寒さが本番となれば、石油タキの繁忙期……ということで、最近新聞の経済面をつらつら眺めておりますと、JX日鉱日石と東燃ゼネラルの合併話がホットな話題となっていましたが、長期的に見た少子高齢化や、製造業における天然ガスや各種クリーンエネルギーへのシフト、自動車エネルギーの電気・水素電池への移行等々ゆえに、石油業界が頭打ちになるのを見越してのことなのでしょう。すると、需要減は製油能力の余剰を意味するわけで、両社の製油所を統廃合する、という話も取り沙汰されているようです。そこで首都圏在住鉄ヲタの視点から非常に気になるのは、果たして製油所の再編が既存の石油タキの運行体制にどう影響するのか、ということです。
とくに、JX日鉱日石は根岸から日々膨大な量をJOT緑タキで発送しており (しかも冬の繁忙期突入で土日も結構な頻繁運転)、いっぽう東燃ゼネラルは浮島町からOT青タキでそれなりの量を発送しているわけで、両者を足すと根岸の発送能力を超えるということであれば、根岸・浮島町ともども存続することになると思われますが、もし首都圏の二大石油タキ拠点を両社合併によって統合するとなれば、切られるのは多分浮島町……。
そうなると、一大荷主を失ってしまう神奈臨浮島線は一体どうなってしまうのか、僅かにゴミコキとJOTメンテナンスセンターに出入りする空タキ、そしてごく稀にシキが入るだけの、千鳥線に近い零細路線になってしまうのではないか……という悪い予感が脳裏をよぎります。従来の青タキの存在感ゆえに「そんなバカな」と思われる方もおられるでしょうが、かつて結構賑わっていたはずの浜川崎(昭和駅手前で鶴見線から分かれて製油所へ)のヤードが今や、石炭ホキが1日1往復(あと特定の運転日に米タンが)出入りするだけの超閑散状態となっているのを悲しい思いで眺めているヲタとして、何とかこの製油所(とりわけ石油タキ拠点)統廃合の波が根岸と浮島町の両者を襲わないよう願うばかりです。
いっぽう、JXグループと東燃ゼネラルが合併するのであれば、石油タキの受け皿もJOTとOTで分かれている必要はないわけで、規模からしてJOTがOTを吸収合併……というのもあり得るような気がします。すると、短期的にはOT青タキがこぞってJOTマークを付けることになるでしょうが、長期的には全て緑に塗り替えられることでしょう。というわけで、製油所の統廃合が起こらなくても、従来の石油タキシーンには必ず何らかの変化が起こることから、JRF罐と神奈臨罐のいずれが牽くにせよ、純粋に青くくすんだ編成を撮るのは今のうち、といったところでしょうか?!
ちなみに、今回の画像は、このブログを始めた前後の10年以上前に撮影したカットを久しぶりに引っ張り出して、最新のPhotoshop LEで再レタッチしたものですが、12号機は今やスマラン近郊の工事用罐となり、15号機は総合車両のオレンジ罐に……。時間の流れは実に早いものです。この頃は出退勤ついでに、頻繁に川崎界隈に寄り道していたものですが、その後業務多忙になるにつれ、すっかりご無沙汰になってしまった……(@_@)。ここ2~3年、神奈臨で撮るとすれば、川崎大師で初詣するついでだからなぁ~(滝汗)。
浮島橋から千鳥線を望む。ラテックスタキ1車のみぶら下げてトボトボ走る、寂寥の光景……。