地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ヤンゴン熱鉄記 (23) キハ40仙台色4連

2019-05-28 20:46:00 | ミャンマーの鉄道


 このたびは外務省のミャンマー担当専門職員の方が痛ましい事件に巻き込まれたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。拙ブログ管理人は直接面識ございませんが、落花生。様をはじめとして日本の対ミャンマー実務に従事されている皆様のご心痛はいかばかりかと存じます。日緬関係にとって大変な損失ですが、鉄道の全面改良をはじめとしたさまざまな協力案件の着実な進展を鉄ヲタのはしくれとして祈念申し上げます。



 いっぽう、RP誌の最新号には、いつもお世話になっております斎藤幹雄様のヤンゴン最新事情が掲載されていますが、今回衝撃を受けつつもある意味で納得したのは、ヤンゴン近郊で運用されているキハ40系列のプラ製ロングシート化です。あの高温多湿かつ客がいろいろ怪しい荷物を持ち込む環境にあっては、モケット張りのボックスシートは衛生面でも混雑緩和面でも難ありですので……。また、定期的な検査を徹底し、予備車を確実に確保するためにも、5両編成が4両編成に減車されているとのこと。
 というわけで、ヤンゴン環状線RBEの日常となっている仙台色4連を貼っておくことにします (ちょうど宮城特集を始めた折でもありますし)。ただ、下段窓が開いて快適なボックスシートの旅を楽しむのは、間もなくロングシート化完了に伴い過去のものとなりますので、5連といいボックスシートといい、思い立ったが吉日、行けるときに行かないといつの間にか変わってしまうという「東南アジア鉄の鉄則」は依然有効なようです。

宮城乗物縦断 (1) E721系1000番台

2019-05-27 23:28:00 | JR発足後の車両


 多忙のため、しばらく通常バージョンの更新が滞ってしまい、長らく当ブログをお楽しみ頂いている皆様には大変申し訳なく存じます。m(_ _)m 元号も変わったことですし、古い時代の書きっぱなし垂れ流しブログはフェイドアウトしてしまうのも一つの手ではありますが、とりあえずたまに時間があり次第、日常の鉄道風景をぼちぼち撮り貯め続けていることに変わりはありませんので、引き続きアップして行きたいと存じます。
 というわけで、この春に奥州街道「徒歩鉄」の続きとして、宮城県内を約5日かけて歩いた際の撮り鉄記録をぼちぼちと綴って参ります。まずは、仙台地区の今をときめくE721系1000番台です。



 今や仙台支社のE721系は、恐らく仙台色701系を上回る陣容を誇っているという印象の大所帯となっており、宮城・福島県内の東北線を利用する際に格別の快適さを提供しているように思われますが、とりわけ1000番台は4両固定編成で堂々とした見映えがするのみならず、ピンク帯もチャームポイントとなっており、最新車両ながら結構好感が持てます。
 そんなE721系1000番台、今回の旅ではまず福島から白石まで乗り (福島までは夜行バス利用)、快適なボックスシートから藤田~貝田~越河間の峠越えパノラマを満喫したほか、ちょうど桜満開ドンピシャとなった大河原~船岡の桜並木と合わせて激写し、これまた超定番な長町でも入線シーンを激写しました。帯のピンク色が桜の季節の鉄道風景を一層盛り上げているのが良いですね……。


秩父鉄探訪2019春 (4) 7001編成

2019-05-15 00:00:00 | 地方民鉄 (秩父)


 ここのところ東急田園都市線には立て続けに2020系の増備編成が入り、いつの間にか9編成となった結果、2020系どうしの緩急接続も珍しくなくなるなど、すっかり様相が変わりつつあります。ということは自ずと、8500系には当たりにくくなったことを意味しており、恩田送り・廃車となっている編成も少しずつ現れています。かくして、JAL破綻問題で大幅に先延ばしになっていた田園都市線の世代交代が、今度こそ確実に進みつつあります。元々分かりきっていた展開ですし、今や都心部で電車に乗りますと、8500系のギンギラコルゲートが圧倒的な昭和感を醸し出し、明らかに古い!と思わざるを得ませんので、8500系に出来るだけ長く活躍して欲しいと思いつつも、これは最早やむを得ないことと認識しております。むしろ、様々な裏事情にも助けられて (?) よくぞ今まで大量に残り続けたものだ、と言うべきでしょう。



 すると今度は、大量廃車が始まった8500系の去就ですが、より頑丈な非軽量鋼体車が集中的に製造されたのは早いもので40年前。最早大量譲渡の可能性は失われたと言わざるを得ないでしょう。KCJは今や武蔵野線205系5000番台にご執心ですし、世代が古い東急8500系については部品を追加購入する可能性が高くとも、まとめて編成を追加となるのかどうか……?? (扱いやすいという評価があるからこそ、一時はジャカルタ冷房車の一大勢力として極めて重宝されていたものですが)
 一方、オールステンレス車は腐らず、養老鉄道が7700系に今さら手を出したという衝撃の事例に則して言えば、車齢約40年の8500系にも、ひょっとするとまだ地方民鉄への譲渡があり得るのかも知れません。その際に、都営6000系あらため5000系の置き換え用として、秩父7000系が増備されるのか否か……。何の音沙汰もない中で妄想の極みかも知れませんが、長大な秩父鉄道で7000系に遭遇するチャンスは非常に少ないことに鑑み、少なくともあと1~2編成増えないものかと期待しているのですが……。(7500系や7800系でももちろん良いのですが、非貫通&下ぶくれ車体ばかりですとさすがに退屈 ^^;)


京釜線土砂降り鉄 (9) トングリ5000

2019-05-14 00:00:00 | 韓国の鉄道


 韓国という国は、最近の日本の世間一般で思われているイメージと比べれば遥かに多様で面白い国ですし、普通に真面目に日本との友好を願っている人も多いですから、もう余りグダグダ並べたくはないですが、少なくとも現政権が続いている間は、日本から何かのアクションを起こしても全て無駄でしょうな。現政権が言う「積弊精算」とは要するに、日本との関係でこれまで形づくられた繁栄や、その中で利益を得ることそのものを何かの間違いと考え、日本と協力して韓国を盛り上げようとした人々を「土着倭寇」とレッテル貼りし、日本の影響を全て消し去らずにはいられないという、まるで腐れ儒者の淫祠邪教論と同じ発想法であるわけですから。だったら今すぐ、渋沢栄一が中心となって建設された京釜・京仁線を「日帝残滓」として廃止し撤去しろよ、と。明らかに日韓基本条約後の経済援助で建設されたソウルメトロ1・2号線なども、忘れずにキレイさっぱり廃止して埋め戻すということで。



 というわけで、昨年夏に撮影したKORAIL京釜線画像の続き……VVVF車5000系改め311000系のうち「トングリ (丸型)」と呼ばれるグループです。5000系は車体構造からして、韓国版の205系5000番台と呼べるような車両であり (個人的偏見)、かつて2000年代に何度か撮影した際には抵抗制御車がまだまだ大量に活躍していただけにほとんど興味なし!な車両でした。しかし久しぶりに訪れてみれば、1000系後期車も既に風前の灯火で、九老の車庫の片隅で寝ているのを見かけこそすれ運用に入っている車両は見かけず、日本国内で武蔵野線205系5000番台に感動するのと同じく、自ずと5000系改め311000系も真面目に撮る対象となったのでした (汗)。とくに、新トングリ (下の画像) なんて全然興味なかったはずなのですが、今や普通にカメラを向ける気になったのは、日本でも似たような顔の車両が増えて違和感がなくなったためかも知れません。
 
 話題変わりまして、韓国の首都圏電鉄網はジワジワと拡大を続けているところですが、このたび京元線の電鉄区間の北端が逍遙山소요산から漣川연천まで延伸されることとなり、電化工事を速やかに進めるため、東豆川동두천から白馬高地백마고지までの全列車が4月から全面運休となっています。同区間においては当然のことながら代替バスが運行されていますが、ソウル近郊でディーゼルカー (CDC) に乗りたいという方は、漣川~白馬高地間の再開まで乗れませんのでご注意を……。ソウル駅と都羅山を結ぶDMZ列車は、CDCの観光列車改造バージョンで運行されていますが……。
 それにしても、電化工事をするために全列車全区間運休とは相当荒っぽい話ですが、たぶん単に電化をするだけでなく、対北協力をしたくてたまらない現政権の肝煎りで、京元線の少なくとも韓国側(電化しない漣川~月井里も含む)については、長大編成の貨物列車の運行に耐えるよう、ついでに路盤を全面改良しておきたいということなのでしょう。

斜光の上田2018春 (1) 丸窓7205編成

2019-05-12 10:25:00 | 地方民鉄 (甲信)


 琴電旧型車の廃車計画は誠に残念な話ではありますが、どうやら丸窓を復活させた300号のみ仏生山の入換機械扱いとなるようで、デカともども仏生山イベントの際のスター的存在として陳列されることになるでしょう。何とも有り難いことです。
 一方、丸窓といえば上田交通5250形ですが、この車両は既に引退してから33年……。本当に遠い昔となりました。それでも、全車静態保存されているのは奇跡的なことであり、それだけこの電車が長年塩田平の原風景として馴染んでいたのでしょう。
 そこで周知の通り、そんな5250形のイメージを引き継ぐ者として、上田電鉄では7200系と1000系に上田電鉄旧塗装と丸窓をラッピングし「まるまどりーむ」として走らせて来ましたが、7200系については昨年の春を以て廃車となり、1000系に後継を託しています。今般の琴電旧型車をめぐる報に接し、そういえば昨年3月末に長野日帰り遠征をした際の上田でのカットが未アップであったことを思い出しましたので (超滝汗)、引退間際の7205編成をアップしてみましょう。



 朝は長野駅で国鉄型車両を満喫し、午前中は長電、午後早い時間はしな鉄……という濃厚過密スケジュールをこなしつつ、最後の訪問地である上田に着いた後は、とりあえず下之郷へ。公開されている運用によると、7205編成は午後遅い時間から動き出して夕方のラッシュアワー (?) をこなすということで、これは間違いなく下之郷駅東側の側線に留置され撮りやすいだろうと判断したためです。果たせるかな……7205編成は辛うじて駅上屋の影が当たらず、最高に素晴らしいド順光の中で佇んでいました (*^^*)。そこでしばらく、同行していた甥っ子とともに2名だけの撮影会をエンジョイしたのち、いよいよ出庫で上田方に動き出し……とにかく連写連写連写! (笑) やっぱ7200系最高、紺白ツートンの上田交通色最高……ということに尽きます♪
 そこで精力を使い果たして力尽きるわけには行きません。下之郷駅北の踏切までダッシュして、今度は田んぼの脇のデコボコ道から後追いゲット! 鉄道撮影とはスポーツである、とはよく言ったものです……。
 その後は下之郷と別所温泉の間で夕暮れの電車風景を撮影し、別所温泉から7205編成に乗って上田駅に戻ったのですが、丁寧に木目模様がラッピングされ、5250形の車内イメージを再現した車内に心地よさを感じながら、「嗚呼……こうしてまた一編成、7200が消えてしまうのか」という惜別の情が湧かずにはいられないのでした。しかし、恐らく部品は豊橋か大井川に渡ったことでしょう。各地に散った同型車をより延命させるために、先に廃車になる車両がドナーとなる……最早超古典釣掛式電車のようなハンドメイドによる部品補充が効かない高度成長期以後の電車においては避けがたい運命なのかも知れません。