宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「成長と分配」で衝撃の新事実が予算委で発覚、介護職員の9000円月給アップの10月以降の原資は利用者が自己負担する「処遇改善加算」と介護保険料

2022年02月03日 17時38分53秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]首相公邸、9年前の2013年、宮崎信行撮影。

 民間人の方のツイッターに既に出ていますのでお知らせしますが、国民民主党はあす(2/4)午前9時半から上田清司参議院議員(埼玉、改選)、玉木代表、榛葉幹事長、鈴木義弘埼玉県連代表の4人が「参議院議員選挙について」記者会見をするときのう(2/2)発表しました。埼玉は1つ増えて4人区で、自公の参議院議員会長が相互推薦なしに立候補。与党2は動かないでしょうが、残り2つを上田さんを含めた野党が競う注目区。

 「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」は政治ジャーナリスト宮崎信行が1人で取材し、1人ですべて書いています。

【衆議院予算委員会 きょう令和4年2022年2月3日(木)】
 「令和4年度予算案」は4日目で、そのうち一般質疑3日目3時間コース。

 驚くべき新事実。日本維新の会の一谷勇一郎さん(1期、兵庫1区得票30%で比例)が「介護も経営してきた」とし、成長と分配の目玉「介護職員の月9000円の給与アップ」をただしました。後藤茂之厚労相は「公的価格評価検討委員会が議論した」とし「(12月の)補正予算で、ことし2月から9月まで補助金が出る。一人一人確認まではしないが、事業者が給料に充てたことは自治体にしっかりと報告してもらう。その後は恒久的制度にすると思う。今回の予算案ではそういうことになっている」としました。そして、10月からの月給9000円アップの原資は、介護保険利用者の自己負担額の計算式である、処遇改善加算の点数を上げることになると述べました。

 つまり、2022年10月以降は、介護保険利用者が払う自己負担の加算と、その加算額のおおむね3倍から10倍の介護保険料を原資に「月給9000円アップ」することになります。大企業の売上粗利益、配当といったお金かや、国が吸い取った法人税といったお金からは何も回っていないことになります。成長と分配でないばかりか、政府の再分配ですらありません。ほとんどインチキであって、大企業経営者も経済安保法案(今月下旬)の締め付けぐらいは我慢しようかという日本社会が当面続きそうです。

 あす4日(金)は地方公聴会に代わる参考人質疑で、午前はコロナ、午後は経済。ノンストップの審議で、きょうまでに45時間審議されましたので、無風のまま中盤となりました。

【衆議院総務委員会 同日】
 総務は木、財金は金が定例日のため、金子恭之総務大臣の所信的あいさつに対する一般質疑が、すべての大臣に先駆けて行われました。きょうは自民から維新までの4時間半で、その他の会派は来週8日(火)に持ち越しました。おそらく同日の本会議で「地方税法改正案」(208閣法3号)が審議入りして委員会に降りるんだろうと推測します。

 きょうの一般質疑では、自民党茨城1区比例の田所嘉徳さん(4期)が「各目明細書に間違いがあった」とし、金子さんは「官房会計課が複層的な確認をしていたが、抜けていた部分があった」とし「幹部職員と一般職員の意識付けをはかる」としました。

 立憲民主党で北海道11区で連勝した石川香織(石川かおり)さんは「10増10減について、都市部と過疎地の飛び地選挙区をつくる」と独自の提言をしました。フジテレビ記者出身で、小樽など北海道4区比例の大築紅葉(おおつきくれは)さんは、政治記者をしていたが、地元を良くしたいと国政に転身したと、そつなく質問デビューを果たしました。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 和歌山県のみまん延防止措置に加わりました。今週噂があった東京都に関しては見送られましたが、来週「期間の延長」が議題になるかもしれません。
 山際大志郎大臣は特措法に基づき、「和歌山県はレベル2だが、近い将来医療体制に負荷がかかる」として2月27日まで指定するとしました。

 立憲民主党の山岸一生さんは「私の地元練馬区も含めて保育園が休園している」とし大臣は「644施設が休園し4万人が休んでいる」と答弁。山岸さんは「4万人ということは、保護者は10万人に影響しているのではないか。保育難民が出ている」としました。

 こちら東京では、オミクロン波は、零細業者・女性非正規の苦境ではなく、保育園を活用する中年中堅層の苦境につながっているとの見立てが有力。もちろん、給料は変わらない保護者と、収入がまったくなくなる自宅の保護者が、政策を分断します。また、兄弟姉妹と配偶者が手分けして親の遠距離介護をしていた「ライングループ」が崩壊する事例が出るなど、中間層の苦境が指摘されています。

 審議に戻って、維新は「11月に判断できた」としましたが、大臣は「専門家でも弱毒化を予想していた人は少なく見通すことはできなかった」と一刀両断にしました。

【参議院議院運営委員会 同日】
 立憲民主党の野田国義さんは「検査キットの不足は中国で大量生産しているからではないか」と問いましたが、大臣は輸入比率は答えず「1日80万回分が供給できるよう持っていけそうだ」と答えました。

 こちら東京では抗原検査キットは調剤薬局では1980円(消費税込み)、都心の競合が多い個人クリニックでは「7000円・診療付き(消費税非課税)で供給されているようです。個人クリニックは必要ならば高くても良いという人は都心には多いでしょうから、この際ぼったくっても、恨みは買わないように感じます。

●今後の予定
 来週火曜日(2/8)午後1時から衆議院本会議、おそらく地方税法だと思います。あす金曜日(2/3)は予算委が参考人質疑のため、財務金融委員会で財務大臣兼金融担当大臣の所信的あいさつに対する一般質疑、内閣委員会で、松野・小林・二之湯・西銘・堀内・野田・牧島・若宮8大臣(あるいは木原副長官)に対する一般質疑。超無風国会か、はたまた変化の胎動国会か。

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