【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第169通常国会召集

2008年01月18日 17時43分50秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会
 天皇陛下は18日、第169常会(第169回通常国会)を召集しました。

 2008年度予算、ガソリン税の暫定税率、自衛隊の海外派遣の一般法などが争点になります。

 会期は6月15日まで。

通常国会召集、首相が施政演説「消費者行政に新組織」(読売新聞) - goo ニュース

 福田首相は18日午後、衆参両院の本会議で、就任後初の施政方針演説を行った。

 演説で首相は、2008年を「生活者や消費者が主役となる社会」のスタートの年と位置づけ、各省庁の消費者関連部署を統合した消費者行政を強化する組織の新設を表明した。

 また、環境問題への対応として、「世界の先例となる『低炭素社会』への転換を進め、国際社会を先導する」と決意を示し、先駆的な取り組みを進める10の「環境モデル都市」を作るなどの新たな施策を説明した。

 演説ではまず、参院で与野党が逆転している「ねじれ国会」への対応として、「与野党が信頼関係のうえに立ってよく話し合い、国政を動かすことこそ政治の責任だ。野党の意見も積極的に取り入れながら責任ある政治を遂行する」との基本姿勢を宣言。政権の五つの基本方針として、〈1〉国民本位の行財政への転換〈2〉社会保障制度の確立と安全の確保〈3〉活力ある経済社会の構築〈4〉平和協力国家日本の実現〈5〉低炭素社会への転換――を示した。


【数字のない経済ニュース】(1)日経平均安、小麦高、大豆高

2008年01月18日 00時45分35秒 | 経済

【新企画「数字のない経済ニュース」】

 新シリーズ「数字のない経済ニュース」です。

 TVニュースで
「ニューヨークで1バレルが100ドルになりました」
「東京証券取引所のきょうの終値は日経平均が続落し」
「シカゴ商品取引所で大豆の先物取引が」
「ガソリン税の暫定税率が」

 と言われても、何のことか分からないのが普通です。
 
 でもガソリンが高い、スーパーの食品が高いのは実感している。

 ああ、不安だわ・・・というあなたのためのエントリーです。

【グローバルな時代 日本の景気も「サブプライムローン次第」】

 私は日銀横浜支店を取材していましたが、行員は地道に勉強しているジェントルマン揃い。
 霞が関にもみならってほしい。
 お見合い相手には日銀マンを奨めます。

 で、本題。

 福井総裁の発言(1月15日の支店長会議)。

 国内景気は「住宅投資の落ち込みなどから減速しているが、基調は緩やかに拡大している」。

 改正建築基準法で新しい建物の審査を厳しくしました。
 それで建築業が大不振。
 景気というのは難しいですね。

 やがて、福井総裁の話は、グローバルな世界に。

 「原油価格をはじめとする国際商品市況の高騰やアメリカ経済の下振れリスクなど不確実性がある」

 サブプライムローン問題が長期化していて、
国際金融資本市場も「不安定な状態が続いている」

ので、→国内景気の先行きは「当面減速する」。

 福井総裁のみかたは、私もおおむね同感です。


【「日経平均」が2年2ヶ月ぶりの低水準】


 今週は日経平均株価が2年2ヶ月ぶりの低水準になっています。

○「日経平均」ってなに?

 日経平均とは東証一部上場企業の中の225社の株価の平均です。

 アメリカの「ダウ平均」が元祖ですが、「ダウ」は工業の30社だけですから、日経平均は幅広いですね。

 日経平均に銀行は入っていませんが、それ以外の業種を網羅しています。

 225社は日経新聞社が選んで、数字もすべて日経新聞社のシステムセンターが計算してオンラインで提供しています。

 アメリカの「ダウ」はダウ・ジョーンズ社が計算しています。
 「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」はダウさんとジョーンズさんが創刊した世界を代表する経済新聞で、100年以上の歴史があります。

【TOKYOにマネーがこないよ!】

 で、実は私は今年の東証をみていて株価の低迷よりも気になっていたのが、株式の「出来高」です。
 株を売ったり、株を買ったりした取引の総数(出来高)が小さいのです。

 東京で株を売買している人の6割は外国人です。

 日経平均が安いということは、株を安く買い入れるチャンスということです。

 ところが、なかなか株を買う動きが出てこない。

 つまり、マネーを株に変えようとしない。

 手元にマネーを待っていたい。

 いわば、ショッピングに出かける前、カードでなくて、現金を多めにして、銀座に繰り出して、ちょっとだけ買い物をして帰宅する。

 そんな動きが垣間見られると思います。

 TOKYOにマネーが来ない。これがいまの不景気の本質です。

 シャンハイ、ホンコンなどに行っているのかもしれないのですが、やはり「サブ・プライム・ローン問題」でもっとおカネがかかりそうなので、財布の現金を大事にしておきたいのが本音でしょう。

○日本国債を追加発行してもいいのでは?

 が、TOKYOには人気商品があります。

 それは「日本国債(10年もの)」です。これは相変わらず人気があります。
 これは長期国債の利率という指標をみていると分かります。

 ガソリン税の暫定税率廃止で2兆数千億円の税収が減っても、その分、新規国債を発行しても大丈夫な状況だと思います。
 いまは地球をさまようマネーを吸収するチャンスです。

 日本国債を新規に発行することで、財政の借金漬けを心配する人がいるでしょうが、国債残高は私たちのくらしを逼迫する最大要因ではありません。

( これについては昨年10月1日付エントリ
2007年10月1日、郵政民営化! をみてください)

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【わたしたちの生活はシカゴで決まっている?】

 原油の値段はニューヨークで決まっていますが、シカゴにも注目してください。
 
 私たちすべての生活者にとって大事なことがシカゴで決まっています。
 アメリカ中心部のイリノイ州シカゴ。
 オバマ上院議員の地元、シカゴ。
 去年まで井口選手がプレーしていたシカゴ・ホワイトソックスの「シカゴ」です。

 シカゴ商品取引所にマネーがガンガン注ぎ込まれています。

 小麦は過去最高値。
 大豆も34年ぶりの最高値。

 小麦が高くなれば、パン、うどん、ビスケットなどが高くなります。
 大豆が高くなれば、豆腐、しょうゆが高くなります。

 こういった穀物高のせいで、スーパーの食品が高くなっています。
 高くなるだけではありません。

○小さくなった「カップヌードル」

 きのうスーパーに行って驚きました。私だけじゃないでしょう。
 「カップヌードル」を手に取ってみたときです。
 「カップヌードル」の発泡スチロール容器が小さく感じられました。
 「あれ、これはカップヌードル・ミニなのか?
」と思ったら、「ミニ」はほかに陳列されていました。

 カップヌードルは小麦を使うので、あれほどの大企業でも、価格に転嫁せざるを得ませんが、やむを得ず、商品を小さくしたり、商品内の本数、グラム数を減らしたりしています。

 主婦をはじめスーパーマーケットで買い物をしている人が感じている「不景気」の実感は、正しいです。「不景気」なのです。

 これは中国、インドの需要増もありますが、あくまでも「マネーゲーム」の結果です。
 一部の人間の金儲けのために世界中の人々が真綿でクビを絞められています。

 ほんとうに「悪いやつら」です。
 ところがこれは取り締まれないのです。
 ブッシュでも、国連でも、G7でも・・・ちょっと手のうちようがないでしょうね。

 ですから、原油高、穀物高を当然のことと捉えた上で、日本政府は対応しないといけません。家庭の備えも大事です。

【明るい話題は米、卵が安い】

 最後に明るい話題でしめくくりましょう。

 米は安いです。少し高くなっていますが、まだまだ安いです。
 タマゴ(鶏卵)も安いです。

 農業者は困っていますが、消費者からすれば好都合です。

 パンをやめ、ご飯を食べましょう。タマゴを食べましょう。

 半世紀前、「貧乏人は麦を食え」と国会で発言したとされる大蔵大臣がいました。

 これはそういった趣旨の発言を翌日付の新聞が「貧乏人は麦を食え」と見出しをつけて報じたということで、議事録にそのような発言はありません。

 大蔵大臣は辞任しましたが、その後、総理大臣になりました。
 池田隼人(はやと)さんです。

 きょう、私たちは「貧乏人は米を食え」という時代にいます。
 開き直ることも生活していくうえで大事だと思います。
 なんとか生きていきましょう。

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