[写真]民進党の岡田克也代表、2016年4月15日(金)、衆議院内、宮崎信行撮影。
民進党の岡田克也代表は、先月、平成28年2016年4月15日(金)の定例記者会見で、
連合加盟の産別の組織内候補として、合計12名の民進党公認候補(内定者)が、第24回参議院議員通常選挙(6月下旬から7月10日まで)をたたかうことについて、
「組織の中で非常に優秀な人材がえりすぐられて候補者になっている」 との認識を示し、
「ぜひ頑張ってもらいたい」 と語りました。
産別とは、産業別労働組合のこと。連合、日本労働組合総連合会は、産業別労働組合が加盟して組織しているので「連合」という名前になっています。このうち、会社員の労働組合の賃金交渉「春闘(しゅんとう)」は、会社ごとの労働組合がなるべく業界内で統一要求をつくって、労務担当取締役らと交渉することになっています。
実際の選挙では、参院選の、全国比例非拘束名簿式では、産別本部が候補者を擁立して、民進党が公認し、個人名での得票を競うことになります。おおむね、12万~18万票以上の得票で参議院議員のバッジが確実になります。その一方で、それ以外の選挙では、連合の地域協議会(地協)や、県庁職員を含んだ県別の労働組合、地場大企業の単位労働組合などが選挙の実働部隊だったり、選挙対策の立案・企画を担っている場合があり、民進党内でも様々な選対の構成があります。
参議院議院議席の獲得をめざす産別は12団体。
UAゼンセン(ゆーえーぜんせん)
基幹労連
自動車総連
JAM(じゃむ)
私鉄総連
電機連合
情報労連
自治労
電力総連
JR総連
日教組
JP労組
の12労組です。
このうち、基幹労連とJAMはこれまで協力して1人を推していましたが、今回は、基幹労連が元職の轟木利治(とどろき・としはる)さん、JAMが新人の藤川慎一さんを推すことになっています。このため、民進党系産別候補は、過去最多の12名となりました。
電機連合は新人の矢田稚子(やた・わかこ)さんを擁立。12名のうち唯一の女性。これまで公務員系の労働組合は女性比率が50%となっており、日本の政治で最も女性が活躍している分野ですが、会社員系労組でも女性が擁立されるようになりました。
自動車総連は毎回確実な選挙をしており、新人の濱口誠さんを擁立。
イオングループ労連や産経新聞労働組合が加盟する、UAゼンセンは元職の川合孝典さんが議席回復を目指します。
長年「春闘の歯止め」として活躍していた私鉄総連は、前任者の引退の後、2010年から「民主党」を応援。ただ、その名の時代には、ついに議席を得られず、市議になった人もいますが、心機一転民進党で初の参議院議院をめざして、森屋隆さんが出馬。
自治労は活動量が多い、現職の江崎孝(えさき・たかし)さん。
情報労連は、党務もこなす、現職の石橋通宏(いしばし・みちひろ)さん。
電力総連は、3期目をめざす、小林正夫さん。
JR総連は山手線や東北新幹線の運転士さんらが加盟する団体で、現職の田代郁(たしろ・かおる=男性)さんが出馬。
日教組は、長年参議院の会期末闘争の功労者ですが、現職の那谷屋正義(なたにや・まさよし)さんが3選をめざします。
JP労組は、郵便局の働く仲間で産別であり同時に単組ですが、難波奨二(なんば・しょうじ)さんが再選をめざします。
産別系で、元職が2人公認されるということは珍しいのですが、もう一度政権を担当できる政党になるためには、元職の復帰が第一。
議席を確保していた産別の新人擁立は同時に、ベテランの引退を意味します。自動車総連の直嶋元経産相、JAMの津田参議院厚生労働委員会筆頭理事、電機連合の加藤民進党参議院国会対策委員長の3名は、ひょうひょうと、引退します。3名とも与党時に政務三役を経験しました。
私自身、政権交代後の3年3カ月、NHK・朝日新聞ら既存メディアの政治部記者がこぞって、与党・民主党議員に張り付き、経済部・社会部らが各府省の大臣室を担当するなかで、最後まで競争力を失わなかったのは、産別と参議院の関係でした。これは、固有名詞が多い世界であり、既存メディアは固有名詞の間違いによる訂正を恐れるからだと分析しています。
今回は1998年の非拘束名簿式以降後、最多の12名、会社員系で女性の新人が擁立ということで、興味津々。産別系は、午後8時に数名が当選確実となり、それ以外の方は、午前2時に当確という非常に眠い世界なのですが、ぜひ、12産別が全員一等賞をめざしてもらえば、日本の政治は必ず良くなります。
とくにこの3年間、不景気だった業界も、過去の事例では、不思議と選挙では票が増える傾向にあります。
がんばろう。
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