地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ヤンゴン熱鉄記 (29) 赤い三陸2連

2015-11-29 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ミャンマー国鉄は今後、日本の援助によりヤンゴン環状線の面目を一新し、最新鋭の電気式DMUを運用するとのことで、そこからさらに地下鉄やら空港鉄道やらの建設・営業に向け、電気を使う車両のノウハウを蓄積して行くようですが、それに先立つはじめの一歩としての意味を兼ねて、ヤンゴン臨港線(カンナー通り線)を電化し、広島電鉄の電車を運行するはこびとなっています。既にネットを介して、ブルーの濃淡に塗られてワダン貨物駅に新設された電留線に佇む広電3000形改めTCE3000形の美しい姿を目にすることが出来、2年半前に初めてヤンゴンを訪れたときに目にした臨港線の終わっている雰囲気を覚えている者としては、まさに浦島太郎気分であります (笑)。
 もっとも、この電化に先立ち、ミャンマー国鉄は臨港線の軌道をやっつけで再整備し、一部低床の乗降場を設けるなどして、昨年の今頃から旅客営業に乗り出していました。そこで抜擢されたのが、何と三陸36形2両 (予備としてイセ1両) ! みちのくの潮風に吹かれ、たまに仙台に顔を出す他はローカル輸送に終始していた車両が、大英帝国の栄華を偲ばせる併用軌道を走るかと思えば、住宅街の谷間の線路敷がジャングルさながらの緑に包まれている中をそろりそろりと進むということで、瀕死とばかり思っていた臨港線の余りにも意外な起死回生ぶりに、思わず腰を抜かして超メロメロ! そこで、今年3月の再訪時には、臨港線で三陸に乗って撮ることも最優先課題となったのでした。



 訪問時における三陸車の具体的な運用は、以下の通りでした。
*朝6時台に常駐先のマラゴン機関区から2連で出庫したのち、起点のパズンダウンで車掌を乗せて営業運転入り。
*大英帝国の残り香が漂うパンソーダン(対岸への渡し場)まででは2連で走行、到着後単行×2に分割。
*臨港線の東側と西側で日中機織り。
*夕方、再びパンソーダンで2連に組み直し、パズンダウン、そしてマラゴンに帰って終了。
……このため、東西を通し乗りたい場合には、基本的にパンソーダンで乗り換えを強いられていましたが、ミャンマー国鉄としては「まぁそんな通し乗るヤツはいない」と思っていたのでしょう。
 しかしその結果、ただでさえ完全な港湾地区である西側では客が乗らず……。そしてそもそも、途中の交換設備が全く存在しないため、本数が1~2時間に1本と極めて少なく、沿線住民にとって決して使い勝手の良い乗り物ではないため、当初の物珍しさが過ぎ去ると朝と夕方以外は客いねぇ……。
 その後パンソーダンでの系統分割は中止され、全線を単行で運行することとなりましたが、運転間隔も滅茶苦茶開くことになってしまいました。そして去る9月中旬以降、電化工事のため運休……。
 というわけで、三陸36形がヤンゴンの下町や港湾地帯をチンタラ走るという奇想天外な展開はあっという間に終わってしまいましたし、とりわけ2連運行は短期間の流れ星的な存在となってしまいました。これだから、アジア諸国での鉄活動はまさに紙一重の一期一会。あるシーンが目の前にあれば、それを当たり前と見なさずに、逃さず味わい尽くしておくことが肝要というものでしょう……。そして今回、そんな2連をほぼ貸し切りに近い状態で楽しみ (リンスダウン~パンソーダン間は他の客が乗ってきた)、駅で激写することが出来たのは、本当に余りにも貴重な思い出となりました☆
 ちなみに2枚目の画像は、パズンダウンからパンソーダンまで2連に乗っている途中に撮影したものですが、何故こんなにも大胆に下車して撮っているのか……?! 理由は簡単。踏切を完全に閉めて動き出すまで2~3分間、脇の軽食屋から乗務員用の朝の弁当と茶を積み込むために運転停車していたのです (笑)。あと、画面右の土嚢が、プラットホームの代わり……(^^;

石油元売り大合併の報に寄せて・神奈臨浮島線

2015-11-28 00:00:00 | 貨物列車 (神奈臨)


 寒さが本番となれば、石油タキの繁忙期……ということで、最近新聞の経済面をつらつら眺めておりますと、JX日鉱日石と東燃ゼネラルの合併話がホットな話題となっていましたが、長期的に見た少子高齢化や、製造業における天然ガスや各種クリーンエネルギーへのシフト、自動車エネルギーの電気・水素電池への移行等々ゆえに、石油業界が頭打ちになるのを見越してのことなのでしょう。すると、需要減は製油能力の余剰を意味するわけで、両社の製油所を統廃合する、という話も取り沙汰されているようです。そこで首都圏在住鉄ヲタの視点から非常に気になるのは、果たして製油所の再編が既存の石油タキの運行体制にどう影響するのか、ということです。
 とくに、JX日鉱日石は根岸から日々膨大な量をJOT緑タキで発送しており (しかも冬の繁忙期突入で土日も結構な頻繁運転)、いっぽう東燃ゼネラルは浮島町からOT青タキでそれなりの量を発送しているわけで、両者を足すと根岸の発送能力を超えるということであれば、根岸・浮島町ともども存続することになると思われますが、もし首都圏の二大石油タキ拠点を両社合併によって統合するとなれば、切られるのは多分浮島町……。



 そうなると、一大荷主を失ってしまう神奈臨浮島線は一体どうなってしまうのか、僅かにゴミコキとJOTメンテナンスセンターに出入りする空タキ、そしてごく稀にシキが入るだけの、千鳥線に近い零細路線になってしまうのではないか……という悪い予感が脳裏をよぎります。従来の青タキの存在感ゆえに「そんなバカな」と思われる方もおられるでしょうが、かつて結構賑わっていたはずの浜川崎(昭和駅手前で鶴見線から分かれて製油所へ)のヤードが今や、石炭ホキが1日1往復(あと特定の運転日に米タンが)出入りするだけの超閑散状態となっているのを悲しい思いで眺めているヲタとして、何とかこの製油所(とりわけ石油タキ拠点)統廃合の波が根岸と浮島町の両者を襲わないよう願うばかりです。
 いっぽう、JXグループと東燃ゼネラルが合併するのであれば、石油タキの受け皿もJOTとOTで分かれている必要はないわけで、規模からしてJOTがOTを吸収合併……というのもあり得るような気がします。すると、短期的にはOT青タキがこぞってJOTマークを付けることになるでしょうが、長期的には全て緑に塗り替えられることでしょう。というわけで、製油所の統廃合が起こらなくても、従来の石油タキシーンには必ず何らかの変化が起こることから、JRF罐と神奈臨罐のいずれが牽くにせよ、純粋に青くくすんだ編成を撮るのは今のうち、といったところでしょうか?!

 ちなみに、今回の画像は、このブログを始めた前後の10年以上前に撮影したカットを久しぶりに引っ張り出して、最新のPhotoshop LEで再レタッチしたものですが、12号機は今やスマラン近郊の工事用罐となり、15号機は総合車両のオレンジ罐に……。時間の流れは実に早いものです。この頃は出退勤ついでに、頻繁に川崎界隈に寄り道していたものですが、その後業務多忙になるにつれ、すっかりご無沙汰になってしまった……(@_@)。ここ2~3年、神奈臨で撮るとすれば、川崎大師で初詣するついでだからなぁ~(滝汗)。


 浮島橋から千鳥線を望む。ラテックスタキ1車のみぶら下げてトボトボ走る、寂寥の光景……。


西武バス感謝祭訪問記 (1) ヤマノススメバス

2015-11-26 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 先日西武4000系の画像をアップした際に、私のココロはにわかに西武にメロメロ、何故なら、登山趣味の延長で、飯能を聖地とする『ヤマノススメ』にハマってしまったから……と記しましたが、そんな一言をご覧になった読者の「にがうり坊」様から、極めてタイムリーな情報を頂きました。何と……三連休初日の21日に、西武バス飯能営業所にて感謝祭=ヲタ祭りが開催され、国際興業バスのヤマノススメ・ラッピングバスも友情出演するとは! しかも天気予報によると、三連休は初日のみ好天という……。
 当初は、はかどらない仕事を自宅に持ち帰って悶々と処理するつもりでいたのですが、それは精神衛生上宜しくないわけで、行かないで後悔するよりも行って後悔した方が良いと判断 (→この結果、現在火の車。今後しばらく更新頻度はさらに下がります……)。そこでまずは朝から聖地飯能巡礼をこなした後 (いや~景色も良く最高!)、10時半に飯能駅南口からヲタ満載の西武バス・美杉台ニュータウン行に乗りまして、勇躍ヲタ祭りに参戦したのでした♪



 すると、11時からの撮影会の際にちょうどド順光になるように、一般車各種がズラリと並べられており、実に壮観! とりわけ、秩父エリアを管轄する西武観光バスご自慢の『あの花』ラッピングバスが2台並んでいる横に、ををっ!ありました、ヤマノススメ痛バスが……!! (あおい&ひなたコンビがカワイイっす……*^O^*)
 そして間もなく撮影会開始!! 単に係員氏の呼びかけで、来客全員がバスから離れるのみで、ロープの類いは一切張られなかったため、たまにガキ、じゃなくてお子様が突如乱入したり、あるいはもっと近寄りたいと思った中坊が一気に前に出るとそれにつられて他の人も一気に前に出て、引き気味に撮ろうという意図が一瞬にして崩れる……という波乱もありましたが、30分確保して頂ければ、誰もが同じバスの前に張り付いて殺気立つということは一切無く、とにかくヤマノススメ痛バスをはじめ激写しまくったのでした♪ 
 いや~、鉄道車両も含めて、ラッピングされた車両をここまで必死に撮ったのは生まれて初めてですし、エルガをここまで一生懸命撮ったのも初めての経験です……(^^;)。うーむ、オッサンになって以来、ここまでマンガ・アニメとその人物に入れ込んでしまったのは初めてですぅ……。
 30分間の撮影会で脳内が闘いきった充実感に満たされたあとは、いよいよ車内へGo! 椅子の裏側や車内広告欄はもとより、天井など何かを貼りうるスペースには全てヤマノススメの登場人物がいらっしゃるという、国際興業&飯能市の凄まじい気合いを感じずにはいられません……。とりわけ、あおいちゃんがこちらを見ているとしか言いようのないところに座りますと、何とも言えない幸せな感情に陥らずにはいられないのでした……(*^^*)。
 というわけで、本日から当ブログは、萌え系サブカルブログに変わります (→うそ。んなわけない ^^;)。なお、車内の様子を多少、↓に掲載することにしますが、このバスの車内&側面の全貌につきましては、いつもお世話になっております「ぱれっと」様のブログをご覧下さい~。

 何はともあれ、情報をご教示下さった「にがうり坊」様には、重ね重ね御礼申し上げます m(_ _)m もう1台の「ヤマノススメバス」も撮らねば……。


ドアのない側はこんな感じ~。



主要メンバー4名の中でも、あおいちゃん (右から2番目) のカワイさは別格! (異論は認めます)
かわいいのに孤独で根暗で、そのくせ悔しがり屋の意地っ張りで……。でも次第に登山を通じて覚醒し、他者と打ち解けて行く。
私自身、煮ても焼いても食えない根暗な青二才だったのが、やがてバックパッカーや登山を通じて他者と世界へ目を見開いていったのを思い出し (私はイケメンでも何でもないゲス野郎ですが)、どうしても感情移入してしまうのです……(大袈裟かも知れませんが)。



飯能河原って本当にこんな景色で、訪れてほっこり♪

京都の紅葉は最盛期へ・叡電900形きらら

2015-11-24 00:00:00 | 地方民鉄 (近畿)


 9月の北海道大雪山からゆっくりと進んできた紅葉前線は、去る連休に関東の低山にも達し、京王が温泉を始めたことでも話題沸騰の高尾山では壮絶な阿鼻叫喚になったことが、各種のネット画像からも分かります (混むと分かっていれば誰がこんなところに行くかいな……^^;)。そして、紅葉と言えば京都。ただでさえ混み合うところが、昨今の外国人訪日ブームに伴い、京都の街はオフシーズンという言葉が完全に死語になっていると思えるほど大賑わいなわけで、今後12月上旬にかけて、とくに土日を中心に泥沼怒濤の大混雑になるのでしょうか……(滝汗)。でも、そんな東山一帯に線路を延ばしている京阪グループはウハウハではないでしょうか?!



 というわけで、そんな京都の秋を象徴する電車として、叡電の「きらら」900形をアップしてみることにしましょう~。
 今さら詳論するまでもなく、鞍馬線の紅葉を最大級に満喫するためのスペックを装備した900形は、ローカル私鉄の普通運賃のみで乗れる車両としては最も豪華な部類に属すると言えましょう。しかし……個人的には未だ乗ったことはありません (滝汗)。なかなか叡電を訪れる機会がないうえに、自分が乗ろうとしたときに上手く来るわけでもなく……。観光シーズンピークの土曜休日であれば必ず2編成とも来ると思われますので、待てば必ず1時間以内に乗ることが出来るでしょうが、混みそうな日に叡電に乗りに行きたいとは全く思いませんので、結局は「撮ったことはあるけど乗ったことはない車両」の座を私の脳内で占めることになりそうです (^^;;)。まぁ、個人的には虚飾が全くない800形の方がもっと好きですので……(負け惜しみ。笑)。

バゴー地区の「軽便」LRBEの旅 (4)

2015-11-22 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ニャウンカシー駅で発車を待つ。(画面右が駅舎)



 アビャ駅で長時間停車中~。



 大樹に囲まれた駅とマッチ箱のような編成の対比♪



 すっかり日も傾いたバゴー駅に到着! お腹いっぱい♪

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 緑に包まれた田舎町ニャウンカシーで約2時間弱、方向転換と休息をしたLRBE編成は、午後2時にバゴーへ向けて発車します。真昼の灼熱の太陽に晒され続けてカラッカラに乾いた大地をヘロヘロと進んで行くと、やがてモウラミャイン方面からの立派な (?!) 線路が迫って来ますが、私のことを鉄ヲタだと分かりきった車掌氏が「ほら、あっち見ろよ」と一言。すると……オレンジ色のDF1600に牽引されたモウラミャイン発ヤンゴン行の急行が猛然と、車体を激しく上下左右に揺さぶりながら接近し、やがて並走区間であっという間にLRBEを追い抜いて走り去ってしまいました。あ~あ、この先アビャ駅でLRBEと連絡してくれれば、ヤンゴンには夕方5時頃着くのになぁ~(笑)。
 こんなことを思っていると、やがてLRBEはアビャ駅に到着。「しばらく停まっているので、写真取り放題だよ」と車掌氏が教えてくれましたので、その通りにパチパチ撮りまくったものの……やっぱり午後2時台はまだまだ暑い……。というわけで、通票代わりの運行許可書が発行されるまで、しばし駅事務室内にお招き頂き涼みました。(結構ひんやり。ちなみに、通過列車に運行許可証を渡す際には、日本のタブレット閉塞時代と全く同じ要領でキャッチャーを使います) とはいえ、対向列車が来るわけでもなく、結局20分ほどムダに長時間停車しただけで再び発車~。恐らく、モウラミャインからの急行がある程度遅れることを見越して、余裕のある通過待ち時間を設定しているのかも知れません。鈍足なLRBEを先に発車させて、すぐ後に急行が追いついてしまうということではイカンですから……。
 このあとは、往路と同じく各駅及び各停留所に丹念に止まり、少しずつ客を拾って行きましたが、最早一刻も早く日が傾いて夕風が吹くのを待つ……という感じで、車内全体がけだるい雰囲気に。私も、轟音を上げてガタピシ揺れながら健気に走るLRBEに身を任せてぐったりしつつ、乾いた大地に次第に斜光線が満ちて行くのを眺めていたのでした……。
 というわけで、夕方4時半前に無事バゴー着! このあと再び宵の口にニャウンカシーに向かうまで、LRBEはクラの中に戻り (いつ動き出すか分からなかったため、見届けてはいません ^^;)、LRBTは「定位置」で惰眠をむさぼることになります。というわけで、けだるい表情の他の客ともども、私も英領の頃のまま時間が止まったようなバゴー駅舎から外に出まして、ひとしきり国道を歩いて (→フツーはバイタクに乗る。^^; でも、駅前商店街、そして国道の陸橋からのバゴー駅展望をゆっくり眺めてみたかったのです) ヤンゴン行きのバスだまりに向かったのでした。
 ちなみに、この日は締めも完璧でした♪ バス (運賃1000ks) は猛スピードで走って約1時間15分でインセイン東のバスターミナルに着き、そこから数分タクシーに乗ってインセイン駅へ。すると、そこには始発のキハ181編成が待ち構えておりまして (ちゃんと計算した。笑)、冷房がギンギンに効いたキロにゆったりと座りながら (^o^ v)、最高に楽しいバゴーLRBE三昧の一日の余韻を味わったのでした……♪♪
 というわけで、三度目の正直のバゴーLRBE乗車記はおしまい。大いにお世話になった乗務員・駅員の皆様には、この場ながら心より御礼申し上げます m(_ _)m LRBEの時代がもう長く続かないのは残念ですが、今後一層車両面・設備面でブラッシュアップされ、ニャウンカシー鈍行が末永く利用者に愛されることを祈念しております (とゆーか、日本中古RBEになったら是非また乗りに行きたい♪)