【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さん「1つの選挙区は1人にしぼる消極的候補者調整をやる」国政選挙担当代表代行、テレ東番組出演

2014年10月04日 16時15分49秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんは2014年10月4日(土)放送のテレビ東京「田康弘の週刊ニュース新書」に出演しました。

 岡田さんはさる9月16日から、3年間つとめた「民主党最高顧問」を降りて、海江田万里代表の求めに応じて、民主党代表代行(国政選挙担当)になっています。3年ぶりに民主党役員会メンバーに復帰しました。

 田勢さんは国会第1週を振り返り、「与党が強いだけでは面白くない。野党も頑張ってもらわないといけない」と語りました。

 岡田さんは「アベノミクスも一時の熱狂から冷めている。(総理は)安倍さんではない、という選択肢を用意していく」としました。

 民主党随一の経済通である岡田さんは「地方はガソリン価格が上がったのが大きい。コメの(買い取り)価格が下がったので、消費に慎重になっている」と語り、ガソリンと米買取の価格上昇が消費マインドを押し下げていると分析。アベノミクスについては、「2本目の矢は即効性があったがもう使えない。1本目の矢は為替を見ても限界だ。3本目の矢しかない」と(政府側からすれば)厳しい見立てを示しました。

 第47回衆院選では、「候補者調整という形で、1つの選挙区で野党は1人としぼる、消極的な候補者調整をしていく」とし、橋下徹・維新の党共同代表のワーディング「選挙協力」は使わないとしました。野党各党の政策面では「選挙のときはすべて一致している必要はない。政権をとったときに、これはこれでやります、という部分だけは一致していれば良い」と語りました。

 民主党の現状について、番組のアンケートで印象が「変わらない62、上がった0、やや上がった0、やや下がった23、下がった15」という街頭アンケートを見た後で、田勢さんは「次の選挙で出る人が街頭演説しているの見たり、地域で活動しているのを聞いたりしない」と問うと、岡田さんは「我々現職と落選している人では状況が違う。(政治活動の環境面だけでなく)情報量も違うし。街を歩けば怒られる人もいる。私もだいぶ怒られたが、それで怯んでいるのではないか」と分析しました。

 田勢さんから次の選挙での獲得議席予想を問われると、岡田さんは答えず、「それよりも、衆議院の獲得議席のブレが大きすぎるのは問題がある。政治はギャンブルではないので、有権者はよく考えてほしい」と語りました。

 まとめとして、「日本のために民主党はどうするのか」との題で、パネルを書きました。

 「(1)人こそすべて(2)未来への責任(3)多様な価値観」

 としました。チルドレン・ファースト、財政健全化・社会保障の安定、民主党の立党の精神やヘイトスピーチ問題を念頭に入れているようです。

 

 

  


枝野幸男幹事長「ホルムズが死活的利益なら満州と同じ」(1)集団的自衛権(2)アベノミクス(3)労働法制

2014年10月04日 15時57分26秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]枝野幸男・民主党幹事長、2014年10月3日の衆議院予算委員会、民主党ニュースから。

【2014年10月4日(金)衆議院予算委員会 基本的質疑(補正予算案の提出はなく予算の実施状況の国政調査)】

 今週月曜日から国会が再開し、密度の濃い日程で、きのう金曜日まで議論がありました。

 (1)経済政策(アベノミクスと称される3本の矢、消費税増税の可否)、

 (2)女性の活躍および、それを含む労働法制(長時間労働の提出済みの労働者派遣法改正法案、女性や子どもの貧困)

 (3)集団的自衛権

 の3点が与野党含めて3本柱という印象です。3分野ともかなり広い意味での関連法案が今国会に出ますので、法案審査と一般質疑を組み合わせることで、骨太の議論はできそうな気配です。任期が事実上折り返した衆議院では、実力ある者がより立体的でより短期的かつ長期的な議事録を残せるような気配を感じつつあります。

 事実上任期が折り返した第187臨時国会では、衆議院予算委員長に、大島理森・元自民党国会対策委員長、与党側筆頭理事が入閣待機組とされる森山裕さん、野党側筆頭理事は民主党の前原誠司ネクスト財務相になりました。前原さんはガソリン国会(第167~168回国会)時の(次席)理事以来。

 枝野幸男・民主党幹事長は、集団的自衛権をめぐる議論の中で、安倍晋三首相(自民党総裁)が「ホルムズ海峡は石油を他国に依存するわが国の死活的利益の生命線」という趣旨の答弁を繰り返す中で、「それは満州国のようだ」とするどくツッコミました。

 調べてみましたら、二国間条約「日満議定書」(1932年9月15日条約)のなかには、「日本国政府および満州国政府は(略)満州国領域内において日本国また日本国臣民が従来の日支間の条約・協定その他のとりきめおよび公私の契約により有する一切の権利利益を確認尊重すべし」と書いてあり、80年前に松岡洋右外相が言っていたようなことを安倍さんは言っているんだな、と感じました。

 8月4日の閉会中審査の成果があったようです。山井和則ネクスト厚労大臣の質問に安倍首相が答弁。「本年7月に緊急対策を各省に総理指示をだし、それから2か月間で、各省庁が連携し、販売店舗の3分の2を廃業または休業に追い込んだ」と明かしました。やはり国会がとりあげ、総理が各省に総理指示をだし、各省が連携するとスピードがあるということで、現行憲法の統治機構のお手本を見せてもらった思いです。山井さんが、「民主党はこの2か月間、危険ドラッグ禁止法案を用意してきていて、他党と提出する準備がある」と語ると、安倍さんは「立法に向けて柔軟性のある良い案があればおうかがいしたい」と述べ、民主党案に政府自民党が柔軟に対応する考えを示唆しました。

 山井さんは、提出済みの労働者派遣法が成立・施行(法案では来年4月1日)すると、「派遣労働者は増えるのか、減るのか」と繰り返し問うと、安倍首相は「派遣労働者が増えるか減るかはそのときの経済状況次第だ」と答弁しました。この答弁には次の質問者の枝野さんもさらに問いました。

 辻元清美さんは、集団的自衛権の行使容認を含む安保法制の再整備について質問。現行1997ガイドライン(日米防衛協力のための指針)に書き込まれた「非戦闘員退避行動を日米で訓練したのは、通称「コブラゴールド」演習の1回だけではないか」という趣旨の質問をしました。まず安倍さんは1997ガイドラインにあり、1999周辺事態法で落ちていることを踏まえて、「正確に言うと、アメリカ軍はやりますが義務にすると困る」という現状にあることを明かしました。訓練について、江渡聡徳・防衛相(安全保障法制の再整備担当大臣を兼務)は、「自衛隊と米軍で非戦闘員の退避の訓練を行ってきた。米軍との(合計3か国以上の)多国間訓練で行ってきており、朝鮮半島有事のときにもできるよう、報道されて表に出ているコブラゴールド演習以外は、ここでは答弁をするのはさしひかえさえていただきたいと思います」と答弁。

 これについて、辻元さんは、朝鮮半島有事の非戦闘員退避行動を描いたパネルを使って総理が記者会見する前後で、防衛省の情報提供の態度が変わったとして、「訓練があるならその名前を日時の資料を委員会に提出してほしい」と語りました。辻元さんの疑念は、1度しか訓練していないのではないか、というところにあるようで、今後明らかになってほしいところです。