第21回参院選当時の自民党(LDP)幹事長だった中川秀直さんのHPに変なことが書いてありました。
ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)には、福田総理とともに出席するらしい。総理はいまごろ羽田から旅立ったころです。
中川さんは、スイスを「永世中立国」と強調。
「党利党略」をこえて「世界目線」で議論したい、と書いています。
ここで、「誰」と議論したいとは書いていないが、文脈からして、スイスのダボスで日本政治家と議論するという趣旨にとれます。
そして、
「日本の政治家は与野党の政略を超えた大局的判断ができることを世界目線にみせつけるチャンスだ」
と書いています。
だったら中川さんは出席を自重すべきです。
なぜなら「永世中立国」を強調する中川さんの国際感覚に私は納得できないからです。
たしかにスイスはいまでも「永世中立国」を自称し、1815年のウィーン会議で「永世中立国」として認められています。
その後も欧州秩序の中で、スイスから「永世中立国」の名を奪おうという動きは寡聞にして聞きません。
しかし、盲点ですが、スイスは国連加盟国です。
2002年の国連総会で190番目の加盟国として承認されています。
その後、佐渡に住む曽我ひとみさんと平壌から帰国するジェンキンスさんの再会場所を問う「世論調査」で「スイス」という答えが圧倒的1位だったことに、同じ日本人の国際感覚に失望しました(実際にはインドネシアで再会しました)。
スイスは金融立国で「スイス銀行」があります。
「ゴルゴ13」でおなじみですが、実際には「スイス銀行」という銀行名は存在せず、匿名口座がつくれる4つほどの銀行を分かりすいよう一つにまとめた比喩(メタファー)のようです。
で、この「スイス銀行」には金正日王朝の多くの資産が運用されていました。金正日総書記の次男の金正哲氏もスイスに留学していたようです。
スイスには英語を話す人、フランス語を話す人、ドイツ語を話す人、イタリア語を話す人たちがいます。共存しているというより、けわしい山岳に区切られながら、別々に暮らしています。
「国家としての体をなしていない」と言う日本人もいます。
このスイス・ダボスで開かれる「世界経済フォーラム」に出席し、「永世中立国で与野党を超えた政策論議」を呼びかける元自民党幹事長とはいったい何者でしょうか?
赤坂の料亭はかなり店じまいしました。
政治家が密談に使う回数が減ったからです。
これだけでも民主党が野党第一党として頑張ってきた価値があるというものです。ケータイやメールの発達という素地も大きいですが。
料亭政治が消え去ったいま、スイスのダボスで「密談」を呼びかける中川さん。
これでは、政界の「密室協議」まで格差社会になってしまいます。
スイスまで渡航しなければ、政治の今後のシナリオを知らないまま、政治活動をしていくことになってしまいます。何も知らないで、踊るのは辛いことです。
朝食会と称して毎月のように政治資金パーティーを開き、偏りがないよう、東京の不動産団体にパーティー券を買ってもらい、その翌月は大阪の不動産団体に買ってもらうという手の込んだオカネづくり。それを自民党清和会に1000万円献金し、神取忍議員らの政治団体が受け取る。
そうやって自民党清和会の支配と服従が成立しているのです。
たびたびの落選経験にかかわらず、選挙の司令塔である幹事長に登り詰め、やはり選挙で多くの同志を大敗に追い込んだ中川シューチョク。
こんな政治家はいらない。

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(以下、中川秀直さんの公式ウェブサイトから引用)
■ (世界目線)永世中立国スイスの地で、党利党略を超えた議論ができることを期待する
もはや、生活者重視、消費者重視を掲げる福田総理のもとで「国民目線」は対立軸ではない。与党と民主党は生活者重視競争をすればいい。国民のための真の争点は「世界目線」である。
「世界目線」からずれていては、国民生活を守ることはできない。
インド洋での給油活動継続により、「世界目線」からそれずにすんだ。
日銀総裁人事は「世界目線」でどうするのか。
ガソリン25円安による日本国政の混乱は「世界目線」にどう映るのか。
環境を重視する民族として敬意を受けていた日本国民が、ガソリン25円安で二酸化炭素(CO2)排出量が年2400万トン増加しても平気になってもいいと考えるようになったと「世界目線」でとらえられていいのか。
今週のダボス会議には福田総理や私も参加するが、一転して、小沢民主党代表も参加されることになったと聞く。日本の政治家は与野党の政略を超えた大局的判断ができることを「世界目線」にみせつけるチャンスだ。そして、お互いに「世界目線」の政策メッセージを競うことで、日本の国益に貢献するチャンスだ。永世中立国スイスの地で、党利党略を超えた議論ができることを期待している。(1月20日記)
(引用おわり)