【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

長妻昭政調会長「子育て予算は住宅費も議論したい」と意気込む、財務官僚を一瞥しつつ「与党修正の準備もしてほしい」と期待

2023年01月13日 21時20分44秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]立憲民主党の階猛ネクスト財務大臣と長妻昭政調会長、きょう2023年1月13日、宮崎信行撮影。

 長妻昭・立憲民主党政調会長は今年初の「政調全体ヒアリング」として、財務省から令和5年度当初予算案(先月23日閣議決定)の説明を受けました。

 ちなみに「令和4年度」は、閣議決定のわずか2時間半後に、「国対・予算委理事合同チーム」が聞いていましたが、ことしはだいたい「通常の野党対応」ペースに戻った印象です。前回と同じく課長対応(八幡道典主計局総務課長)でした。

 長妻さんは「ことし初めての方も多いと思いますのであけましておめでとうございます」とし「防衛費はGDPで2%近くということが決まりましたけれども、子育て予算は防衛費より低。OECD基準ではアメリカ以外の国であまりない」とあいさつしました。長妻さんは「私は企業団体献金やパーティー券の弊害だと考えています。子育て予算をいっぱいつけてもお母様が2万円のパーティー券を買わないから、いつも後回しになる」としました。

 そのうえで、子育て予算に関連して(1)非正規不安定雇用で、賃金が上がらない(2)住宅費が高くて良質な賃貸住宅があまりないーーの2点にふれました。昨今、「防衛増税」「府知事がコメ支援、都知事が月5000円支給」「5%賃上げ」に注目が集まっていますが、住宅費の問題は長妻さんが初めてピックアップした印象です。

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 長妻さんは「予算委員会での議論を通じてたまにはですね、修正もしていただいて、与党修正で大幅に変えるようなご決断も整備していただきたいということで我々も提案をしていきたい」と語り29年ぶりの予算修正に意気込みを示しました。長妻さんは財務省の方を見ていましたので、財務省内の不満分子が野党に協力することへの期待もあるようです。



 きょねん発足した「次の内閣」の階猛ネクスト財務大臣は「新年早々淀川の鯨が話題になっている。日本の予算も、淀川の鯨のように図体が大きいけれども、身動きがとれない。本当に必要なところには届かない。予備費も5兆円の計上されました。そして、長期金利が上昇してきている。満期国債の利払いが増えると淀川の鯨のように身動きがとれてなくなってくる」と語りました。


 この1時間半後、今週9日からテレビ・SNSで話題を呼び見学者もいた「淀川の鯨がきょう13日亡くなった」とのニュースが入ってきました。

 前年度の対応は以下の通りでした。 

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立憲代表2023年は提案路線でも修正路線でもなく「刀鍛冶屋路線で法律を鍛錬」泉カラー2度目の通常国会に自信「法案という刀に火を入れ、叩き、焼きを入れて鍛錬するのが野党だ」

2023年01月13日 20時49分33秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]立憲民主党の泉健太代表、きょう2023年1月13日、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の泉健太代表は自らを刀鍛冶に例えて「法律(案)の鍛錬が必要だ」と語りました。

 泉さんは「日本刀を作る鍛冶屋は、鉄を鍛錬する。火を入れ、叩き、焼きを入れる。我々は法律(案)に対する鍛冶屋である。野党が機能する事で、法案を適正なものにしていく必要がある」と述べました。

 代表就任直後のきょねんの通常国会で「提案路線」を馬淵澄夫国対委員長と進めた結果、小川淳也政調会長(現・厚生労働委筆頭理事)が反発して、自ら執行部を離れました。夏に、安住淳国対委員長を再登板させ、「立維共闘」「4党協議会」の修正路線に転向して内外の評価は高まりました。しかし審議入りできなかった「旅館業法改正案」(210閣法6号)を除けば、政府提出法案の成立率が100%近いことへの不満もあります。

 このため、泉さんは自ら「鍛冶屋」を例に出して、原案通りの成立、法案修正、附帯決議を含めた「法律案の鍛錬」を立憲民主党などの仕事だとして、国会を乗り切るかまえ。

 統一地方選をめぐって、主要政党の党首・幹事長が辞任した例は30年近くありませんので、泉カラーを安定して打ち出す150日間となりそうです。

 卑近な話ですが、私・宮崎信行は、ここ数年はテレビ・雑誌のオファーを待つためにあまり、「政権交代が必要だ」というようなことはあまり書いてきませんでしたが、漫画電子版以外のメディアの経営が総崩れとなっていますので、「政権交代」色を再び強めていこうと考えています。私が代表取締役をつとめる会社の祖業は「金属」がらみです。21世紀のスマホは軽くて錆びない金属製。金属がプラスチックを再逆転した未来を、前世紀に誰が予想したでしょう。余計な話ですが、西田実仁・公明党参議院議員会長の家業はプラスチック加工業でしたが倒産したので西田さんは家業を継がずに就職しました。それはさておき、最大野党党首が21世紀に、法律を金属に例える、自らを金属加工業者だと主張することで有権者からの支持を得ようとする。なんとすばらしい21世紀でしょう。おそらく3月、私は墓前の父に報告します。政治ジャーナリストとして、私も法律刀鍛冶屋路線を伴走型支援していきたい2023年です。

[写真]立憲民主党の泉健太代表、きょう2023年1月13日、宮崎信行撮影。

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23日(月)召集決定の第211回通常国会でアクリル板を新設して登壇者マスク無しへ、コロナ禍4年目で

2023年01月13日 16時07分58秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
 衆参両院の議院運営委員会理事会はきょう13日(金)午後1時から開催され、松野博一官房長官が「再来週令和5年2023年1月23日(月)に第211回通常国会を召集すると、この後持ち回り閣議で決定する」と伝達しました。

 衆議院では、23日(月)午後1時開会式、午後2時政府4演説、25日(水)26日(木)衆議院本会議で質問の日程まで決定しました。

 19日(木)11時に、官房副長官が「提出予定法律案等件名・要旨調」を説明することになりました。おととし廃案になった「出入国管理法改正案」の再提出がされるかどうかが注目されます。

 12年前、ねじれ国会の野党・菅義偉筆頭理事が公明党の要求を踏まえて実現させた「科学技術・イノベーション特別委員会」の廃止が決まり、8特別委員会に再編することで与野党が合意。「地方創生に関する特別委員会」を「地域活性化・こども政策・デジタル社会形成等特別委員会」とすることも決めました。災害特別など40委員の委員会を全て35名に減らすことになりました。

 特別委員長ポストは自民党が1人手放して、野党の委員長ポストは変わらず。東日本大震災復興特別委員が35名になると、「有志の会がゼロになるが1名を維持してほしい」と立憲の笠浩史筆頭理事が要望すると、自民党から「自民を1減らして、有志の復興特別委員は維持する」とその場で合意しました。

 さて、当ニュースサイトは、以前のように「政権交代が日本に必要だ」と熱くならずに、今起きていることを淡々と記録する方針に展開しましたが、驚くことがありました。

 衆議院本会議の速記者席に2メートル程度のアクリル板を新しく設置することで、登壇者がマスクを外してよいとする方針が決まりました。正式には、17日に納品され、19日に設置するので、それを与野党理事が確認してから正式ルールにすることになりました。採決以外の議席番号奇数版偶数番の間引き出席は、当面続けながら様子を見ることになりました。

 松野長官から国葬儀の21名からヒアリングした7項目の論点整理を提出。共産から質疑を求める意見が出されましたが、次回の理事会に持ち越しました。

 以上です。