地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

南海高野線徒歩鉄 (6) 学文路にて

2020-08-17 13:02:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 とにかく暑い。山奥にこもって涼みたいところです。そんなとき、標高700m以上の山中に忽然と広がる涼しい宗教都市・高野山を徒歩で訪れた昨年の夏を思い出します。
 というわけで、その際の画像の続きです。高野街道は橋本界隈でひとしきり紀ノ川に沿って進み、道の両側には如何にも関西の旧街道という雰囲気の豪勢な民家が建ち並んでいますが、山道に入るにあたりいくつかのルートに分かれます。今回は最もダイレクトな (?) 京・大坂道を選択したのですが、その京・大坂道は学文路駅の東にある踏切を渡った後、一気に激しい登り坂となります。その前に少々、学文路駅に寄り道してみました。



 学文路駅は本邦有数の難読駅名として広く知られていますが、一方で字面の目出度さから、合格祈願などで重んじられる駅でもあります。とはいえ実際の学文路駅は、そんなところを大々的に売り出すわけでもなく、あくまで昔気質の相対式ホームと駅舎があるだけで、そんな慎ましい雰囲気に好感を抱きながら、駅南東側の公道で待つことしばし……上下の列車が交換するシーンを無事激写♪♪ 21000系や22000系、さらにその昔の釣掛小型車の時代であれば、もっともっと好ましく悶絶級の光景だったのかも知れませんが、現在の山線区間の主力である2000系と2300系が並ぶのもまたいとをかしというものです。敢えて文句を付けるとすれば、2300系のパンタが難波側で前パンであればもっと絵になったのですが……。


東急恩田通信200813 (上) 8606F

2020-08-14 15:52:00 | 大手民鉄 (東急)


 東急8606Fの先頭車2両は、恩田テクノの見やすい位置に留置された状態が続いており、その目的については譲渡待ち・保存待ち等いろいろ言われていますが、引退車両の長期展示は以前入換車3両の引退時とデヤの引退時にも見られたことであり、少なくともさよなら撮影会を24時間開催しているのに等しいと言えましょう。そんな8606Fが今度は「急行・住吉」を表示しているとのことですので (元住吉にも通じる駅名ですので、東急関係者の皆様にも良い感じなのでしょう)、町田に買い物に行くついでに寄り道してみました。



 長津田でこどもの国線ホームに下りて行くと、ちょうど到着した電車からは、お盆休みを近場のこどもの国で過ごした家族連れがドドドーッ!と大量に吐き出され、「をいをい……何だこの凄まじいラッシュは! こんなことなら新幹線や特急で遠出する方が全然人口密度少ないだろうに……」と驚きつつ車内に入りますと、案の定、車内の多くの窓が結構大きく開け放たれていました。これは車内から撮影するのに好都合。中望遠程度で、フードの先を窓から出すことなく、1枚目のような感じで撮影することが出来ました。車内の他の客の冷たい視線を何とも思わない度胸が必要ですが……(^^;)。バシャバシャと降る俄雨のため、少々ざらついた画面になってしまいましたが、これもまた記録というものでしょう。
 恩田で下車した後は、例によって高台へ。工場本屋の南東側に虹がかかっているのを眺めつつ、急行・住吉行の勇姿を改めて激写! 何時までこの位置にとどまるのか、今後譲渡か保存か、詳細は分かりませんが、次の幕があり得るとすれば何かな……と思いつつ、8606Fとのひとときを味わったのでした。

相鉄の日立製アルミ車2020 (1) 新7000系

2020-08-12 20:17:00 | ノンジャンル


 先日Yahooで見た記事によりますと、日立製作所が茨城北部で本格的に創業して以来今年で100年。その歴史は日本のパワーエレクトロニクスと車両技術の輝かしい歴史であったと言えましょう。とりわけ鉄道車両についてはアルミ製電車がA-Trainとして日本国内のみならず海外にも次第に広がり、英国の準高速車両Azumaだけではなく、このたびスペイン向けでも受注したということで、誠に目出度いことです。
 そんな日立のアルミ製電車技術を語る上で、相鉄向け電車は欠かすことの出来ない存在と言えましょう。1960年代後半に鉄道車両メーカー各社が徐々にアルミ製電車の量産を始め、例えば60年代後半には国鉄301系というまとまったグループが日車・川車から現れる中、日立が試作車として世に放ったのが1967年製の相鉄6021でした。のち相鉄は新6000系・7000系・新7000系・8000系を日立から購入することになりますが、とりわけ7000系以後の車両については相鉄・日立ともどもアルミ車に対して確固とした自信を持ったのでしょう。



 こうして、6021の血統を受け継ぐ者として相鉄に君臨し続けた7000系も今はなく、新7000系も新横浜線の開通を前にして残された日々が少なくなっているのは寂しいことではありますが、相鉄史・日立車両史において標した足跡が偉大なものであるのは間違いないことでしょう。
 だからこそ、新7000系が残り1本まで激減してしまい。全く走らない日も珍しくないという状態になってしまう前に、なるべく機会を見つけて撮っておきたいものです。新7000系は抵抗制御車が既に絶滅し、VVVF車も7755Fが消えていますので(この編成のボックスシートの極悪な座り心地は永く語り継がれることでしょう……^^;)、今のところ残り10連3本 (うち1本・7751Fは5+5) となっていますが、日中に2本が運用に入っていれば概ねラッキーであるかと存じます。
 今月に入って撮影した際にも、幸いにして2本が日中運用に入っていましたが、別の1本 (7753F) を撮った際には暗く曇ってしまったのが残念無念! とはいえ、個人的には既にそれなりに撮っていますので、今後もきばって追いかけるというよりも、何となく構えたら来てラッキー!というスタンスで、残された新7000系との日々をしみじみと味わいたいものだと考えております。

南海高野線徒歩鉄 (5) 30000系こうや

2020-08-10 10:04:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 本日は「山の日」ですが、まだ日本海上にある前線の影響で、山に登るには余りにも暑く、登ってもガスって景色は良くないというダメダメな感じですので、こんな日にはネットでそれらしい気分に浸るのが一番です。
 そこで、「パーミル会」所属鉄道のひとつである南海高野線の画像を貼っておくことにします。現在、高野線の女王として君臨し続けている30000系が、おなじみ (?) 橋本〜紀伊清水間を行くシーンです。



 南海高野線に沿って高野街道で徒歩鉄活動をしたのは、早いもので昨年7月の話となってしまいましたが、はぁ……南海がこんなに遠い世界になってしまうとは。空いている新幹線に乗り、誰もいない撮影地を訪れ、三食すべてぼっち飯に徹する分には、そもそもクラスターなど発生しようもなく、経済活動の日常復帰により全ては自己責任となった中、私もそろそろ久しぶりに関西を再訪したいものです。
 それにしても30000系「こうや」、高野山に到達したあと極楽橋から新今宮までの帰路において初めて乗りましたが、急勾配区間でも滑るような乗り心地……ブレーキ面でも一切の抜かりはなく、さすがズームカーの頂点!と唸ったものです。ポポから模型が出ていますが、個人的にはマイクロから出るのを待望しています (マイクロの20000系は神作品との誉れ高く、私もそう思いますので♪)。


東急恩田通信200728 (3) ひつじ電車

2020-08-09 09:25:00 | 大手民鉄 (東急)


 戦後75年、再び思うように帰省もままならない夏がやって来ようとは誰が予想したことでしょうか。これもまた、ギリギリにヤバい時点になるまで責任をなるべく負うことをせず国民の自助努力に委ねるという、ある種の「日本精神」の結果ではないとは誰が断言できるでしょうか。
 ともあれその結果、新幹線は9割以上の席が余っているようです。だったら、リアル飲み会にも行かず固く在宅中心の生活をしている者が、たまには新幹線や特急に乗って一人旅をするのは全然安心安全だろう (ぼっちなら買い物と食事オーダーのときにマスク越しに発声するだけ) と思わなくもないのですが、この凄まじい高温で個人的にはお出かけする戦意喪失です (苦笑)。いっぽう、遠出を控える心理の影響で、近場のお手軽スポットが大賑わいというお盆休みとなっているようですが。ダメじゃん賑わっちゃ (^^;)。



 というわけで、そんな大都会近郊のお手軽気晴らしスポットのひとつであるこどもの国によい子のみんなを運ぶY000系の画像をアップしておきましょう。
 早いもので、1999年8月にこどもの国線が通勤線化されてY000系が走り始めて以来、21年もの年月が過ぎてしまいましたが、いやをいちょっと待て!個人的な脳内では、Y000系は未だにピッカピカの新車なのですが……。草むした単線を2両編成でトコトコ走るという時間が止まったような路線の割には、時間ばかりが無情にも猛スピードで走り去って行くかのような気分ですね……。
 そんなY000系・全3編成は、銀色車体に青黄帯がスタンダードですが、世間的な視点から言えば、さすがに約20年変わらない姿で走り続けるとマンネリ化は避けがたいということでしょうか、どうせ数分間の短い旅でもあり、デザイン面で遊びまくっても通勤通学客が目くじらを立てるには値しないということもあり、「うしでんしゃ」「ひつじでんしゃ」が相次いで登場しています。
 先月の久々の恩田訪問では、ついでにそんなラッピング編成のどちらかでも撮れれば……と思っていたところ、「ひつじでんしゃ」に当たりました。こんな感じのトゲのないラッピングであれば、こちらもノホホンとした気分で撮れますし、牧場風の雰囲気を表現した気合入りまくりな車内ラッピングも一見の価値ありです。