宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成28年度2016年度第1次「熊本復旧」補正予算案が衆を通過96・7兆円【5月16日(月)】

2016年05月16日 17時15分44秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]きょうの国会議事堂裏側、宮崎信行撮影。

【平成28年2016年5月16日(月) 衆議院予算委員会】

 平成28年度熊本地震(熊本県及び大分県)の復旧等予備費0・7兆円をつくるなどした、平成28年度2016年度第1次補正予算案を、起立総員の全会一致で可決しました。

 補正後の一般会計は96・7兆円です。

 今週は月曜日が衆予、火が参予、水午後が党首討論と、NHK国会中継3連続。6月1日の会期末、7月10日の参院選に向けて野党から最後の弾込めがありました。

 総括質疑(基本的質疑)では、

 民進党の岡田克也代表が所得税プラス住民税が1974年の93%から現在55%まで、累進が下がっていると指摘。「93%は行き過ぎ」としながらも、現在の55%から引き上げるべきだとの考えを示しました。インターネット中継では岡田さんが「過去二十数年間下げ過ぎた」と言ったときに、竹下亘予算委員長の「そうかなあ」という声が入りました。竹下委員長は言うまでもなく、元総理・元蔵相の竹下登先生の後継者(弟)。「二十数年前」、竹下内閣は消費税を上げる見返りに(物品税を廃し)所得税を引き下げる「竹下減税」をしました。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、「金融緩和は日銀だけでなく、ECB(欧州中央銀行)やFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)もやっている」と誤った認識を示しました。FRBはとっくに緩和を終えています。 

 松野頼久さんは熊本1区選出の観点から「壊れた建造物には私有財産もあり、このさい壊して片づけてしまおうという考えもある」と指摘しました。

 山尾志桜里・民進党政務調査会長に対する塩崎厚労相の答弁で「保育士の平均給与は女性労働者の平均と比べて低い」との答弁がありました。これに山尾さんが猛反発。なぜ女性平均と比べるのかと追及しましたが、安倍首相は「(31日にも決定するとみられる)ニッポン1億総活躍プランに入れる」との見通しを示しながらも、山尾さんの問いに答えず。山尾さんは「男尊女卑の政権だ」としました。私は山尾さんの言う通りだと思います。

 玉木雄一郎さんは、フランス検察当局が、2020年東京オリンピックパラリンピック誘致をめぐる、2・3億円の裏金について、竹田恒和さんに聞きました。「誘致委員会」はすでに解散しているそうで、「オリンピック委員会」の竹田さんが出てきたわけですが、会長は継続しているとの由。もしも、会長まで代わっていたら闇の中に消えてしまったかもしれません。安倍首相と馳文科相の清和会コンビは、「フランスの検察当局の捜査に協力するよう命令している」としました。今後、なんらかの対応が必要だと考えます。

 総括質疑(基本的質疑)の後、しめくくり質疑。

 討論では、民進党が「予備費の使用についてしっかり点検していく」としながらも、賛成に回りました。

 採決の結果、全会一致で可決しました。  

【同日 衆議院本会議】

 「平成28年度第1次補正予算案」が予算委員会から緊急上程されました。

 委員長の審査報告の後、討論は無く、採決。「異議無し」。

 全会一致で可決し、7分ほどで、散会しました。

 あす成立へ。

【同日 参議院】

 審議はありませんでした。

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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民進党の岡田克也代表、自民党の岸田文雄外務大臣の官邸での記者会見を批判

2016年05月16日 10時57分31秒 | マスコミ批評

 民進党の岡田克也代表は平成28年2016年5月16日(月)の衆議院予算委員会総括質疑(補正予算案の基本的質疑)のなかで、

 自民党による報道機関への圧力の一つとして、

 岸田文雄外務大臣が首相官邸内で記者会見をしていることを批判しました。

 外務省ウェブサイトの大臣記者会見記録を見ていただくと分かりますが、岸田文雄外務大臣は、外務省ではなく、首相官邸内で記者会見を開いています。

 岡田さんは「官邸で記者会見をすると、フリーランスは入りにくい。本省でしてくれると入りやすい」と語り、官邸での会見が記者クラブ員以外を排除するねらいがあるのではないか、との一部フリーランス記者の見立てを採用して、岸田外相らの姿勢を批判しました。時間の関係で、答弁はありませんでした。

 平成24年2012年12月の自民党への政権交代以降、フリーランスが政府機関や、自民党本部の記者会見に参加しづらくなっています。

 私は永田町訳知りので、よく相談を受けますが、2012年12月から、「自民党なんてそんなもの」という考えで、一度も政府機関や自民党の記者会見に申し込んだことがないので、逆に情報がなくて、このブログに書けない状態が続いていましたが、自民党政権下では言論統制が続いているような雰囲気が、首相官邸・自民党本部・霞が関を覆っているような気が、国会議事堂と民進党本部にしかいない私にも伝わりつつあります。

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竹田恒和・JOC日本オリンピック委員会会長が参考人招致 衆議院予算委員会[追記有]

2016年05月16日 09時04分20秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 衆議院予算委員会(竹下亘委員長)は平成28年2016年5月16日(月)、

 2020年東京オリンピック・パラリンピックを司る、

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長を参考人として呼ぶことを全会一致で決定しました。

 竹田参考人は、午前9時半以降の、民進党のいずれかの議員の質疑で登場するとみられます。

 フランスの検察が、JOCから競技団体の国際組織の前の会長側に、2億円超の不明朗なお金が振り込まれていた件について、捜査していると報じられています。

 民進党は先週金曜日に、調査チームを立ち上げていました。

[追記 同日正午過ぎ]

 午前11時半過ぎに、民進党の玉木雄一郎さんの質疑に対して、竹田恒和さんが登場しました。立場は、前身組織である「招致委員会」のトップとして。
答弁によると、「ブラックタイディング社」が、国際陸連会長(当時)の息子の友人が経営している会社とは知らなかったとのこと。そして招致活動で、最終的な票読みなどで欠かせないロビー会社だったとしました。ただ、報告書などは受け取っていないとしました。

 馳文科相は、フランス検察当局に協力するよう命令している、と答弁しました。

 竹田参考人は、招致委員会の会計資料は「水野さん」が保管しているとしました。この「水野さん」は日本を代表するスポーツ用品メーカーの経営者のことだと思われます。

 玉木さんは、26日27日の伊勢志摩サミットで、スポーツにおける腐敗のG7による禁止が議題となっていることから、それよりも前の集中審議と、水野さんらの参考人質疑などを求め、竹下委員長が引き取りました。

[追記おわり]

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