【衆・法務委員会 2014年10月24日(金)】
【衆・内閣委員会 同日】
法相(兼)特定秘密保護法施行担当大臣の上川陽子さんに対する一般質疑がありました。
特定秘密保護法の施行日が2014年12月10日に迫ってきています。いかんせん、今の院の構成では覆すことはゼッタイ不可能であり、運用面を整えるしかありません。
朝8時45分から内閣委で民主党議員が上川さんに質問。時間差で始まった法務委では、与党議員が副大臣に質問しながら上川さんを待ち、野党議員が質問。昼には内閣委に戻り、再び午後は法務委というハードスケジュールで、昼休みは5分間だったようです。
朝の内閣委で、民主党の後藤祐一さんは「特定秘密保護法に関して、松島前大臣に(9月3日の就任から10月20日の辞任まで)何時間、事務方はレクチャーしたのか」と問い、上川大臣自らが「30時間だ」と答弁しました。後藤さんは「公文書管理法は上川大臣が生みの親のような存在だ」と語りました。
生活の党の畑浩治さんに対して、「私自身、公文書管理法をつくった立場ですが、歴史という時間軸をしっかり持って、(公文書管理法の)理念にのっとって(特定秘密保護法を)運用していきたい」と語りました。畑さんは、「(公文書管理法にもとづく)歴史的文書であっても、(特定秘密保護法にもとづき)首相が廃棄できてしまう」として、運用基準の改善を強く求めました。
福田内閣で、福田首相肝いりの公文書管理担当大臣になり、政府外議員として、民主党議員とともに、公文書管理法の成立に尽力した上川さん。公文書管理法は情報公開法と車の両輪であることから、民主党カラーが強い法律だといえるでしょう。
法務委での一般質疑では、民主党の階猛さんが、松島みどり前大臣がまっさきにぶち上げた「刑法で強姦罪の刑が強盗罪の刑よりも比較で軽いこと」に関する問題では、上川さんは「私もそのように感じています」として、検討チームの体制を維持することを明言。前大臣を東京地検特捜部に告発していた階さんは、「(答弁する姿勢の印象として)大臣は私に対して、警戒心を持ちすぎています。 私はそんなに怖くありません」と語りました。
選択的夫婦別姓(別氏)について、法務委で維新の党の丸山穂高さんに対して、「私は夫の氏です。さきほどご質問いただいた(民主党の)郡和子委員も夫の氏です。先生はご結婚なさっておられますか」と逆質問し、丸山さんが「していません」と答えると、上川さんは「それは失礼しました。しかし、先生もご結婚されるときは、その選択を突き付けられるわけです」と答弁しました。
なお、矯正施設につとめる医師の待遇改善が必要だとの指摘について、法務省の事務方は、「法律案を国会に出したい」と語り、上川大臣が「法制化、予算化が必要だ」と後押ししました。法務省初の女性局長の岡村和美・人権擁護局長も答弁しました。
【衆・経済産業委 同日】
宮沢洋一経産相が所信を述べました。衆参ともふたたび一般質疑が来週行われるとみられます。
【衆・国土交通委 同日】
【衆・災害対策特別委 同日】
きのうの本会議で審議入りした「土砂災害防止法改正案」(187閣法19号)が国交委で、太田国交相から、「災害対策基本法改正案」(187閣法18号)が災害特で山谷防災相から趣旨説明されました。
【衆・環境委 同日】
東京電力福島第一原子力発電所事故にともなう放射性廃棄物の中間貯蔵施設を福島県内に建設するとともに、30年以内の県外の最終処分場の設置を義務付ける「日本環境安全事業株式会社法を改正して中間貯蔵・環境安全事業株式会社にする法案」(187閣法5号)が環境大臣の望月義夫さんから趣旨説明されました。来週28日(火)午前9時から参考人質疑。
【官報 きょう付け】
黒田東彦総裁ひきいる日本銀行(日銀)が異次元の金融緩和をしていることから、昨日の財務省理財局の国債(国庫短期証券)の入札で、はじめてマイナス金利が発生しました。国庫に限れば、ハッピーな話です。
平成26年10月24日付(号外 第236号)
上のように、償還時に、九十九円五十銭(99円50銭)で良い場合もありますので、国庫にとってはハッピーな話。ただし、落札した銀行は、日銀にマイナス金利で買ってもらうものとみられ、日銀券の1枚当たりの価値は薄まることになり、悪貨が良貨を駆逐する、という近未来が待ち構えているかもしれません。マネー資本主義の大きな新しい波に、政府・日銀が来年あたり体当たりしていくこともありうる状態になってきました。
◇
米韓防衛相は、朝鮮半島有事における戦時作戦統制権を、アメリカ軍(在韓米軍、国連軍)から韓国軍に返還する時期を2015年12月から2020年代半ばに延期することで正式合意しました。アメリカのリバランス政策の見直しともいえ、日米ガイドラインの再改定を、引き延ばすことがありうる情勢になったように感じられます。
◇
来週火曜日には、労働者派遣法改悪法案(187閣法3号)がついに衆議院本会議で審議され始めることとなり、安倍自公政権にとっては、「引き返せない道、Point of No Return」に突入していく歴史的局面になります。
tag (宮崎信行)
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