【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

二大政党政調会長TV討論で、9年前「逆転の夏」の再来あるか 山尾志桜里さん

2016年05月21日 18時52分43秒 | 第24回参院選(2016年7月)

 終盤国会への関心が高まったようで、今週は月曜日から金曜日まで、「訪問者1000IP以上」を達成しました。連休明けでは初めてです。ありがとうございます。

 あれ(宮澤解散)から23年経っても、テレビ朝日で元気に番組を続ける、田原総一朗さんの「激論クロスファイア」(BS朝日)。

 第24回参院選を、51日(投票日含む)後にひかえた、平成28年2016年5月21日(土)の放送分で、民進党の山尾志桜里政調会長と自民党の稲田朋美政調会長が対決しました。

 アベノミクスが主題で、稲田さんが「企業収益は過去最高だ」としたのに対して、山尾さんは「実質賃金は下がり続けている」と返しました。

 稲田さんがGDPの計算式の6割を占める個人消費に拘泥したのに対して、山尾さんは「人間への投資が大事だ。非正規雇用の割合が上がっていることに歯止めをかける。私たちは長時間労働を規制する」としました。

 第47回衆院選のNHK日曜討論で、稲田さんは労働者派遣法の専門26業務を、「専門26業種」と言い間違えたうえ、「金融緩和による円安で、海外に出て行った工場がどんどん日本に帰ってきています」と発言し、当時の民主党の福山哲郎政調会長から、「稲田さん、そういう(事実と反して根拠がない)ことは言わない方が良いですよ」と、討論ではなく、たしなめられる場面がありました。

 9年前の第21回参院選では、自民党の中川昭一政調会長(故人)が、当時3期生の松本剛明・民主党政調会長と対峙。この中で、中川さんが「最低保障年金+所得比例年金」のグラフで、ある一定の年収から所得比例部分が漸減することを誤解し、ある一定の年収から年金支給がゼロになってしまうと勘違いし、「一定の年収の65歳は働くのを辞める」という趣旨の批判を繰り広げました。これについて、残り1週間となる選挙サンデー前後のTV出演で、中川さんが「私の個人のホームページにもすでに謝罪と訂正をしているが、民主党の最低保障年金に対する反論に誤りがあった」という趣旨の謝罪からスタートし、始めから劣勢になる場面が見られました。

 第21回参院選では、公示日当日にマニフェストを決定したことで、「3つの約束(消えた年金、子ども手当、農業者戸別所得補償)」」は投票日まで説明の順番が変わらずに維持し、歴史的な「逆転の夏」を実現することができました。

 6月から7月にかけての政調会長対決も民進党に軍配が上がりそうな兆しで、後は組織力がすべてを決するという雰囲気を感じます。

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