舛添厚生労働相は25日、厚生労働省内で記者会見し、年金記録の確認を求める「ねんきん特別便」の見直し策を発表した。
社会保険事務所に相談に来た人が記録の持ち主であることがほぼ確実な場合、過去の勤務先の名称を含め、必要な情報をすべて窓口で伝えることを認めた。
社会保険庁は21日の通達で、持ち主がほぼ確実な記録について、加入期間や勤務先の所在地などの「ヒント」を教えることを許可したが、今回、勤務先の名称に広げたことで、相談者の記憶があいまいであっても記録の統合が容易になる。ただ、持ち主の可能性がある人が複数いる場合は、事業所名を教えないとした。
全国の社会保険事務所は週明けから新たな対応を実施する。舛添厚労相は「(記録の統合ができなかった人は)是非もう一度(事務所に)来て欲しい」と呼び掛けた。
一方、厚労相は、高齢や病気などで特別便に回答したり、相談したりできない人のため、社保庁職員が自宅などに出向く出張相談を実施する考えを示した。
近くに社会保険事務所がない人のために、年金に詳しい社会保険労務士が無料で相談を受け付ける体制を整える。全国に社会保険事務所が約300あるのに対し、現役の社労士は2万人程度とされ、相談先が大幅に増えることになる。
「わかりにくい」と批判されている特別便の記録の加入履歴には、来月6日発送分から、履歴の確認方法などを解説したビラを同封する。発送済みの約108万通の特別便は、ビラを同封して再送する。再送のために必要な経費は約1億8000万円に上る。
社保庁は特別便を、約5000万件の該当者不明記録の解決の切り札としているが、開始から1か月余りで大幅に見直された。舛添厚労相は「再度の見直しもあり得る」と述べた。