ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【読売】東京地検特捜部、中国遺棄化学兵器「詐欺」で荒木PCI元社長を立件へ 政界波及か?

2008年01月01日 04時22分08秒 | 人物

 写真は2008年1月1日付読売新聞1面(14版)

 2008年は防衛利権のウミを徹底的に出さねばなりません。
 当ブログの下記のエントリから2ヶ月半・・・

東京地検特捜部、PCIを強制捜査 パシフィック・コンサルタンツ、政治スキャンダルに発展する可能性も(2007年10月17日付)


 その後、音沙汰がないなあと思っていたら、
 2008年元旦の読売新聞で出ました。

遺棄兵器処理水増し請求、PCI元社長ら詐欺容疑で立件へ
2008年1月1日3時3分  読売新聞)

 国が中国で進めている遺棄化学兵器処理事業を巡り、大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)が、事業費を約1億2000万円水増しして国に請求していた疑いが強まったとして、東京地検特捜部は月内にも荒木民生元社長(71)らを詐欺容疑で立件する方針を固めた。

 PCI側は、経済上のリスクを一切負わず事業を独占受注する契約を国と結んでいたことも判明。特捜部は、巨額の国費が投じられる同事業を巡る不透明な資金の流れや、PCI側に有利な契約が結ばれた経緯などの解明を本格化させる。

 特捜部は昨年10月に同社などを捜索した後、事業を発注した内閣府から段ボール箱約100箱分の資料の任意提出を受けたほか、荒木元社長や先月退任した多賀正義前社長(62)らから任意で聴取するなど捜査を進めてきた。

 同事業は1999年度から始まり、2004年3月以降は、PCIの持ち株会社が設立した「遺棄化学兵器処理機構」が随意契約で独占受注。受注額は06年度までの3年間で計約230億円にのぼり、事業の一部をPCIなどの共同企業体に委託した。

 関係者によると、機構設立にあたり、PCIは大手プラントメーカーと共同出資する予定だったが、メーカー側が「中国での処理事業はリスクが大き過ぎる」と難色を示したため、PCI側が全額出資することになった。ところが、機構が内閣府と結んだ基本契約は、〈1〉経済上のリスクはすべて政府が負う〈2〉処理事業は機構が独占受注する――などと機構側に極めて有利な内容となっていた。

 この契約直後、PCIグループの実質的なトップで、関連会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM)の社長を務めていた荒木元社長は、PCI幹部に「有利な契約で受注できたのは、自分が交渉したからだ」などと話し、PPMへの利益提供を求めたという。

 このため、PCIは、委託事業費を水増し請求して、不正利益を捻出(ねんしゅつ)することを考案。PCIはPPMに架空の経費を支払い、その分を上乗せした事業費を機構を通じて内閣府に請求した。水増し額は04~05年度で計約1億2000万円に上った。

 特捜部は、PPMへの利益提供について特別背任容疑で捜査していたが、PCI側の国への水増し請求が、荒木元社長の要求を受けて行われたグループぐるみの詐欺に当たると判断した。


○元日の朝刊を待ちながら・・・

 1月1日付の朝刊というのは、満を持して大特ダネを用意してくる新聞社があるので、新聞記者にとっては油断ならないのです。
 というわけで、年越しの後、紅白の好きな曲をビデオで繰り返し見ながら(寺尾聰カッコイイ!)、とりあえず午前3時のネットニュース更新まで起きておりました次第です。

 で、元旦特ダネというのは、誤報の率も高く、「初夢原稿」などと揶揄されることもありますが、どうやら記者の勤務評定にかかわる社もあるみたいで、「ダービー」と称して、特ダネを年末から募集がかかっているようです。

 日経でも年末年始出稿予定表というのを年末に出して、3本くらいは原稿を前年内に出しておかないと休めないので、かなり強引な内容を記事にして、ベタ記事(見出しが1段)でひっそり載ったこともあります。

 さてさて、平成20年(2008年)の元旦スクープ。大方の予想は、「東京地検と防衛利権」だったのですが、やはり来ました。

 年明けから大変です。

 まあ、私も含めて読者は、こたつで蜜柑食べながら推移を見守りましょうや。

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政府、小麦、大豆、トウモロコシの備蓄引き上げを検討

2008年01月01日 04時11分57秒 | 人物

写真はトウモロコシ=NHKホームページ

国際争奪戦が激化、農水省が小麦・大豆などの備蓄拡大方針

2008年1月1日3時7分  読売新聞)
 
 [この記事はツッコミを入れながらご紹介します]  

  政府が、輸入への依存度が高い小麦大豆と、家畜に与えるトウモロコシなどの飼料作物について、現在の備蓄水準を引き上げる方向で検討に入ることがわかった。

 [小麦、大豆、トウモロコシの備蓄水準引き上げは当然です]Click here to find out more!

 2009年度からの実施を目指す。食料自給率が先進国最悪の40%未満に落ち込む一方、中国やインドなどの新興国での消費が急増、穀物の争奪戦が激しくなっていることに対応する。穀物の備蓄水準は財政難を理由に徐々に引き下げられてきたが、食料安全保障政策を強化する方向に大きくかじを切る。

 [食糧安保は大事。安全保障は防衛省・自衛隊だけの仕事ではありません]

 福田首相が本部長を務める「食料・農業・農村政策推進本部」の下部組織「食物の未来を描く戦略会議」(座長・生源寺真一東大教授)が月内に検討に着手し、3月に報告書を取りまとめる。これを受けて農林水産省が具体策を検討する。現在、民間在庫も含め、穀物に応じて年間需要の1~2か月程度に設定している水準を3か月程度に増やす案が軸となる見通しだ。

 [3月に報告書を取りまとめる? 3月狂乱物価危機説が出てるんですけど遅くないですか・・・]

 現在の備蓄水準は、自給率13%の小麦で2・3か月分(うち政府備蓄1・8か月分)、25%の大豆で約1か月分(同0・5か月分)、全量を輸入に依存する飼料穀物で2か月分(同1か月分)だ。政府はコメの備蓄も行っているが、自給できるため、今回の拡大対象にはしない。

[うーん、ちょっと少ないですね。もっと備蓄しないと・・・]

 世界の穀物市場は、需要と供給の両面で大きな変化を起こしている。供給面では、米国でガソリンの代替燃料であるバイオエタノール向けに大豆からトウモロコシへの作付け転換が進み、国際的な大豆不足が起きている。小麦の大輸出国の豪州は2年連続の干ばつに見舞われ、ロシア、アルゼンチンなどの穀物輸出国は食料安保の観点から、輸出の制限に踏み切っている。需要面では新興国が消費国として台頭し、07年12月の小麦の国際価格は、06年1月との比較で約2・6倍に急騰している。

[そうなんです。この段落はとても参考になります。2008年は「物価の年」になります。4月の政府の輸入小麦価格の改定(引き上げ)の前後に買い占めが起きる可能性があります。原油高と連動して、物価には細心の注意が必要です]

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「自民党のおいしいお水」 水にも議員特権がある

2008年01月01日 00時00分44秒 | 人物

写真はテレビ朝日の映像から

【追記 2008-01-01 00:00】
 3ヶ月半前に書いたエントリですが、ぜひお正月の時間に余裕があるときに読んでいただきたいと思い、日付を変更しました。第45回衆院選の公示前にもう一度あげる予定です【追記おわり】


(初投稿日時 2007-09-15)

 自民党総裁選のため、当分国会審議は始まりそうもありませんので、今日はずっと書きたかった「自民党のおいしいお水」という話をご紹介します。

 私が大学に入った1992年(平成4年)のことです。入学間もない私は先輩から誘われて「全国学生交流会」(NSA)に入会しました。この組織は実質的な自民党学生部で、毎月、自民党本部で開かれる勉強会に参加していました。

 自民党青年局学生部長は30歳の当選1回生、赤城徳彦衆院議員(現茨城1区)でした。

 私が「全国学生交流会」に参加したのは自然の流れでした。当時の日本には、自由主義政党は自民党しかなかったからです。

 日本社会党には「社会主義青年同盟(社青同)」、日本共産党には「民主青年同盟(民青)」という学生・青年組織がありましたが、商家で生まれ育った私に社会主義や共産主義は縁遠いものでした。

 月例会ではまず、夕食としてカレーライスを食べながら、執行部の学生が説明するその日の会議予定を聞きます。食べ終わると、カレーライスを下膳して、資料などに目を通しながら、発表者の説明を聞くという流れです。

 場所は自民党本部内の80人ほどが入る会議室。朝は自民党の政調会の部会が開かれています。よくTVニュースで、白い布が敷かれた机に若手議員がぎゅうぎゅう詰めで座る中、中堅議員が立ち上がってマイクで話している姿が流れますが、あの部屋です。

 冷戦崩壊後でバブル末期の1992年ですから、政治に関心を持つ学生は少なく、「交流会」の会員は30~50人ほどだったのではないかと思います。それだとどうにもならないので、月例会ごとに会員の友人を誘って来てもらっていました。

 カレーライスは自民党本部内にある喫茶「リバティ」の配膳のおばさんが出してくれます。専属の喫茶店が出してくれるのですから当日の出席者数に柔軟に対応してもらえるので、執行部の学生としても大助かりだったわけです。

 あるとき、いい季節だったのか、テーマが面白かったのか覚えていませんが、大盛況の月例会がありました。カレーライスに付きものの銀色ポットに入った水がどんどん品切れになりました。

 私はすぐに廊下に出て、配膳係の「リバティ」のおばさんにおずおずと「お水をいただけませんでしょうか?」と聞いたところ、快く「はい、もちろんいいですよ」と柔和な笑顔が返ってきました。

 その女性は水差しから、ポットに水を入れながら

「このお水は先生がお飲みになるお水ですから、おいしいですよ」

と18歳の私に言ったのです。

 私は彼女の言葉を聞いて、がく然としました。

 議員特権というものがあります。日本国憲法では「不逮捕特権」(第50条)、「議院での演説、討論又は表決について、国会外で責任を問われない」(第51条)などの議員特権を定めています。

 が、私は「おいしいお水を飲む議員特権」があるとは知らなかったので驚きました。

 今日、かちかち山の泥船にしか見えない自民党本部の中で、入院中の総理の見舞いにも行かずに後継総裁選びに奔走する自民党国会議員たちの姿をTVで見て、違和感を感じるのは私だけではないと思います。

 しかし、政権与党である自民党の国会議員には「おいしいお水を飲む権利」があるのですから、その権利を守るために奔走するのは、人間の本能として、自然の理(ことはり)と言えるかも知れません。

 配膳の女性は「毎日国政に汗している先生方に少しでもおいしいお水を飲んでいただこう」という職業倫理から言ったのでしょう。

 でも、それが当たり前の言葉として日常的に出て来るのが37年間にわたる長期独裁政権なんだなあ、と大学1年生の僕は思いました。

 その日から15年が経ちました。

 自民党は今日も権力の座にあります。

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新年明けましておめでとうございます

2008年01月01日 00時00分00秒 | その他


 新年明けましておめでとうございます。

 早々とお屠蘇をいただいてしまいましたが、夜風に吹かれてもうさめました。

 2008年!
 平成20年!

 って何か良くないですか?

 丸っこい数字って良いですよね! 
 僕も丸っこいんでね。

 で、8月8日から北京オリンピック。

 2007年は私にとって久しぶりにいい年でした。
 トラバやコメントでたくさんのブロガーのみなさんから元気をもらいました。

 今年がいい年でありますように・・・ではなく、
 今年をいい年にしましょうよ!

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