【衆議院安全保障委員会 2014年10月17日(金)】
衆議院では、財務金融、経済産業、環境、文部科学の各常任委員会で大臣所信に対する一般質疑がありました。それを終えた、内閣委は人事院勧告について、厚生労働委では危険ドラッグ(今後議員立法化の兆し)の国政調査が行われました。
そして、安保委では、前回欠席戦術の後に、立て直した(設定しなおした)、江渡聡徳防衛大臣の所信に対する一般質疑が行われました。
前回空回しされてしまった民主党の大串博志さんが登場し、江渡大臣の政治資金管理団体「聡友会」から江渡さん本人への寄付金が、私設秘書だった会計責任者(定年退職)への人件費に入閣直前に訂正されたことを追及しました。
大串さんは冒頭、「御嶽山の捜索にあたったすべての人に感謝したい」としたうえで、「前回の運営に抗議したい」と北村誠吾委員長に真摯な運営を求めました。
大串さんは、江渡大臣の政治資金管理団体の収支報告書の不明朗な点をついたうえで、すべての説明をまとめ上げて、
「情報公開法と個人情報保護法にもとづき、会計責任者が、みずからの平成24年分の確定申告書を開示請求してほしい。プライベートな部分は全部黒塗りでかまわない。ただ一点だけ。大臣の説明なら、収入は560万8254円(以上)と書いてあるはずだから、そこだけ示してほしい」
江渡大臣は「プライバシーの件があるので、おひかえいただきたい」と拒みました。
大串さんは、大蔵省出身で、元諏訪税務署長。
税務署長など国税庁職員出身者が、国会で、情報公開法によって確定申告書を開示して国会に提出するよう迫ったのは、憲政史上初めてのことだと考えられます。
「この国会で当委員会は、自衛隊の諸君・・・いや自衛隊のみなさんの給与の法案や、調達の法案もある。大臣の資質に問題があれば、私たちとしてはどう受け止めていいのか分からない」と語りました。
それでも、逃げ一辺倒の答弁を繰り返す江渡大臣の答弁中に、大串さんはすさまじい野次を浴びせ続けて、私はとても、驚きました。
大串さんに、こういう姿があったのか、と驚きました。あたかも「岡田克也状態」という風情でした。
そのすさまじさは、何度も引用しますが、マックス・ウェーバーの「職業としての政治」の最後の部分、「政治とは、情熱と判断力の2つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわじわっと穴をくり貫いていく作業である」「これをなしうる人は指導者でなければならない。いや指導者であるだけでなく、はなはだ素朴な意味での英雄でなければならない」(岩波文庫版105ページ)という言葉を思い出しました。
かなり後々まで、忘れられないシーンを見た思いがします。