[写真]環境省に向かうエレベーターは青くペインティングされている、東京霞が関で、きょねん撮影。
今週閣議決定され、第208回国会に提出されるはこびの「地球温暖化対策推進法改正案」の中に、「株式会社脱炭素化支援機構」を設立して、企業に資金提供できる内容が盛り込まれていることが、当ニュースサイトの独自の取材で分かりました。
「SDGs持続可能な開発目標」と、「COP26パリ協定」の国内実施のため、菅内閣発足時に打ち出した「2050年カーボンニュートラル」を実施する改正が建前ですが、現行法には「国が予算を確保する責務」はありますが、「事業者に対する財政・融資の所要の措置」は法定化されていませんでした。
法案は、あさって令和4年2022年2月8日(火)の閣議以降に決定される見通し。
政府は予算関連法案として審議してほしいと与党国対に求めました。その前提となる令和4年度予算案では、この政策課題を環境省予算の目玉として、省エネの交付金の新設や、省エネインフラの輸出を政府が推進する予算が盛り込まれていますが、「株式会社脱炭素支援機構」は見当たらず、どういうプロセスで混じり込んだのかは不透明です。この株式会社は民間企業にお金を出したり、お金を貸したりするのでしょうが、政府と違い交付決定の理由を開示する必要はなさそう。
COP3京都会議議定書条約の国内実施法としてできた「温対法」。ライフワークとして取り組んできた、立憲民主党の福山哲郎さんは「基本法の法案」をつくり、2009年に閣法(174閣法52号)となりました。鳩山首相辞任で時間切れとなった基本法には「中長期的な目標」が書き込まれています。しかし、「温対法」にはそれがなく、閣議決定文書の策定を求めているだけです。
産業革命以後の人間の活動にはすべて二酸化炭素が伴います。人間の活動が地球の気候をも変えるという「進化論」を前提とした現代国際社会において、2050年カーボンゼロのSDGsをうたって、選別をしてお金を出したり、融資をしたりする場合に、もっともらしい理由で政府のお友達に不透明な決定がされるのではないかとの懸念を人々は持ちます。資本主義は経済成長を前提として構築されており、より悪い未来を提示して、そうならないように対策するうえで、銀行融資などの仕組みはそぐわない。私は別にグレタ・トゥンベリさんを批判して、女性差別、若い人差別だと言われてもいいです。
福山さんらが2008年頃に、中長期的目標を数字で書き込んだ法案を作成したのは民主党政権特有の前のめりだったかもしれません。福山さんは、その後は会派というよりも、政府・党の役に恵まれ、先日まで最大野党幹事長もつとめました。2008年に、郵政選挙からの再起を期す日々にアル・ゴアさんの映画を見て感動した岡田克也元代表を本部長に誘い、シンポジウムも主催するなどして、政権交代後に、外務省で大臣・副大臣コンビを組むことになりました。閣法の答弁機会はなく衆議院を通過したのに成立しないという珍妙な結果となった「基本法」が成立していたら、官僚たちも条約と閣議決定文書のはざまが見えて、少数者の思惑が紛れ込むことを防げたかもしれません。
このエントリーの本文記事は以上です。
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「SDGs持続可能な開発目標」と、「COP26パリ協定」の国内実施のため、菅内閣発足時に打ち出した「2050年カーボンニュートラル」を実施する改正が建前ですが、現行法には「国が予算を確保する責務」はありますが、「事業者に対する財政・融資の所要の措置」は法定化されていませんでした。
法案は、あさって令和4年2022年2月8日(火)の閣議以降に決定される見通し。
政府は予算関連法案として審議してほしいと与党国対に求めました。その前提となる令和4年度予算案では、この政策課題を環境省予算の目玉として、省エネの交付金の新設や、省エネインフラの輸出を政府が推進する予算が盛り込まれていますが、「株式会社脱炭素支援機構」は見当たらず、どういうプロセスで混じり込んだのかは不透明です。この株式会社は民間企業にお金を出したり、お金を貸したりするのでしょうが、政府と違い交付決定の理由を開示する必要はなさそう。
COP3京都会議議定書条約の国内実施法としてできた「温対法」。ライフワークとして取り組んできた、立憲民主党の福山哲郎さんは「基本法の法案」をつくり、2009年に閣法(174閣法52号)となりました。鳩山首相辞任で時間切れとなった基本法には「中長期的な目標」が書き込まれています。しかし、「温対法」にはそれがなく、閣議決定文書の策定を求めているだけです。
産業革命以後の人間の活動にはすべて二酸化炭素が伴います。人間の活動が地球の気候をも変えるという「進化論」を前提とした現代国際社会において、2050年カーボンゼロのSDGsをうたって、選別をしてお金を出したり、融資をしたりする場合に、もっともらしい理由で政府のお友達に不透明な決定がされるのではないかとの懸念を人々は持ちます。資本主義は経済成長を前提として構築されており、より悪い未来を提示して、そうならないように対策するうえで、銀行融資などの仕組みはそぐわない。私は別にグレタ・トゥンベリさんを批判して、女性差別、若い人差別だと言われてもいいです。
福山さんらが2008年頃に、中長期的目標を数字で書き込んだ法案を作成したのは民主党政権特有の前のめりだったかもしれません。福山さんは、その後は会派というよりも、政府・党の役に恵まれ、先日まで最大野党幹事長もつとめました。2008年に、郵政選挙からの再起を期す日々にアル・ゴアさんの映画を見て感動した岡田克也元代表を本部長に誘い、シンポジウムも主催するなどして、政権交代後に、外務省で大臣・副大臣コンビを組むことになりました。閣法の答弁機会はなく衆議院を通過したのに成立しないという珍妙な結果となった「基本法」が成立していたら、官僚たちも条約と閣議決定文書のはざまが見えて、少数者の思惑が紛れ込むことを防げたかもしれません。
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