地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

斜光の上田2018春 (2) 別所温泉にて

2019-11-17 10:07:00 | 地方民鉄 (甲信)


 台風19号による甚大な被害からの復興はまだまだ緒についたばかりですが、鉄道については少しずつ運行再開の報が聞かれるのは喜ばしいことです。関係者の皆様の尽力に敬意を表したく存じます。
 そんな中、下之郷〜別所温泉間での折り返し運転となっていた上田電鉄の運行区間が、城下〜別所温泉に拡大したのは喜ばしいことです。下之郷まで代行バスの場合、集客ゾーンと渋滞発生ゾーンが重なって、上田から別所温泉まで約1時間を要しましたが、これが千曲川渡河のみ代行バスですと約40分に短縮されますので、利用客にとって大いなる福音でしょう。



 今後は、果たしていつ千曲川に再び鉄道橋がかかるのか、あるいはかからないのか、ということに焦点が移ることになりますが、これだけの激甚災害ですので、堤防の再構築全般とからめて事業化が順調に進むことになるでしょう (と期待しているのですが……)。そして、またそのうち上田を再訪して、出来れば別所温泉に泊まってのんびりしてみたいものです。
 というわけで、1年半以上前に訪れて以来アップしそびれてきた、午後から夕暮れ時の上田画像のつづきとして、別所温泉に佇む5252と現役電車のコラボシーンをアップしておきます。5252が安置されて久しいこの空間が、かつては昼間クハやサハを留置しておくスペースであり、とりわけぶら下がりサハの前後を変えるために、この側線を使って極めて原始的な手法による入換が行われていたことを知る人は、アラフィフ以上のヲッサンに認定です (RP誌1984年4月増刊「甲信越・東海地方の私鉄」特集に、その手法が載っています)。それほど昭和は遠くなりにけり……でしょうか。

鉄コレ長電8500系、これらの編成も宜しく

2019-09-17 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 数年前の一時期、鉄コレの東急8500系及び他社譲渡バージョンが次から次へとリリースされていたものですが、本家8500系については「先頭1両・中間2両を単に買い増すだけでは完全な編成を再現できない」という批判が巻き起こったり、秩父7001編成や長電8503編成がせっかく発売されても多く作りすぎたため、その後しばらく叩き売りアイテムの運命をたどったり……。総じて、出るべきものが適切に売れることで、さらなるバリエーション展開へとつながることを期待する向きには、何とも悲しい流れとなっていたのを思い出します。



 しかしここに来て、鉄コレ長電8500系について、正面パーツの形態改良を施したうえで、現在鉄道むすめラッピングを施している編成 (T2編成) と通常編成 (T4編成) を発売するようです。鉄道む○めは要らんとして……T4編成が前作のT3編成と比べてどのくらいブラッシュアップされているのか、と思うにつけ、やはり散財しなければならないのか、と思い始めています。
 とは言え、前作のT3編成と、今度出るT4編成では、正面パーツの改良という点を除けば大きな違いがあるわけではないのも事実です。私を含め、既にT3編成を持っているヲタにとって、これほど損な話もなかろうというものです。そもそも長電8500系の陣容を考えるにつけ、いっそう明確な個性を持つ編成として、白HゴムのT1編成やアンチクライマーを増設したT5編成、そして謎顔非貫通のT6編成といった存在がありますし、数年前の東急8500系鉄コレ化の当初からこれらの編成のバリエーション展開を求める声があったはず (少なくとも私は熱く希望しておりました)。したがって、今般の正面パーツ改良でお茶を濁すことなく、少なくとも白HゴムのT1編成についてもリリースして頂きたいところですし、アンチクライマーのモールドを施したT5編成、そして非貫通T6編成へとつなげて頂きたいところです。喜んで散財致しますので……(笑)。


斜光の上田2018春 (1) 丸窓7205編成

2019-05-12 10:25:00 | 地方民鉄 (甲信)


 琴電旧型車の廃車計画は誠に残念な話ではありますが、どうやら丸窓を復活させた300号のみ仏生山の入換機械扱いとなるようで、デカともども仏生山イベントの際のスター的存在として陳列されることになるでしょう。何とも有り難いことです。
 一方、丸窓といえば上田交通5250形ですが、この車両は既に引退してから33年……。本当に遠い昔となりました。それでも、全車静態保存されているのは奇跡的なことであり、それだけこの電車が長年塩田平の原風景として馴染んでいたのでしょう。
 そこで周知の通り、そんな5250形のイメージを引き継ぐ者として、上田電鉄では7200系と1000系に上田電鉄旧塗装と丸窓をラッピングし「まるまどりーむ」として走らせて来ましたが、7200系については昨年の春を以て廃車となり、1000系に後継を託しています。今般の琴電旧型車をめぐる報に接し、そういえば昨年3月末に長野日帰り遠征をした際の上田でのカットが未アップであったことを思い出しましたので (超滝汗)、引退間際の7205編成をアップしてみましょう。



 朝は長野駅で国鉄型車両を満喫し、午前中は長電、午後早い時間はしな鉄……という濃厚過密スケジュールをこなしつつ、最後の訪問地である上田に着いた後は、とりあえず下之郷へ。公開されている運用によると、7205編成は午後遅い時間から動き出して夕方のラッシュアワー (?) をこなすということで、これは間違いなく下之郷駅東側の側線に留置され撮りやすいだろうと判断したためです。果たせるかな……7205編成は辛うじて駅上屋の影が当たらず、最高に素晴らしいド順光の中で佇んでいました (*^^*)。そこでしばらく、同行していた甥っ子とともに2名だけの撮影会をエンジョイしたのち、いよいよ出庫で上田方に動き出し……とにかく連写連写連写! (笑) やっぱ7200系最高、紺白ツートンの上田交通色最高……ということに尽きます♪
 そこで精力を使い果たして力尽きるわけには行きません。下之郷駅北の踏切までダッシュして、今度は田んぼの脇のデコボコ道から後追いゲット! 鉄道撮影とはスポーツである、とはよく言ったものです……。
 その後は下之郷と別所温泉の間で夕暮れの電車風景を撮影し、別所温泉から7205編成に乗って上田駅に戻ったのですが、丁寧に木目模様がラッピングされ、5250形の車内イメージを再現した車内に心地よさを感じながら、「嗚呼……こうしてまた一編成、7200が消えてしまうのか」という惜別の情が湧かずにはいられないのでした。しかし、恐らく部品は豊橋か大井川に渡ったことでしょう。各地に散った同型車をより延命させるために、先に廃車になる車両がドナーとなる……最早超古典釣掛式電車のようなハンドメイドによる部品補充が効かない高度成長期以後の電車においては避けがたい運命なのかも知れません。

長電3500系O6編成、須坂中線放置の頃

2019-03-09 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 長電鯨3500系の非冷房O6編成は須坂~屋代間の廃止で職を失ったのち、長らく須坂駅の中線で放置されていましたが、NAGADENロゴと赤帯を消して日比谷線時代を彷彿とさせる姿は、須坂駅を訪れる多くのヲタにとって限りない懐旧の情と癒やしをもたらし続けるものであったかと存じます。しかしついに先日、O6編成の解体を前にしたさよならイベントが開かれ、両側を現役鯨編成に挟まれて有終の美を迎えたとか。私は仕事山積でしたので参加していませんが、今はただ昨年3月末に撮影した画像を掘り返しながら、しみじみと感慨に耽るのみです。
 放置車両をいま解体するということは、そろそろ別の車両を導入するために場所を空けるということでもあり、果たしてどんな車両が鯨の後継になるのでしょうか?? やはり無難にあの車両……??



 それはさておき、鉄コレ長電鯨も3500系冷房車に加えて3600系L2冷房車がリリースされ、どちらにしても鉄コレらしいシャープな造形なのは本当に好ましいですね☆ 同梱ステッカーには「特急湯田中」もあるということで、思わずもう1編成買い足してしまいました……(笑)。もっとも、ここのところ余りにも忙しすぎたため、N化改造はまだ全く手を付けていないのですが (汗)。
 そして、鉄コレ長電鯨は概して好評だと思われますので、そのうち非冷房車も必ずリリースされることでしょう。嗚呼何という泥沼……(^^;;)。
 長電鉄コレは運輸省標準型1000/1500、2000各種、鯨、8500といろいろ揃ってきましたので、是非蛙についてもマイクロに限らず鉄コレも出るべき頃合かと考えますが、果たしてどうなることやら。


富士急5000系、本日で引退・保存へ

2019-02-23 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 富士急の車両は長年、自社発注車と国鉄JR・小田急・京王からの譲受車が並存していましたが、自社発注車は1980年代に3600形、1990年代に3100形が廃車となって以来、115系の民鉄2扉バージョンとも呼ぶべき5000系が孤軍奮闘する状況が続いてきました。とりわけ中央東線から115系が撤退してからは、いくらトーマス化されてしまったとは言え、古き良き中央線ボックスシートの旅風情を感じさせる車両として貴重な存在でしたが、そんな5000系も早いもので新造から44年、ついに老朽化と、2両では全然足りないほどの外国人観光客激増の波が重なったことで、本日を以て引退することとなりました。険しいカーブと急勾配が続く富士急での車生を全うするということで、本当にお疲れ様でした……。



 富士急公式HPによりますと、今後は再整備のうえ下吉田駅に保存されるとのことですが、果たして1両か、それとも2両か……。標準塗装とトーマス各1両の保存ならベストでしょうが、元165系の2000系も、パノラマ顔のフジサン特急イラスト車が1両保存されているのみですので、まぁトーマスを1両だけでしょうか。それでも、なかなかロケーションが良い下吉田駅にて保存されるだけ幸運であると言えましょう。そして当面の焦点は、2000系との位置関係でしょうか。並びになるのか、縦列か、それとも14系の北側になるのか……。並びであれば結構感動的なのですが、その場合には2000系の位置も少々いじることになるでしょうか。
 そういえば、以前5000系の鉄コレが量販店で塚になっていた頃、余分に買って塗装を剥がし、スカ色を塗ろうと画策していたのですが、全く未完成のまま放置しているのを思い出しました。今般の引退を機に、また手がけてみようかと思うのですが、思うばかりで時間がないのもまた実情です (トホホ)。