[写真]菅首相、宮崎信行撮影。
政府は「日英EPA」を決定。国会は今週が年内のピークになります。
【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月4日(水)】
菅首相就任にともなう基本的質疑は2日目で、衆議院は終わりました。年内にふたたび集中審議7時間コースをやるよう期待します。
新聞報道では「学術会議で首相答弁滅裂」という論調で伝えられましたが、私は2日間通じて、菅首相の答弁はきわめて安定していたと感じます。叩き上げだけに「CVID」のアルファベットの読み上げ発音はよくなかったです。また初入閣のうち、井上科技・消費者相、岸防衛相、野上農相の答弁はスムーズ。登場しなかった平沢復興相、坂本地方創生・少子化相はスキャンダルがあり、坂本さんの奥さんと違うお子さんの問題は「お金の始末がついている」ようです。複数の法案をかかえる野上農相と宮内秀樹副大臣など地雷原はありそうですが、組閣後の文春砲と予算委員会は不発に終わった公算です。コロナで有権者も関心を持ちきれない面もあるでしょう。
前回に続き、新・立憲民主党は合計11名が登場。新党だけに実力者が聞きたいことを聞く形になったようで、11名中9名が学術会議を聞きましたが、「人事なのでコメントを差し控える」の常套句が勝った格好。聞かなかったのは、2名で、8年前のきょう「解散シナリオ」を教えてくれた尊敬する岡田克也さんと、東京での結婚披露宴にお招きいただいた石川香織さんのお二方でした。石川さんの夫からは私に対して「英語が堪能なのに、小沢一郎さんの批判をするのは、もったいない」と、人間は成長しない資本であり、土地機械建物が成長する資本だとする私の資本主義社会観とは違う。
政府は「日英EPA」を決定。国会は今週が年内のピークになります。
【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月4日(水)】
菅首相就任にともなう基本的質疑は2日目で、衆議院は終わりました。年内にふたたび集中審議7時間コースをやるよう期待します。
新聞報道では「学術会議で首相答弁滅裂」という論調で伝えられましたが、私は2日間通じて、菅首相の答弁はきわめて安定していたと感じます。叩き上げだけに「CVID」のアルファベットの読み上げ発音はよくなかったです。また初入閣のうち、井上科技・消費者相、岸防衛相、野上農相の答弁はスムーズ。登場しなかった平沢復興相、坂本地方創生・少子化相はスキャンダルがあり、坂本さんの奥さんと違うお子さんの問題は「お金の始末がついている」ようです。複数の法案をかかえる野上農相と宮内秀樹副大臣など地雷原はありそうですが、組閣後の文春砲と予算委員会は不発に終わった公算です。コロナで有権者も関心を持ちきれない面もあるでしょう。
前回に続き、新・立憲民主党は合計11名が登場。新党だけに実力者が聞きたいことを聞く形になったようで、11名中9名が学術会議を聞きましたが、「人事なのでコメントを差し控える」の常套句が勝った格好。聞かなかったのは、2名で、8年前のきょう「解散シナリオ」を教えてくれた尊敬する岡田克也さんと、東京での結婚披露宴にお招きいただいた石川香織さんのお二方でした。石川さんの夫からは私に対して「英語が堪能なのに、小沢一郎さんの批判をするのは、もったいない」と、人間は成長しない資本であり、土地機械建物が成長する資本だとする私の資本主義社会観とは違う。
枝野幸男・立憲民主党代表は、新型コロナウイルス感染症で、シングルマザーのうち1割が収入がまったく途絶え困窮していると指摘。菅首相は「自治体のひとり親家庭の個々のニーズに応じた支援を国も支援する」としました。枝野さんは「調査だけでなく、私たちのところにも直接来ている」とし、4年前の「保育園落ちた」のように、女性の生活に関する声が届いていることを強調しました。
枝野さんは「閣内不一致ではないか」として、2050年カーボンニュートラルに関する、首相、経済産業相、環境相の認識を確認。梶山経産相は「原発の新増設について予定はない」としましたが、首相は原発と石炭火力発電を「技術革新する」としており、2050年ゼロの前に新設すると見て取れる発言をしています。おそらく生煮えのまま出してしまったのでしょう。また、安倍内閣は、まるっきり閣内不一致が露呈しない内閣でした。田村厚労相と平井デジタル相との関係も含めて、今後も閣内不一致が表面化することもありそうです。
枝野さんは日本学術会議で、形式的任命になったのは、中曽根首相の答弁以降かと質問。近藤内閣法制局長官が手を上げましたが、まずは、加藤官房長官が答弁し、「あとは法制局長官が答弁します」と語りました。しかし、ここで、枝野さんが法制局長官は政府特別補佐人として登録していない、と強調。金田勝年委員長は指名しましたが、「戻ってください。説明します。質問者に確認したら、登録されていません。お戻りください」として自席に返しました。しかし、これ以外は、ほとんど混乱がなく、時計が止まることもありませんでした。
また、月曜日の質疑を傍聴した、上西充子・法大教授が自身のツイッターで、ポイントだと思ったが報道されていないと指摘していた、川内さんに対する首相の「理論的には川内さんの言う通り」との答弁について、枝野さんが最後に取り上げました。枝野さんは「欠員は違法状態なのだから、学術会議が6名を推薦してくれないと、任命できず、違法が続きますよね」と指摘し、川内さんの提案の通り、6名を追加の推薦名簿でもらって首相が任命する善後策について問いました。菅さんは「当日もこういう答弁をしている」とし「新たに会員を任命するのは、改めて手続きをする必要がある」と理論をとなえて終わりました。
2番手の岡田克也さんは、反知性主義者なのか学術会議にはふれず、外交・安保に限りました。岡田克也代表のカウンターパートの小泉純一郎首相は安倍晋三内閣官房副長官を引き連れて平壌を訪問して、日朝平壌宣言に署名し、拉致被害者の一部帰国を実現し、国民運動の政府主催とあわせて安倍さんの2度の首相就任の道を開きました。岡田さんは「北朝鮮との交渉を見ると、残念ながら拉致被害者がかえることはなかった」とし、菅さんは「我が国が自主的なとりくみをしており、今後交渉していく」とし、引き継いだとの認識を示しました。岡田さんが代表を退いた後の2017年の国連総会で、安倍首相が「必要なのは対話でなく圧力だ」と語ったことについて、平和安全法制で消えた「周辺事態」概念も念頭に、武力行使があったら日本が危なかったではないかとにじませました。茂木外相が「諸懸案があったが、包括的に解消する」と答弁しました。年末の新・防衛大綱の前提になる、敵基地攻撃能力の検討について、閣議決定ではないが菅内閣も踏襲するとの答弁があり、岸防衛相も答弁で認めました。
本多平直さんは、1933年の滝川事件は、京都帝国大学の刑法の教授がなんとか史観だとにらまれ、人事と出版法をつかって弾圧され、戦争につながったとし、首相も答弁で認めました。そして、菅人事について、総務省課長の更迭などで、わざと欠員のままにして、周辺に恐怖心を与えるやり方が見受けられると指摘しました。
本多さんは、前回の学術会議人事で、杉田和博・内閣官房長副長官と日本学術会議事務局長の官僚コンビで、調整して推薦させず、そのことを官房長官にあげてない可能性があるとし、菅さんは「承知していない」と答弁しました。杉田さんの参考人招致はけっきょく実現しませんでした。
石川香織さんは、1次補正の高収益次期作転換支援交付金の予算総額が不足して、農林水産省の対応で大混乱が起きていることについて「知らない人からも私に電話がかかってきている」として首相に3次補正での予算追加を直訴。首相は「生産者のみなさんが安定して経営できるよう支援したい」と述べるにとどまりました。
この後、逢坂誠二さん、後藤祐一さん、辻元清美さんが首相に迫りました。
共産党の志位和夫さんは、学術会議に特化。
維新の浦野靖人さんは「まずこの話からしないといけない。日曜日の大阪都構想。負けました。(永田町で)心配されていますが、私たちは元気です。ただ、大阪府議会議員時代からかかわっていた私としても、さすがに3度目はないかと思う」と語り、慰留報道が出た松井一郎代表が党首を辞任することを予算委で明言しました。浦野さんは「辻元さんは選挙に強いので」とし、大阪府内での国政選挙でも10年越しの維新ブームの終息に不安を見せました。この後、ハンコ問題を取り上げ、平井デジタル相は「日本には読み仮名を広く公示するしくみはない」などと答弁し、協力を求めました。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「100兆円の追加経済対策」を提案しました。同党は9月15日の発足に前後して、玉木さんを2期目から支える、元科学技術庁官僚の井山哲政策秘書が党の広報もしていましたが、今週になって、新しい党職員の人が見つかり、引き継ぐとのことです。玉木さんは質問の中で、「学生から悲鳴が聞こえている。大学ごとの対応に任せていてはだめだ」とし萩生田文部科学相のリーダーシップに期待しました。国民民主党さんが学生部で玉木代表や山尾さんらと夜通し討論合宿などをしたら、いい思い出になり、就職で不利にはならなそうですから、学生たちのいい思い出づくりのためにも、玉木党にがんばっていただきたいような気もします。小選挙区では一本化してほしいですが。
【閣議 きょう】
祝日のため、水曜繰り下げ定例閣議となりました。「日英EPAの承認を求めるの件」が決定され、国会に提出されました。
【衆議院議院運営委員会理事会 きょう】
開かれましたが、なにか日程が決まることは無かったようです。国会同意人事もあります。
●参議院
とくになし。
●明日の予定
参議院予算委員会が開かれます。
このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki