渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【岡田克也】安倍前首相「桜を見る会前夜祭」報道で「読売新聞の報道は、秘書が書類送検され、一件落着のシナリオへの誘導ではないか」との見方を示す

2020年11月25日 18時48分49秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]お父さんが同期当選で新生党出身という共通点がある立憲民主党の金子恵美衆議院議員(左、福島1区)と話す岡田克也常任顧問、ことし2020年9月15日、立憲民主党結党大会会場で、宮崎信行撮影。

 枝野幸男・立憲民主党代表を、常任顧問の肩書で全力で支え、今国会から衆議院予算委員の現場に9年ぶりに復帰した岡田克也さんは、「予算委員会の権威が問われる」と嘆きました。

 内閣府主催の「桜を見る会」の安倍晋三事務所主催の「前夜祭」の収支について、東京地検特捜部が秘書らを任意で事情聴取したとの報道を受けての発言。

 これは、テレビ入りでは今年最後と思われる、衆議院予算委員会に出席した、きょう令和2年2020年11月25日(水)に、メールマガジンなど各種SNSで発信しました。

 岡田さんは「誰が考えても夜の一流ホテルの立食パーティを5000円ではできない」とし、費用の一部を事務所が負担したことについて、「安倍さん本人はきょねんの年末に確認したが、5000円以上の支払いはないと事実と異なる説明が、事務所の秘書によりなされたことも報じられています」としました。

 これについて、安倍さんの予算委員会での答弁は結果的に嘘だった可能性が高いとしました。

 そのうえで、「私がとくに気になるのは、この問題がまず読売新聞で報道され、その後各メディアが同様の報道を行いました」とし、「意図的な情報リークがなされている訳ですが、誰が何の目的で行っているのでしょうか。先読みすれば、秘書が収支報告書に記載しなかったということで書類送検され、一件落着というシナリオが既にあり、それに沿った誘導がなされているのではないかと思われてなりません」との見立てを述べました。


[写真]22日付の読売新聞1面。

 岡田さん自身は、もともと政治とカネのリクルート事件による政界刷新の流れで、土井たか子さん率いる社会党ブームに対抗して、海部俊樹首相・小沢一郎幹事長が、世襲議員でない若手を探すなかで、竹下登・竹下派会長のスカウトで政界入りしました。そのため、政治とカネには超党派でつねに改革の中心にあり続けていきました。

 政治資金に関して、日清製粉が、その在庫の一部は国家備蓄の一部だとみなす法令による補助金を受けていることを知らずに献金を受け取っていたことを認めて、返金、政治資金収支報告書訂正をしたことがありますが、それだけです。支出についても質素である一方、私設秘書が私有する仕事用車の損害保険料の一部を肩代わりしていることを新聞から取材されると、逆に、その正当性をとうとうと強調して継続するなど、「クリーンとはオープンだということだ」との持論を維持し続けています。それだけに、5年で900万円という自民党の永田町を含んだ世間とのズレを示すうえで、まさに絶妙にズレた金額に、いかりを隠せないようです。

 もちろん、小沢一郎さんのように解党ビジネスで濡れてであわの銭儲けなどしたことがありません。

 しかし、ことし、2003年から2005年にかけての岡田代表番記者の同窓会に招かれ、大いに楽しみました。ただその中で、その当時各社政治部長から「野党民主党の岡田代表周りの不協和音を集めろ」との命令が下っていたことを知ってショックだったようです。そうやって菅直人代表のハプニング辞任で若い代表を持ち上げた勢力の中に、その座を自ら揺さぶる勢力がいくつもあったことがその後の分裂につながっていったようです。

 正直、今回の報道をめぐる世論は、「秘書が書類送検されて手打ちだろう」という冷めた目が大半のようです。もちろん、告発状が出されたら、特捜部は必ず捜査をしなければなりません。

 しかし、国会で嘘をついていたことは明白。2017年以降の国会は、森友も、加計も、桜も、まったく自らの手で浄化できていません。2017年10月の解散総選挙で安倍自民党が一定の信任を得たことは事実ですが、そろそろ、真実は白日の下に晒すということをしないと、民主主義が死ぬ日も近いでしょう。

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【11/25】今年最後のNHK国会中継菅首相「政府の役割は暮らしを守ることで、それから命を守る」に朴訥の説得力、安倍晋三さん証人喚問要請衆参予算委

2020年11月25日 17時27分05秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]辻元清美さん、先々月2020年9月15日、東京・港で宮崎信行撮影。

 NHK国会中継は、きょうが今年最後となった、と思われます。これは政局に関係なく、コロナの進行が分かりませんから、与野党問わず年内にもう1度閉会中審査をしてほしいところです。

 さて、当ブログは一昨夜から「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記 永田町霞が関影響力ナンバーワン」のタイトルにかえたのが良かったのか、きのうのページビュー数が3・5万を超えて、月間105万ペースとなりました。

[画像]2020年11月24日付の当ブログのアクセス解析。

 コロナ禍でのリモートワーク比重の高まりもあってか、偉い先生からご指導や締め付けもこないため、強気に出ましたが、「影響力ナンバーワン」に異存があるかたはご連絡いただきたい。
 
【衆議院予算委員会 令和2年2020年11月25日(水)】

 理事会が15分前後遅れました。

 内外の諸情勢についての集中審議。

 立憲民主党の枝野幸男代表。内閣府主催の「桜を見る会」の「前夜祭」を安倍晋三事務所が主催し、会費5000円の見返りに、5年で900万円超の差額補填をしていたことなどで、東京地検特捜部が公職選挙法違反または政治資金規正法の捜査を進めているとの複数報道を元に、「刑事事件というよりも国会が愚弄された」とし、前首相が会計書類は破棄したなどとする答弁をただしました。菅さんは、秘書官から報道を元にした報告以外は、知らないとしました。

 コロナとGoToトラベルをめぐっては、田村憲久・厚生労働大臣と赤羽一嘉・国土交通大臣が答弁。省庁の準備が雑で、2人ともまったく根拠あるエビデンスを示せませんでした。トラベル参加者に限ったPCR・抗原検査をしていないのに、陽性者数は低水準だとしても説得力はありません。西村康稔担当相も、北海道、東京都、大阪府で違いはあるものの、感染経路不明者は一定数いるため、GoToの感染拡大の影響はもっとあったかもしれません。枝野さんは、旅館等を対象にした直接の給付の拡大を要求。しかし、菅さんは「政府の役割は暮らしを守ることで、暮らしを守らないと命を守れない」と朴訥と答弁。経済との両立路線をとることを支持しました。

 岡本充功さんは質問で、政府が都道府県別の空き病床の数を把握できていないことを明かしました。

 私が2月から続けてきた、第一種感染症指定医療機関「都立駒込病院」の今週のようす。ちなみに、100年以上前に日本最初の伝染病専門病院のうちの1つで、他県では場所が秘密だったり、既に取り壊されたりしているようです。なぜ「差別」をあまり感じないかについて史跡などは見つからないのですが、「動坂」という坂を上り切ったところにあり、地域社会としては、その坂から先は、東京ドーム・日大本部・靖国神社・皇居といった「一連の高台」にあるという心理的要因も強いように感じます。


写真から上り坂だと分かると思います。




 1月まで医療の図書を手に取って情報を探せたセンターが、今は「術前PCR検査室」になりました。がんで手術を受ける人も、コロナの検査を受けないといけないのでしょう。複合的に影響を与えます。

 外来も「滞在時間を短くしてください」という新日常を打ち出しています。なお、私がマスクくるしそうなのは、上述の急坂をのぼってきたからであって、何も悪い所はありません。いつでもどこでも私をおぶりたい体躯の大きい方だけ心配してください。

 コロナ禍が始まって、母とも話したのですが、私の街では、バブル崩壊期に都立駒込病院がんセンターで、経済的非業の死を遂げた経営者が7名(女性1名含む)いるだろう、と計算しました。グランドキャニオンの水平線の10メートル隣にいた経営者が、バッタバッタと経済的非業の死を遂げました。中には、保険証が無いと拒みながら、仲間にトラックに乗せられて都立駒込病院に運び込まれて最期を遂げた経営者もいます。今回は超金融緩和をしていますので、9割以上の経営者は資金繰りに懸念はない状態ですが、業種ごとや、前々からの契約期間の満了を迎えた人などで、極端な生活困窮になっている人は、バブルよりも、リーマンショックよりも多いと、私は見ています。枝野さんの言うことも、菅さんの言うこともどちらも正解ですが、懐に入るお金が同じでも短期的な仕事を政府がつくっていかないといけない状況になっている、と私は考えます。

 さて、委員会に戻って、理事会が長引いた経緯について。今週になってから、内閣府主催「桜を見る会」の「前夜祭」と銘打った安倍後援会主催の行事(会費5000円)で、ホテルニューオータニやANAインターンコンチネンタルホテルとの収支差額分を、5年間で900万円強を安倍事務所が補填していた証拠を、東京地検特捜部が入手していたことが確実になりました。安倍事務所秘書は、首相に、昨年11月の確認では「嘘」をつき、今週の報道を受けて、前首相に初めて告白したと報じられています。

 この経緯をめぐって、立憲民主党の辻元清美・予算委員会筆頭理事が安倍さんの参考人招致を要求。そのため、理事会が長引いて、委員会の開会が遅れたようです。

 あまり政局の動きはありませんが、政局の今後の見通しは別として、コロナウイルス感染症の拡大が見通せないので、きょうが国会中継最後というのは、客観的に言っても、説明を聞く機会が少なすぎると言えるでしょう。そのため、辻元さんも、テレビ・ラジオで批判を浴びてでも、多少強気に出たのでしょう。

 大西健介さんは質疑の3本目で、日本学術会議の問題にふれました。 

【参議院予算委員会 同日】

 集中審議。

 福山哲郎さんは、コロナウイルスという目に見えない恐怖について、感染者数の推移について、尾身座長の口癖に引きずられて、西村担当相が「神のみぞ知る」と答弁したことについて、「私と枝野官房長官が、原発事故のときに神のみぞ知る、などと言ったら大変なことになっていただろう」と攻撃。菅首相に対して「けっこう社会は壊れ始めている」と述べ「1月に提出される第3次補正予算案の成立を待つと、執行は3月になる」とし、予備費10兆円のうち7兆円を使うよう促しました。福山さんは今国会冒頭の代表質問で「プロバスケの困窮」に言及し、これに対応した「toto法改正案」(203衆法6号)が衆議院を通過しましたが、いろいろな経済的な現場とのつながりがあるように感じます。

 上田清司さんが登場。がらになく上がっていたようですが、次官級審議官の全廃を求めました。

 共産党の田村智子さんは、安倍晋三さんが桜を見る会で、嘘の答弁をしていた偽証罪の疑いで証人喚問すべきだと委員長に要求。理事会での協議事項となりました。田村さんは質問の最後に、日本学術会議を取り上げました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 「被害者生活再建支援法改正案」(203閣法2号)が防災担当大臣から趣旨説明されました。質疑は次回。

●あすの予定

 衆議院憲法審査会で強行採決の観測があります。

【最高裁 同日】

 違憲審査の時だけ開かれる、最高裁大法廷で、宮城県の市議会議員の出席停止にについて、裁判所で審査される問題であるとの、初めての判例が出ました。これにより、地方議会の議院自律権は大きく損なわれ、札幌市議会長老の除名などで示された、与野党通じた談合体質が、除名された議員による裁判提起で覆される道が開けたことで、地方議会の力がさらに落ちることが予想されます。

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