【平成28年2016年5月11日(水)衆議院法務委員会】
●外国人技能実習生法案「食費と居住費の実習生負担を機構に提出義務付け」で自公民修正案提出。
久しぶりの自公民合意です。
政府が国会に提出してから1年2か月以上たった、「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)。それと、「入国管理法改正案」(189閣法31号)。
自民党の吉野正芳さんと民進党の逢坂誠二さんら自公民3党が共同で修正案を提出。政府原案とならべて審議したうえで、次回以降に採決することになりました。
修正に至った経緯は、「当委員会での数次にわたる参考人質疑と視察」(逢坂さんの修正案の趣旨説明)によって、修正の機運が出たようです。
新しくできる「機構」に対して提出する、外国人技能実習生の受け入れ実施計画書に、報酬、労働時間、休日、実習生が負担する食費、実習生が負担する居住費を明記しすることを義務づける修正案です。この、「実習生が負担する食費」と「実習生が負担する居住費」を明記させる発想に、参考人質疑で得た知見を感じます。修正案では施行日も修正しました。社長たちも実習生を搾取するよりも、イノベーションiPS山中博士の助手の助手の助手に顕微鏡をレンタルする事業でも始めた方が、よっぽど先の見通しは明るいでしょう。次回も修正案を審議することになり、民法債権編改正案(民法債権編抜本改悪法案、189閣法63・64号)の廃案が確実な情勢となっています。
【同日 参議院本会議】
まず、「特定商取引法改正案」(190閣法44号)の趣旨説明と代表質問がありました。今国会の参本では珍しく議場内交渉となり、河野太郎消費者相に答弁漏れがあることが分かりました。ここで、再登壇した河野大臣を、自民党が万雷の拍手で迎える与党らしさに、前議運筆頭理事の民進党の「ミスター正義」前川清成さんが元気に声を出していたようです。
この後、「日本オマーン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約2号)と「日本イラン投資協定の条約承認を求めるの件」(190条約3号)を採決。投票総数231、賛成220、反対11で、両院承認されました。
「改正JBIC国際協力銀行法」(190閣法25号)は、231、213、18の賛成多数で可決し、成立。公布日に施行。
「特定国立研究開発法人特別措置法」(190閣法32号)は、230、214、16で、衆議院で修正された政府案を可決し、成立しました。
「改正使用済み核燃料再処理積立法」(190閣法17号)は、投票総数226、賛成200、反対26の賛成多数で、衆修正の政府案を可決し、成立しました。
【同日 参議院地方・消費者問題に関する特別委員会】
「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)が審議され、採決。共反対、自公民賛成多数で可決しました。
きょうの本会議で審議した「特商法改正案」に、「消契法改正案」をあわせて、次回審議入りするのだろうと思われます。
【同日 衆議院厚生労働委員会】
「障害者総合支援法改正案」(190閣法39号)の審査が終わり、採決。全会一致で可決しましたが、傍聴席から「ふざけんな!」との大声が上がりました。ちょっと事情が分かりませんが、この法案は高齢者である障害者が介護保険を使いやすくするなどの包括的な改正案だと理解しています。
●発達障害者支援法改正案が超党派の議員立法で起草され、全会一致で可決。
この後、議員立法として、「発達障害者支援法改正案」(190衆法おそらく36号)が起草されました。渡辺博道厚生労働委員長の説明によると、自治体が発達障害者の特性に配慮して有機的な連携を図りながら、地位kの事情を踏まえて身近な支援体制で相談などに乗るよう義務付ける内容のようです。
採決の結果全会一致で可決し、委員長が本会議にはかることになりました。
ともに、今国会で成立する見通し。
【同日 衆議院経済産業委員会】
あの震災国会で岡田3兄弟(与党の岡田克也幹事長、玄葉光一郎政調会長、安住淳国対委員長)による総理大臣の名誉ある撤退などで閣法成立率80%を成功し国難を軽減した憲政最大の名シーンの舞台となった、再生可能エネルギー買い取り法。
固定価格買い取りの定着による太陽光エネルギーの普及を受けて、手直しする「FIT再生可能エネルギー買い取り法改正案」(190閣法28号)は共反対、自公民賛成で政府原案通り可決しました。共産党は独自の修正案を出しましたが広がりませんでした。
附帯決議では、民進党の升田世喜男さんが合計13本の附帯決議案を説明し、採択されました。青森1区の升田さんのウェブサイトには「すべては青森のために」とあるのですが、青森の代議士の原発・再生エネをめぐる問題への情熱の強さが印象的な今国会です。
【同日 衆議院国土交通委員会】
「海上交通法改正案」(190閣法37号参先議)が全会一致で可決しました。参議院先議ですから、次の衆議院本会議で可決すれば、成立します。
【同日 衆議院農林水産委員会】
「漁船損害補償法及び漁業災害補償法を改正する法律案」(190閣法36号)が全会一致で可決しました。参先議なので次の衆本で成立のはこび。
【同日 衆議院文部科学委員会】
「国立大学法人法改正案」(190閣法35号)が共反対、自公民賛成多数で可決しました。参先議なので、次の衆本で成立のはこび。
【同日 衆議院決算行政監視委員会】
「平成26年度予備費使用総調書その1」と「平成26年度予備費使用総調書その2」、ならびに、「平成26年度国庫債務負担行為総調書その1」の3案が議題となりました。
採決の結果、民共の反対、自公の賛成多数で承諾されました。次の衆本で承諾され、参に送付されます。
【同日 参議院国際経済・外交に関する調査会】
調査報告書が仕上がったようで、委員間協議として、自民党から「両論併記の部分は良い」、共産党からも意見が出ました。いったん休憩した後、採決し、調査報告書は全会一致で認められ、議長に提出することになりました。柳田稔会長が本会議で報告します。
調査報告書というよりも「柳田リポート」という呼び方でもいいのではないでしょうか。1990年衆議院初当選で、岡田克也さんとともに、平成6年政治改革4法と細川・羽田内閣を全力で支えた柳田稔さん。第24回参議院議員通常選挙の広島選挙区公認候補として出馬します。岡田代表率いる民進党が何が何でも再選させねばならない政治家であることは言うまでもありません。
【同日 参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】
江崎孝委員長(第24回参院選民進党全国比例公認候補内定者)のもと、大臣所信に対する一般質疑がありました。
【同日 参議院政府開発援助等に関する特別委員会(ODA特)】
駐日ケニア大使などからの参考人質疑がありました。ODAのあり方に対する大使らの参考人質疑は例年同時通訳で、英語版もインターネット生中継されます。
【同日 衆議院外務委員会】
一般質疑がありました。
このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
Twitterアカウントを再開しました。
このブログは以下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
日本法令索引(国立国会図書館)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせ終わり]