【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

AI、3Dプリンター、ビッグデータの著作権の制限と保護、法案検討へ 知的財産推進計画2016

2016年05月10日 23時59分59秒 | 第194回臨時国会(国難突破冒頭解散2017年9月)

(投稿は11日で、それから、10日付にバックデートしました)

 政府の知的財産戦略本部は、平成28年2016年5月10日(火)、政策パッケージ「知的財産推進計画2016」をまとめました。

 全文は7万文字で、このブログ(2万文字まで)では紹介できません。

 ただ、法改正の検討が必要と思しきメニューは一部で、

 (1)人工知能AIがつくる創作物が、人間がつくった創作物と似ている場合の、著作権の保護や、逆に二次利用のしやすさなどの著作権制限。

 (2)3Dプリンターなどのデータの保護。

 (3)ビッグデータなどの情報財の保護。

 に関して、現行法と現実との検討がなされることになりました。

 「民法の特別法」のうち、知的財産権に関する法律には次のようなものがあります。

 著作権法(昭和45年法律48号)

 商標法(昭和34年法律127号)

 特許法(昭和34年法律121号)

 不正競争防止法(平成5年法律47号) 

 「知的財産推進計画2016」を受けて、改正法案は、平成29年2017年以降の国会に提出することになりそうです。

 このほか、利活用の面から、文部科学省、文化庁、農林水産省、経済産業省、特許庁、公正取引委員会などでの検討作業が活発化しそうです。

 このエントリーの本文記事は以上です。 


酒のディスカウントを規制する酒税法改正案が超党派で起草し、全会一致【5月10日(火)】

2016年05月10日 17時44分35秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 長く検討が続いていた、酒のディスカウント(不当な安売り)販売を規制する、「酒税法改正案」(190衆法おそらく34号)が起草され、全会一致で可決しました。今月中に成立し、1年以内に施行の見通し。

 午前3時に「パナマ文書公開」で明けたきょうは、くしくも衆参とも財金委で動きがありました。衆では、異次元の金融緩和を続ける日銀審議委員9人のうち2人の「東京大学大学院博士課程修了」者がいずれも博士号を持っていないことが分かりました。検索が増えている、ビットコインとフィンテックの法案は参委員会での審議入りは見送られました。宅建業法改正案も参での審議入りはありませんでした。

 残り会期3週間。火曜日は参議院の常任委員会の定例日で、全11委員会中10委員会(文教科学委員会)が開かれました。また、労働基準法改正案と民法債権編改正案は審議入りしておらず、今国会で成立しないことは確実な情勢となっています。

【平成28年2016年5月10日(火)衆議院財務金融委員会】

 「酒税法改正案」(190衆法35号)が宮下一郎委員長から提案され、全会一致で可決しました。本会議で提出され、今月中に成立し、1年以内に施行される見通し。酒類の安売りを制限するために、財務省と公正取引委員会の調整のしかたなどを盛り込んだ法案のようです。


●桜井真・日銀審議委員の経歴詐称疑惑晴れず、岩田規久男副総裁も博士号なし。

 これに先立つ一般質疑。

 1990年代前半までに活躍した人物は、名がある人でもグーグル検索で情報が引っかからない場合がありますが、桜井真さんも国会同意人事の報道が出た時点では一つも引っかからず、大変不思議な人物だと思っていました。

 民進党の宮崎岳志さんの質問に答えた桜井審議委員は、「博士号は持っていない」としながらも、東京大学大学院博士課程修了の経歴は日銀の基準によるもので間違いないとしました。またこれに先立つ修士論文はわずか4ページの分量だったことを認め、「東大紛争で東大の大学院教育が混乱していた」からだと説明しました。財務省や内閣府の研究員については、各々の担当者から在籍していたことが確認されましたが、なぜかすべて年月がずれていました。これについて桜井さんは「実は議運に提出された資料を初めて見た」とし、「異動に次ぐ異動で混乱していた」としましたが、内閣総務官室は「桜井さんから提出された資料にもとづき、作成した」と説明しました。岩田規久男副総裁も、博士論文はとっていないながらも「上智大学に就職するときに東大の担当者に聞いたら、あなたの場合は修了でいいと言われた。当時の東大の担当者はそういう指導をしていた」と説明しました。

●銀行法改正案の参議院での審議入りは次回以降に。
【同日 参議院財政金融委員会】

 「JBIC国際協力銀行法改正案(190閣法21号)」が共反対、自公民賛成で可決しました。あす成立へ。共産党は反対討論で、「不必要な融資を助長し、アジアでのインフラ競争を過熱させる」ことを懸念しました。

●宅建業法改正案の参議院委員会での審議入りは次回以降。
【同日 参議院国土交通委員会】

 「港湾法改正案」(190閣法17号)を石井啓一国土交通大臣が趣旨説明しただけで散会しました。宅建業法改正案の審議入りは後日となります。

【同日 参議院経済産業委員会】

 「使用済み核燃料の再処理積立法改正案」(190閣法17号)は共反対、自公民賛成多数で可決しました。

【同日 参議院内閣委員会】

 「国立研究開発法人の研究開発促進法案」(190閣法30号)は山本太郎さんが「理科学研究所のSTAP細胞不正疑惑でずれ込んだ」とする修正案の提出や、反対討論を経て、共生反対、自公民賛成多数で可決しました。

【同日 参議院総務委員会】

 「ビッグデータを活用するための個人情報保護法改正案」(190閣法48号)が趣旨説明されました。質疑は後日。あさって木曜日午前10時から宇賀克也東大教授らを招いての参考人質疑をやることになりました。

【同日 参議院外交防衛委員会】 

 「日本オマーン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約2号)「日本イラン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約3号)はともに共反対、自公民賛成多数で承認されました。

 この後、一般質疑を経て、「日本イラン受刑者移送協定条約の承認を求めるの件」(189条約15号)が審議入りしました。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 一般質疑の後、「特定B型肝炎ウィルス被害者給付金法改正案」(190閣法27号)が審議入りしました。

【同日 参議院環境委員会】

 一般質疑の後、本会議から付託された、「地球温暖化対策推進法改正案」(190閣法51号)が趣旨説明されました。

【同日 参議院農林水産委員会】

 一般質疑の後、「森林法などの一括改正法案」(190閣法50号)が審議入りました。

【同日 参議院法務委員会】

 司法制度改革の議論が続き、審議の出口が見えてきたようです。

【同日 衆議院本会議】

 連休前に委員会審査を終えていた「特定商取引法改正案」(190閣法44号)「消費者契約法改正案」(190閣法45号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 野党側筆頭理事に泉健太さんが就任。

 「海上交通法改正案」(190閣法37号参先議)が趣旨説明されました。なお、日切れ指定の都市再生法の改正案はいまだに審議入りしていません。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 「漁船損害補償法及び漁業災害補償法の改正案」(190閣法26号参先議)が趣旨説明されました。

【同日 衆議院法務委員会】

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)の参考人質疑がありました。愛知の全労連の会長は、かなり頼りになる方のようです。民法債権編改正案は今国会成立しないことは確実な情勢。

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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民進党がパナマ文書調査チームを立ち上げ、安住淳国会対策委員長「正直者が馬鹿をみないように」

2016年05月10日 13時18分31秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]緒方林太郎民進党衆議院議員、2015年7月10日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 日本時間で、2016年5月10日(火)午前3時に、パナマ文書が国際的な民間報道団体「ICIJ」のウェブサイトで公開されたことについて、

 民進党の安住淳国会対策委員長は同日朝の記者会見

 「民進党は重大な関心をもっている。正直者が馬鹿をみることにならないよう、支給対応する」とし、

 国対内に「パナマ文書調査チーム」を立ち上げた、と発表しました。

 座長には、外務省出身で英語とフランス語に堪能な、緒方林太郎衆議院議員=画像=を充てました。副座長は、玉木雄一郎・元大阪国税局総務課長。

 法人税減税を進める安倍自民党に対して、政権担当時に政策減税の整理など法人税増税を進めた民進党との違いを際立たせる考えもありそうです。

 安住国対委員長は、国税庁を所管する財務省の大臣経験者。

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