【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「東大野球部は弱いけどルールを守るから応援してもらえる」衆各委員会で、自民党大臣の資質追及 民維連携

2014年10月15日 17時17分43秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

【衆議院内閣委員会 大臣所信に対する一般質疑 2014年10月15日(水)】
【衆・法務委員会 同 同日】
【衆・外務委員会 同 同日】
【衆・厚生労働委 同 同日】
【衆・農林水産委 同 同日】
【衆・国土交通委 同 同日】
【衆・財務金融委 大臣所信 同日】
【衆・経済産業委 大臣所信 同日】
【衆・地方創生に関する特別委 同日】

 地方創生2法案の法案審査に入る中、各常任委員会で大臣の資質が問われました。

 ターゲットを絞り、民主党内で連携したほか、前日の安保委で共闘した野党5党(民維み生社)の連携が始まりました。

 松島みどり法相(兼)特定秘密保護法施行担当大臣は、午前8時半の内閣委で、続投した民主党の近藤洋介筆頭理事から集中砲火。午前9時からの法務委では、副大臣が与党に答弁し、松島大臣は午前10時直前に法務委に入りました。

 参院側の江田五月元法相が傍聴席で見守る中、柚木道義さんは「先週、松島大臣の選挙区である墨田区、荒川区を歩いた」として、大量のうちわを提示。

 

 このように大量のうちわ。

 柚木さんは、国会は召集日だった先月29日日の荒川区議会決算委員会で、選挙管理委員会事務局長が「うちわだ」と答弁していたことをあかし、「法務大臣のシールを貼ってあるうちわもあった。法務大臣が法律を守らなくていいのなら、おまわりさんは困っちゃう」とただしました。

  立党16年の後発政党である、民主党が、おそらく地方議員などと立体的に大臣を追及するかたちになったのはほとんど初めてのことのように感じます。

  松島大臣は昼に内閣委に移り、午後1時から再び法務委に。階猛さんは、大臣出迎え事件について、聞き、官房長から、松島法相が初登庁の後、会館に戻り、もう一度初登庁した際に残業中の職員を出迎えたことを認め、松島さんも過去に副大臣を務めた経産省、国交省とやり方が違う役所があることを知った、という趣旨の答弁をしました。

 階さんは、「この後、質問する維新の党の井出庸生君と私は東大野球部の出身だ。東大野球部や弱いけれども、(六大学リーグで)やっていけるのは、弱いけれどルールを守るからだ。松島大臣は東大応援部(チアリーディング部)の創設メンバーだと聞く。しかし、松島さんは法務大臣としても特定秘密保護法担当大臣としてもルールを守らない。辞任してほしい」と語りました。

 維新の党の井出庸生さんは、「階さんの質問中に、大塚拓・法務政務官がずっと不規則発言をしていた。これ以上やるなら出て行ってほしい」と、初球から牽制しました。この後、松島さんの政治資金収支報告書を見ると、「討議資料」の支出先は、うちわメーカーであり、一般の印刷物などは取り扱っていないと指摘。松島さんはしどろもどろになりました。

 衆議院地方創生特別委員会では、民主党の小川淳也さんが、「私は18歳まで香川の高松で育って、東京に出てきて、その大きさに圧倒されて自治省に入った」と語り、「実は、維新の党の当委員会の理事の重徳和彦さんは私と自治省の同期だ」と語ると、オー、という声が上がりました。そんなに驚くことでもないような気がするのですが、霞が関を仰ぎ見る与党議員が多いのか。それはさておき、小川さんは「私と重徳さんのように、民主党と、維新の党の連携は始まっているんですよ」と語りました。こういった属性を明かした民・維連携が急速に始まっています。

 厚生労働委員会では、塩崎恭久厚労相が、老人ホーム口利き疑惑で民主党から集中砲火を浴びました。塩崎さんは「メールはなぜか週刊誌に売られて、週刊ポストに載っているが、私文書なので出さずに説明を尽くしたい」とし、「元秘書は今どうしているかまったく分からない」と答弁しました。ぜひ、世襲議員の大臣をしっかり追及してほしいところです。

【大塚高司・国土交通政務官が女性暴力事件を謝罪し、太田昭宏大臣は不問に付す】

 国土交通委員会では、自民党の大塚高司・国土交通大臣政務官の女性への暴力事件が取り上げられました。今国会から国交委員になった民主党の後藤祐一さんは、被害女性(告訴状取り下げ)のけがの状況をしめした写真を見せました。



 この写真ですが、質疑中に分かったのですが、被害女性が伊吹文明衆議院議長宛に送った手紙に入っていたそうです。なぜ、民主党議員が持っているかは分かりません。

 
[画像]女性のけがの状況を説明する、大塚高司・国土交通政務官=自民党、大阪8区、2014年10月15日、衆議院国土交通委員会。

 大塚さんは、昨年2013年8月、当該女性と口論になり、軽傷を負わせたことを認め、「プライぺーとなことで、不起訴となっているが、謝罪したい」と認めました。この後の問答で、昨年9月24日に大阪・帝国ホテルで女性に謝罪したとしました。この間、自民党議員から「プライベートな話だろ」「国土交通行政の質問をしろよ」「土砂災害の方が大事だよ」といった野次が飛び続けました。後藤さんが指摘した、事件の5日後にファミリーレストランで大塚さんとその妻が女性にあったところ、女性が睡眠薬を飲み、倒れたが救急車が到着したときには、秘書が大塚さんがいたことを隠したのではないか。代理人弁護士が、女性の雇い主に対して解雇しないようにしてほしいと働きかけたのではないか。この2点については、明確な答弁をしなかったため、次回以降に質問するとしました。

 太田昭宏大臣は、政務官人事について、問われ、「女性への暴力はすでに大塚政務官も反省しており、謝罪をし、職務に専念すると表明している」として、不問に付すことにしました。

 

 公明党では、昨日の安保委一般質疑で、佐藤茂樹さんがガイドライン(日米防衛協力のための指針)について、年内に、安保法制再整備の全体像の提示とともに、合意すべきだと、主張したのに対し、けさのラジオ日本番組で山口那津男代表が、ガイドライン・全体像とも越年すべし、と語った、という記事を読みました。私は山口プランに賛成です。ただ、公明党らしさがかなり変質してきたように感じます。衆・外務委では、長島昭久さんが、初の公明党出身の防衛省政務三役の石川博崇政務官(参)に質問しました。

 あすは参議院の各常任委員会で一般質疑。衆議院でも、新大臣の総務委、経済産業委、環境委と、殊勝な、財務金融委、文部科学委も一般質疑がひかえています。

tag (宮崎信行)

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