【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

その心意気やよし、山本太郎さん1人修正案提出も否決「オリンピックという呪文で鉄砲の規制緩和するな」

2014年10月30日 17時29分28秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]山本太郎さん提出の修正案を挙手少数(山本さん1人)で否決する、参・内閣委、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【参議院内閣委員会 平成26年2014年10月30日(木)】

 オリンピックに向け競技年齢を10歳まで引き下げる銃刀法改正案(187閣法20号)が賛成多数(共・山本太郎さん反対)で可決しました。この委員会での審査終了法案は2本目。

 「会派に属しない議員」 、本人いわく「新党ひとりひとり」の山本太郎さんが立ち上がり、修正案を提出しました。対案としての法律案は参議院で11名以上必要ですが、委員会では修正の動議ということで1名からできます。

 山本さんは「オリンピックという呪文を使っても鉄砲の危険性は変わらず、規制緩和は筋違い。せめて、中学生である12歳以上にすべきだ」 としました。


[画像]修正案の動議を提出する、山本太郎さん。

 まず修正案が採決され、山本さん1人の賛成少数で否決されました。これに先だつ、討論の中で、共産党は山本修正を「民法を刑法を変える根拠にできないことを指摘したい」と語り、原案ともども修正案にも反対すると語りました。

 私は1964年に東京に住んでいた人をたくさん知っていますが、ただ一人として、スタジアム・体育館で見た、という人にあったことがありません。同時代を同地域で生きた人にとって、東京オリンピックとは、ブルーインパルスが空に描いた五輪の輪が唯一の共同体験です。東京選挙区選出の山本さんが、「2020年東京オリンピック」が「呪文」であることを、しっかりと議事録に残してくれた。その心意気やよし。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑が行われましたが、事実上、労働者派遣法改悪法案が衆院から回る前の前哨戦となりました。

 塩崎泰久厚労相が、答弁ミスし、政府参考人もフォローできず、答弁の再整理のために長時間中断しました。政策通のイメージがある塩崎さんですが、労働法制については、答弁要領をたどたどしく棒読みし、さらに読み間違えるシーンが続出しています。質疑の最後には、「塩崎さんはいいところもあるけれど、労働法制はからっきしだめですね」「性善説のお花畑ですよ」と福島みずほ理事(社民党)が指摘すると、賛同と思われる失笑が漏れました。

 この後、感染症予防法改正法案(187閣法21号)が審議入りしました。この法案は2週間前の平成26年2014年10月14日(火)に内閣が参議院に提出していました。我が国では、内閣提出法案の衆議院先議、参議院先議の決定権は内閣にあります。これは二院制における国会法の不備ともいえる点で、中長期的に改善が必要です。法案の内容は、デング熱、新型インフルエンザ、コロナウィルスなどの分類の整理をしたうえで、知事が病院での検査を命令し、献体の提出を命令できるようにする内容。このため、エボラ出血熱の水際対策のために、早期の成立が必要となります。

【衆議院予算委員会 同日】

 予算の実施状況の調査、とくに経済、財政、TPP、地方創生に関する集中審議がありました。

 トップバッターの1990年初当選・政治改革派の河村建夫さんに対して、世襲議員である総理の安倍晋三さんが「河村先生のご地元である萩、津和野にも攻め込んでいくという失礼な点もあった」と、1993年の最後の中選挙区、第40回衆議院総選挙のエピソードをあかしました。

 公明党議員の今年度補正予算案に関する質問には、否定的な答えをしました。

 維新の党議員の解散に関する質問では、まったく考えていないと答弁しました。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 地方創生2法案、「まち・ひと・しごと創生法案」(187閣法1号)「地域再生法改正法案」(2号)について、参考人質疑が行われ、散会しました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 消費者庁が大企業に課徴金を課せるようになる景品表示法改正法案(187閣法25号)が消費者相の有村治子さんから趣旨説明されました。

【衆議院沖縄および北方問題に関する特別委員会 同日】

 民主党の松原仁委員長が開会しました。沖縄および北方問題に関する大臣の山口俊一さんと岸田外相らが所信表明。山口大臣は、来年度税制改正要望についても言及。この日告示された沖縄県知事選に配慮したのかもしれません。

 ◇

 東京地検特捜部が、小渕優子さんの後援会の元秘書の自宅と事務所を家宅捜索しました。古い自民党の体質そのままです。ただ、なぜ経世会・平成研究会ばかり狙うのか。東京地検特捜部は検察審査会の決定にともなう、東京電力の勝俣、武藤、武黒3容疑者の捜査期限をあす31日までだったのを3か月延長し、来年1月31日までにしました。まずは、東京電力本店を家宅捜索し、関係者をとりあえず逮捕すべきです。

 ◇

 秋篠宮佳子内親王殿下が国際基督教大学(ICU)に合格されたそうです。佳子内親王殿下には思いっきり自由な学生生活をしていただきたい。

 また、昨日、ご療養中だった東宮妃(皇太子雅子妃殿下)が皇居でのオランダ国王との晩さん会に出席され、お元気なお姿を見せられました。今後は、他のご公務にも積極的に参加なさると思います。元外務事務次官であるお父さんらはオランダハーグに住んでおられますから、オランダがお好きならば、外務省ファミリーの庇護のもと、オランダに移住されるなど、新しい皇室の姿を見せていただきたく存じます。 

 ◇

 正しいことを言うときは少し控えめにした方がいいーーこの21年間に政権交代ある二大政党政治を裏切った人たちも、それは生活のため、収入のためだったんだから、なじるのはやめます。しかし、羽田内閣の与党から野党に自ら転じた行為は、生活のためなんでしょうか。生活のため、収入のために、あえて連立与党から野党に転じる1期生ってワイズですかね。民主党の枝野幸男幹事長、前原誠司・衆予算委理事、荒井聰・衆国土交通委理事らは「小人」ではないんだろうと信じたいし、「虚心」な先生方なんでしょうから、なぜ「民主の風」をやったのか、語ってほしいと強く望みます。どうしても、その思いを胎の中にとどめきることができない、そんな政権転落2度目の秋の終わりです。

tag (宮崎信行)

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岡田克也さん「民由合併は手痛い失敗」と語る

2014年10月30日 17時29分14秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんは2014年10月3日に発売された雑誌「リベラルタイム2014年11月号」で、

 「我々は過去に民由合併という手痛い失敗をしている

 と語り、小沢一郎代表率いる自由党との合併を「失敗」と語りました。

 岡田さんは7月に、「民由合併という苦い水も飲んでいる」とテレビ番組で語りましたが、いわゆる小沢信者の反発も少なかったため、さらに踏み込んで発言したとみられます。

 候補者調整をめぐって、維新の党、みんなの党の警戒感を解くねらいもありそうです。 

 過ちをはばかるにためらうことなかれ、と論語学而第一の8にあります。あるいは、論語の衛霊公第15の30では、過ちを改めざる、これを過ちという、とあります。

 羽田孜首相は平成6年1994年6月30日(木)の記者会見で「国会議員の少なくとも半分が羽田孜ぐらい虚心(坦懐)になれば、政治は良くなる」「もう政局はやめにしよう」と語りました。

 羽田さんの志を世襲する岡田さんが虚心坦懐になのは当然のことです。

 論語にはさらに、子張第19の8には、子夏の言葉として、小人が過つと、きっとつくり飾る。

 例えば、何かの過ちをして、とりつくろうように人はいないでしょうか。与党だけに限りません。

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