ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

大江vs菅 ガソリン国会は場外戦という意外な展開に

2008年01月26日 22時10分06秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会
 [写真は26日朝のTBS番組で熱弁をふるう大江康弘参院議員]

 ガソリン国会は、当初予算案審議入りの前から、
 大江康弘参院議員(民主党・全国比例)と菅直人民主党代表代行の国会外党内バトルという予想外な展開になってきました。


23日(水曜日)は500人の拍手で感激した大江さん


その3日後の朝にはみのさんの番組で熱弁
「菅さんが代表代行をやっていると、国民は民主党から“離反”する」
 ここでの“離反”という言い回しは、完全な誤用ですね。


ニュースの見出しまで「大江議員が菅氏に反発」


首都高速中央環状線での大江議員(本人公式ウェブ)
地元民の私がいっぺんも使ったことがない道路を視察してくださり、ご苦労様です。



 与野党の修正協議のいかんにかかわらず、暫定税率の参院での採決は3月中旬以降です。

 当分、大江議員から目が離せません。

 大江康弘(おおえ・やすひろ)
 1953年(昭和28年)12月4日生まれ。
 父親は和歌山県議。
 芦屋大卒業後、玉置和郎議員(中曽根内閣・総務庁長官在任中に逝去)の秘書を経て、25歳で県議。2001年7月参院選、自由党公認で初当選。昨年夏、再選(全国比例・ご当地候補)。


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(23日の画像はテレビ朝日、それ以外はTBS)
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日銀総裁に武藤敏郎さん 読売が「有力」と報道

2008年01月26日 22時04分13秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

 [写真は武藤敏郎・日本銀行副総裁=日本銀行(BOJ)ホームページ]

 日本銀行(にっぽんぎんこう)=BOJの3月20日付の総裁人事。

 「武藤敏郎副総裁の昇格が有力」と読売が報じました。

 私は当ブログ内「今後の政治日程」のエントリで、武藤敏郎副総裁昇格が有力とずっと書いてきました。

 実際の人事が近くなり、複数案が上がってきたこともあり、今月になって念のため消していましたが、かなりの確信を持っていました。

 民主党(DPJ)が武藤さんを総裁にすえるのは、細川護煕内閣以来の小沢一郎さんと財務省の関係からして、順当です。

 能力・実力・権限とも霞が関ナンバーワン官庁である財務省(大蔵省)は、細川護煕内閣のとき、もっとも早く官邸に協力しました。

 憲法65条「行政権は内閣に属する」からして至極当然のことです。

 しかし、この後、自民党(LDP)が日本社会党と手を組み、「村山内閣」という闇討ちで国民を欺き、政府を奪いました。

 当時の大蔵事務次官だった斉藤次郎さんはその後、辛い目に遭いました。

 そして、オールド自民党橋本龍太郎内閣で、大蔵省銀行局・証券局(ともに現在の金融庁)および日銀に大混乱が起きます。

 1998年「大蔵省・日銀接待汚職事件」です。

 山一・拓銀ショックに追い打ちをかけるように「大蔵省・日銀接待汚職事件」は三塚博大蔵大臣、小村武大蔵事務次官、日銀の松下康雄総裁、福井俊彦副総裁の4人のクビがいっぺんに飛ぶという空前絶後の大スキャンダルになります。

 まあ、この事件は「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」と呼んだ方が通りがいい。記憶とはそんなものです。
 私もそうですが、みんな忘れっぽい。この「忘却」という人間の機能をうまく使って、自民党は53年間の独裁政権を可能にしました。

 「パンしゃぶ事件」のとき、大蔵省で極めて異例の人事がありました。

 事件に関与していないものの、「監督責任」をとって大蔵大臣官房長=会社で言えば、総務部長=が官房審議官に降格します。

 それが武藤敏郎さんです。

 しかし、官房審議官に残ったことで、やがて武藤さんは財務事務次官となります。エースを守るために考え出された人事案が「官房審議官降格」だったのです。そこまでして守ったエースが武藤敏郎だったのです。

 さて、日銀は未曾有の危機にあります。

 なにが「危機」かというと、グローバル化とIT化によるマネーの急増(過剰な流動性)によって、日銀の利上げ・利下げをはじめとする金融調節機能が効きにくくなっています。

 ここで、民主党が財務省のエースを日銀総裁にすえることによって、民主党+財務省+日銀+国民の“四位一体”になった経済・金融再建が可能になります。

 防衛省の若手官僚が民主党議員としか会話しなくなっているのは公然の事実です。
 武藤敏郎さんが日銀総裁になれば、財務官僚もいっそう民主党政権に協力するでしょう。

 最近の財務省は主計局はさすがですが、理財局あたりにはイマイチな職員が多いです。日銀マンも嘲笑しています。

 財務省再建のためにも、武藤敏郎が日銀総裁になる必要があるのです。

 ということで、「武藤日銀総裁」は95%以上確実でしょう。

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日銀次期総裁、武藤氏が有力に…民主党に容認論強まる(読売新聞) - goo ニュース

 日本銀行の次期総裁に、元財務次官の武藤敏郎副総裁が就任する公算が大きくなった。
参院第1党の民主党内で、政府・与党で有力となっている武藤氏について国会の同意を求められた場合、容認する考えが強まったためだ。

 これにより、3月19日で任期を終える福井俊彦総裁の後任人事は、武藤氏を軸に、政府・与党と民主党が調整を行う見通しとなった。

 民主党幹部は26日午前、記者団に、「武藤氏は選択肢の一つとなっている。それは(政府に対する)メッセージだ」と述べ、武藤氏を容認する考えを明らかにした。

 また、日銀総裁人事に関し、福田首相と民主党の小沢代表が会談を行うことについて、「電話でしたらいい。互いに腹合わせをした方がいい」と語り、両党首の協議を経て最終決着させるべきだとの考えを示した。

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【物価危機】地方かつ大所帯ほど大きいダメージ

2008年01月26日 11時09分43秒 | 人物

 原油高+穀物高+政府の無策=物価危機。

 4月危機が心配されます。早めに対応してください。

【昨年12月の消費者物価指数の厳しい現実】

 昨年12月の消費者物価指数が1世帯あたり2300円高になったことは昨日のエントリでご紹介しましたが、さらに読み進めると、凄まじいですね。

 1年前と比べて、

 ガソリン 16・4%高
 灯油   24・0%高
 プロパンガス  4・3%高

 食品だと
 ネギ   21・6%高  ネギってハウス栽培なんですか?

 その他を含めて生鮮野菜は12・1%高・・・ヒジョーに厳しい!!
 統計をとっている食品はすべて高くなっています。

 交通通信費に含まれる「携帯電話通信料」が3・9%安くなっているだけ。3社の競争の結果でしょうか。

 で、耐久消費財は、薄型TVが16・7%安・・・(以下どうでもいいので省略)。一部の金持ちが5年に1回買うような物だけ安くなっています。


【地方かつ大所帯ほど厳しい物価危機】

 さて、経済誌「週刊ダイヤモンド1月19日号」に気になる記事がありました。「特集・値上げが襲う」(同誌の麻生祐司記者ら8人執筆)。

 ここで人数・年齢・年収など世帯パターンごとの「物価危機」の影響をファイナンシャル・プランナー(FP)菱田雅生さんがシミュレーションしています。

 雑誌を読んでとても気になることがあったのですが、なぜそうなるのか、なかなか理解できなかったのですが、私なりにいろいろと考えてみて、ようやくエントリ化できる自信を得ましたので書きます。

 というわけで、以下は下町の太陽(宮崎信行)の分析です。
 
 このシミュレーション結果のどこが驚くべき結果なのか?

 収入に対して支出が増えるという「収支率」が4・57%(今後2年間)悪化するのが、地方(低物価)かつ大所帯(祖父母、夫妻、子供2人)の「大世帯標準物価型世帯」だということです。

 ちなみに「ダイヤモンド」では例として
世帯年収450万円
 夫(43歳)は警備員
 妻はスーパーのパートタイマー
 祖父母、子供2人同居の
新潟市在住の6人世帯を例示しています。

そして、20万5900円支出が増える(悪化する)と予想しています。

【なぜ都会より地方か?】

 一つは、都会がふだんから高物価なので、小売り店舗などの段階で物価高を吸収できる余地があるということ。

 「物価危機」とはいえ、光熱費を除く家賃が上がるという要素はあまりありませんから、借家住まいだとして、これについての都市と地方の差はない。

 そしてやはり地方、とくに寒冷地では、ガソリン、灯油などを減らすわけにはいかない。これは命にかかわる問題です。

【なぜ小所帯より大所帯か?】

 それではなぜ、同じ地方でも大所帯の方が影響が大きいのか?

 これは大所帯だと二人ぐらしなどと比べ、働いている人の割合が小さく、かつ自宅にいる時間が長い。

 大所帯の方が家計に占めるエネルギー、食品関連の割合が大きいし、教育費がかかる世帯も多いでしょう。

 このような理由から、「物価危機」は都市より地方、小所帯より大所帯のダメージが大きいようです。

 これはもう、政府がなんとかしないとマジでヤバイですよ。

 シャレにならないっちゅうの!

 
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[写真は読売新聞掲載、飯田真優子記者撮影の秋田県男鹿市の風景がとてもすてきなので、お借りしました]

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