【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【11/9】吉岡会長「中央高速の緑橋は鉄筋無しだ」、大西元会長「2014年から推薦名簿を事前に官邸に持参か」らが続々野党に告発「義侠心で自主的に立ち入り禁止の札を立てた」

2020年11月09日 18時06分27秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]都道に「国会前」の標識がある国土交通省、とはいえ、この場所から国会正門まで歩いて10分程度かかる、きょねん、宮崎信行撮影。

 ゆうべの記事で、国対委員長会談はないと書いてしまいましたが、与野党国対委員長会談があり、予算委員会の集中審議を求め、あす午前10時までに回答を待つことになりました。

 但し、法案審議の前提になる委員会の日程調整は進められ、火曜日が定例日で今国会で法案が付託される見通しの理事懇談会がすべてありました。

 野党合同ヒアリングでは、「第1回中央高速・鉄筋無しの緑橋問題」「第9回学術会議任命拒否問題」があり、ともに菅官邸を向こうに回した当事者の告発がありました。

【衆議院 きょう令和2年2020年11月9日(月)】

 大臣の所信的あいさつの日程に関して、あす火曜日が定例日だとされる、総務委員会、法務委員会、厚生労働委員会、農林水産委員会、環境委員会、安全保障委員会の6つの理事懇談会がありました。火曜日が定例日のうち、今国会で法案が審議される予定の総務・農水・安保の各委員会はすべて日程協議が始まったことになりました。財務金融、国土交通は法案の付託見通しがなく理事懇はありませんでした。

【参議院 きょう】

 議院運営委員会理事会がありました。あす、委員会を開き、国会同意人事の候補者の所信聴取があります。

【野党合同ヒアリング きょう】

 「第1回高速道路耐震偽装問題」で、吉岡建築設計の吉岡会長が登場。座長は広田一衆議院議員(西武グループ総本山・コクド元社員で元参議院国土交通委員長)。

 吉岡建築設計の吉岡会長は、中日本高速道路(ネクスコ中日本)の中央高速をまたぐ跨線橋「緑橋」について、元請けの大島産業(福岡県宗像市)が鉄筋が無い耐震偽装工事をしたことから、国土交通省、日野市などに電話をしたものの「二次下請けだ」という趣旨で相手にされず、弁護士の友人と相談したうえで義侠心から「立ち入り禁止」の看板を自主的に設置。「つかまったらどうしようかと思ったが、つかまったらかえって経緯がわかるからいいや」と会長マインド。後日、日野市から看板で「撤去してください」と返され「真面目さ」が噛み合わず告発にいたった、としました。

 会合では宮内秀樹・農林水産副大臣(衆・福岡4区、自民党二階派)が議員会館で国交省職員同席のうえネクスコに「文書に乱暴な言葉遣いがあった」と因縁をつけて叱り、担当者を配置転換させて、選挙区内にある大島産業を守ろうとした疑惑も取り上げられました。国交省は「なんの文書か」を明かしませんでした。

 私が好意的にデータベースをみたところ、吉岡さんの会社は、私が考える理想の中小企業の鑑で、毎年黒字を出している半世紀以上の優良企業のようで、日野市ではなく三鷹市に所在しています。ここ2年間は倍々ゲームで売上高を増やしています。過去の売上高からすると、逆に四分の一にもなりうる大波の業界のようですが、その時も常に黒字を出しています。吉岡さんは100%株主とみられ、取締役は吉岡姓の2人のみ。従業員1人当たりの平均売上高は、上場企業をしのぐでしょう。国交省はそういう財務も調べずに、二次下請けだとバカにしたのでしょう。

 「第9回日本学術会議」では、大西隆・元会長が登場。前々回の2014年の改選から、安倍晋三首相率いる官邸に、事前に推薦名簿の説明に行っていたようだ、と明かしました。

 菅首相・自民党総裁は縦割り打破を言いますが、縦割りを打破して見えない官邸と、多過ぎて知らない魔の2012年初当選組が、水面下でうごめいた実像が白日の下にさらされつつあります。

●あすの予定

 本会議で「新型コロナウイルスワクチン2法の予防接種法など改正案」(203閣法1号)が質疑。菅義偉首相が本会議壇上に立ちます。大臣所信は、上述の法案がかかる、衆議院総務、農水、安保委員会と、法務、環境委員会などが開かれます。参・議運委の国会同意人事はインターネット中継される見通しで、西岡武夫さんが議運委員長のときに始まった慣行が続きます。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki