気もひんやり。ついに真言密教の聖地に入るという清々しさと緊張感とともに山道をこなして行くと、やがてバス専用道と合流して女人堂に到着し、眼前に巨大な宗教都市が開けていったのでした。