【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ガイドライン、維・共「再改定中止」求める、自公間で日米合意と国内法制全体像の順序に齟齬 NHK日曜討論

2014年10月12日 10時09分21秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]維新の党国会議員団政調会長の片山虎之助参議院議員、維新の党ウェブサイトから。

 2014年10月12日放送のNHK日曜討論は、前週水曜日に決まった日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの再改定の中間報告について議論されました。

 ガイドラインの議題の最後に、自民党と公明党で大きな齟齬がでました。

 安保法制の再整備法案の全体像が示されないまま、日米当局間でガイドラインが進むことへの批判に応じて、

 公明党の北側一雄さん

 「安保法制の全体像を示そう、とかねてから言っているわけです。それを示さないとガイドラインだって合意できないわけですから。だから、その骨格はガイドラインの合意前に当然示されるものだと理解をしております

 と語り、司会のNHK島田敏夫解説委員の「それは当然年内に示すということで」との問いに、「当然そうです」と答えました。

 ここでかぶさるように自民党の高村正彦さんが話し始め、「まさに同時並行的に(法案の)骨格を示すのとが、ガイドラインは同時並行的に進んでいます。それはガイドラインができるときに、国民のみなさまに骨格はこうなりますよ、ほとんど同時に示せる」と語りました。

 まとめますと、

 ・自民党はガイドラインと法案の骨格は「ほとんど同時に示せる」
 ・公明党はガイドラインと法案の骨格は「ガイドラインの合意前に当然示されるものだと理解している」

 と語りました。連立与党内に重大なスケジュール感の違いであり、これは極めて大きな齟齬といえます。

 ◇

 これに先立ち、番組では、維新の党国会議員団政調会長の参議院議員、片山虎之助さんは1巡目で、野党の立場から

 「おそらく最後まで決めないと思う。決めるとややこしいから」

 と語り、ガイドラインの再改定が日米で合意されないのではないかとの観測を示しました。仮に年内に合意する場合は臨時国会を延長して議論するよう求めました。

 日本共産党の政策委員長の参議院議員、小池晃さん

 「中止すべきだ」と続きました。

 周辺事態が削除され、平時と有事の切れ目ない対応が書き込まれるとの観測について、7月1日の閣議決定の与党協議会座長だった自民党の高村正彦さんは

 「ガイドラインに書かれた周辺事態とは、100回言っているが地理的概念ではない」

 と語りました。これを受けて片山さんは

 「周辺事態は、厳密に言えば、地理的概念ではないかもしれませんよ。でも、これのイメージは個別的自衛権と結びついて限定的なんですよ。どこまでもなんでもやれるっていうことではないんで。それを取っ払うことへの国民の不安がありますよ」とし、
 「ここで止めるというのもあり得ますよ。現行の防衛法制の中でみんな納得する範囲内でやらないと。それと周辺事態という言葉がなくなることへの不安もある。そこを政府は説明しないと(いけない)」

 と語りました。

 片山さんが 「集団的自衛権の範囲なんて決まらないでしょ、年内には

 と水を向けると、高村さんは「範囲というのがどういう意味か分からないが、(武力行使・新自衛権発動の)新3要件で歯止めがかかっている」と7月1日の閣議決定を強調しました。

 民主党の福山哲郎政調会長(元外務副大臣)は、今国会で領海警備法案を出したい意向を示しました。

 1997年現行ガイドライン改定時、高村正彦さんは閣僚経験ある外務政務次官として、小渕恵三外相を支えました。片山さんは、橋本龍太郎首相と官邸でよく会い、前年の小選挙区導入にともない国替えした橋本さんについて、「私は自民党岡山県連会長、総理は自民党岡山県連衆議院第4支部長、私の方が偉いの」 と記者団に語るなど、岡山県内の実力者として知事選やチボリ公園について議論しました。片山さんは知事にはなれませんでしたが後に初代総務大臣となり、現在は最年長参議院議員。その当時の首相の日程づくりの責任者が、同県出身の江田憲司政務秘書官で、現在の維新の党共同代表という舞台回し役となっています。 

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