昨年秋に復活したスカブミ線は、日本製DCで運行されていた運休前は電車と同じボゴール駅の1or2番線から発車していたものですが、昨年7月にジャカルタ首都圏の電車が全面的にICカードの自動改札へと移行し、いっぽうスカブミ線の切符は他の非電化路線と同様に紙の切符であることから、完全な分離を意図してスカブミ線専用の単線ホームが新設されています。その場所は、ボゴール駅南側の大踏切からさらに線路沿いの路地を3~4分ほど歩いた場所……。何とも狭苦しい空間に、申し訳ばかりの駅舎と細いホームが設けられています。
しかし思うに、何故わざわざこんな駅にしなければならなかったのか。ジャカルタ市内からランカスビトゥンやプルワカルタに向かう鈍行列車の停車駅では、電車の出札口&自動改札とは別に、鈍行列車の出札口&単なる改札があり、あるいは自動改札しかない駅でも改札口担当のセキュリティ氏が鈍行切符を確認次第専用のカードで開閉してくれます。したがって、ボゴール駅だってこんな面倒臭い分離などやる必要は全くないはず……と思ったのですが、このたび電撃的に入って来たスルポン線ジャカルタ口鈍行全廃のニュースから、あくまでこのようなダブル・スタンダード的措置は暫定的なものに過ぎないということが分かりました (滝汗)。そういえば、ドゥリ駅にしてもパルンパンジャン駅にしても、鈍行用出札&改札は完全にやっつけな仮設またはボロボロの放置状態だったもんなぁ……。
ともあれ、こうして降り立ったスカブミ線用ボゴール駅(ボゴール・パレダン駅と呼ばれているようですが、切符の券面ではただのBogorです)、さすが雨の都と呼ばれているだけあって結構な雨が降っており、駅前も大踏切に向かう路地も水たまりだらけでした……。スカブミでは雨は降っていなかったことから、傘を持たず困り果てた人々が駅の屋根スペースに滞留し、折り返しのスカブミ行に乗る人も三々五々集まって、駅構内は陰惨な雰囲気となっていました。まぁインドネシアの場合は、激しい怒鳴り合いや押しくら饅頭などが発生するわけではないので別にイイですけどね……(客車+大雨+人混みの組み合わせを眺めると途端に、今から20年前に中国で貧乏旅行したときの凄絶な記憶が脳内にフラッシュバックします。土砂降りの京包線・集寧南駅にて、フフホト発北京行の硬座に無座で乗ろうとしたところ[寝台の切符手に入らず]、我先に乗ろうとするヤツと降りるヤツが土砂降りの中で10分以上怒号の押しくら饅頭……ええ、私も勿論巻き込まれましたとも。先下後上!のルールぐらい守れよ!……)。
をっと話題があらぬ方向に逸れて失礼。そんなこんなで雨降りしきる線路沿いの路地を大踏切方向に歩いて行くと、広大なボゴール駅が夜光に照らされており、あとは冷房電車に乗ってジャヤカルタまで1時間20分乗るだけ♪と一瞬気分が盛り上がります。しかし……ボゴール駅には昨年の訪問時に到達していないため2年ぶりの訪問で、自動改札化に合わせて完成した駅西側の新駅舎は初めての利用でしたので、まず大踏切から散々回り道をして新駅舎にたどり着き、やっとホームに出る……という面倒臭さに唖然としました (滝汗)。疲れておらず雨も降っていなければ別にまぁ構いませんが、朝3時台に起床して日帰り大周遊をして疲れた中、凄まじいアンコタやバイクをかわしながら雨中を歩くのは気分的にヘロヘロ……。
そんなこんなでホームに到達しても、新たなる大問題として……電車が1編成も停まってねぇ! (滝汗) ふつうボゴール駅には折り返し待ちの電車が複数編成ゴロゴロしているという認識なのですが、パクアン急行様に伺ったところではこの日のジャカルタ首都圏は昼前後から夕方まで、ただのスコールでは済まない凄まじい豪雨だったとのことで (このため、ボゴールまで雨に降られず大周遊をしていたのは偶然ながら大正解だったことになります)、その影響もあってダイヤがガタガタになっている模様……。そして、私が初めてジャカルタを訪れた5年前、夕方以後ボゴールからジャカルタに向かう電車はガラガラなのが当たり前でしたが、経済発展や都市化や電車利便性向上の結果のためか、いわゆる逆方向の利用者も増加の一途をたどっているようで、今度電車が入線するとアナウンスされた3番線には人人人……。但し、ほとんどの客は傘を持っていないために屋根の下のみ凄まじい混雑となっており、ホームの屋根無し部分は余裕♪でしたので、私は傘を差してジャカルタコタ行の入線を待ったのでした。今回の訪問では、活動3日目にして未だに東急に乗っていないことから、東急が来ると良いなぁ……などと思いながら。あるいは、既に疲れていて、かつ湿気もムンムンでヘロヘロであったことから、クーラーの効きが良いJRorメトロでも構わんぞ……ということで。
ところが、こういうときに限って、呼びもしないのにやって来るのが都営6121F! いや勿論、都営6000そのものはキライではありませんし、とりわけ6121Fといえばジャカルタ初訪問時に濃紺帯のカッコ良い姿に激しく感動した思い出の車両です。しかし……とにかく都営6000といえばクーラーの効きが悪いという印象。最悪の場合、冷風ではなく温風を吹いており、客がツラそうにしているという事態もあります。最近はクーラーを換装してクーラーの効き具合が劇的に上がった車両もありますが (いずれご紹介)、とにかく激しい鉄活動のあとで疲れたときにはご遠慮蒙りたい存在です。
しかしまぁ、ダイヤがガタガタな中、これに乗らなければ今度はいつジャカルタ・コタ行が来るか分かりませんし (直後にやって来たメトロ6000は環状線直通)、東急を待っていてもこれだけ「JRボゴール線」化が進んでしまった中では、1時間待っていても来ない可能性もあります (実際、すれ違う列車を確認し続けたところ……デポックの先まで東急とは遭遇しませんでした……滝汗)。というわけで、諦めて6121Fの席取り合戦に参加! すると、6121Fは最近検査を受けた際に車内が大幅にリフレッシュされ (明るいクリーム色の化粧板+ブルーのモケット)、クーラーの効きも以前よりはマシになっています (換装したかどうかは分かりませんが)。というわけで、205系が激増する中、ジャカルタに移籍して10年以上経った都営6000は廃車ではないか、という説がしばしば流れますが、とりあえずKAI・KCJは抵抗制御の都営6000を後生大事に使いたいらしいということが分かります。その一方で、猫バスが離脱しているのは気になりますが……(復活前提の休車か、廃車前提の放置かは分かりません)。
というわけで、ボゴールから約1時間半で、宿があるジャヤカルタに到着! 最高にお腹いっぱいな西ジャワ鉄ヲタ大周遊の無事成功を祝して、是非ビールを飲みながらのメシにしたいと思いまして、ここ1年の間に新たにオープンした駅前の小ホテルの1階にある四川料理店「王府飯店」に初めて入ったところ、コックは中国人、従業員はインドネシア人ということで、なかなか気合いの入った味の水餃子がマジウマ! もちろんビル・ビンタンも激しくウマー! しかも嬉しいことに、この店に置いてあるビンタンビールは缶でも小瓶でもなく大瓶 (ボトル・ブサール) であり、とにかくガーッと飲みたい気分にジャストフィット! この店はサービスも御値段もリーズナブルでしたので、今後の訪問時に愛用することになりそうです……(初訪問時から一昨年まで、ゴンダンディア駅前の中華料理屋「ランデヴー」を愛用していたのですが、昨年訪れた際には何度ゴンダンディアで途中下車しても営業しておらず……。それに味もゴンダンディアよりはジャヤカルタの方が良いので♪)。とくにジャヤカルタ駅界隈は庶民の下町ということで、それなりに小綺麗なレストランが不毛だという印象がありましたので……(宿のレストラン以外で一番まともなレストランが、安いパダン料理店しかないという……。まぁこのパダン飯も美味いのですが、如何せんビールが無い。では、マンガドゥアのモールにあるフードコートはと申しますと……鉄ヲタ活動を終えて帰って来る頃には閉店 -_-;)。
というわけで、怒濤の西ジャワ日帰り鉄ヲタ大周遊記、ご覧頂き誠にありがとうございました m(_ _)m 皆様の趣味生活には何ら足しにならないでしょうが……(笑)。
なお2枚目の画像は……6121Fをド順光で撮ったのは1枚しかないため、別の編成です。スミマセン。この編成、先頭車側面の新番号 (K1 1 00 44) は辛うじて読み取れるのですが、旧番号が分からん……(滝汗)。