【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

あれから8年・・・自民党主流・山本順三「世耕議員と台湾で兵役延長見ほれた」安保法制、馬場「改憲発議を」

2023年01月26日 18時10分08秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]ネットウヨの罵倒をかいくぐり、筆者・宮崎信行の書いた記事も載っている「週刊金曜日 2015年9月14日臨時増刊号 特別編集 戦争への不服従」の書影。

 衆参両院で、本会議代表質問と、議院運営委の国会同意人事がありました。そして、参議院だけ常任委員会を開き、衆議院で予算審議中の2月14日・15日などに、視察をして、参議院はサボっていると言われないようにすることを決めました。

【参議院本会議 きょう令和5年2023年1月26日(木)】

 政府4演説に対する代表質問1日目。

 自民党は議員会長でなく、安倍派の山本順三さんが登場しました。山本さんは8年前、平和安全法制で参議院トップバッターとして本会議質問。

 安保2法案が参議院で審議入り 北澤俊美さん「必要なのは対案ではなく廃案だ」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

 直後の改選では永江孝子さん(現・議員)に最後まで追い上げられましたがかわしました。「手を汚した」のが評価されたのか、安倍晋三首相のもと、国土交通副大臣、国家公安委員長。世耕弘成幹事長のもと議運委員長、予算委員長と日のあたる坂道を歩きました。きょねん夏は、高見知佳さん(故人)を大差でかわし4選しました。

 山本さんは「私が参議院に議席を得て19年目になります。今日ほど大きな変革の嵐が我が国に押し寄せている時期はなかったです。米ソの冷戦でグローバリゼーションと相互依存が進み、世界の安定が進むのは、今や儚い夢です」としました。

 山本さんは「昨年末、世耕議員を中心に有志で台湾を訪問し総統や外交部長らとお会いいたしましたが、まさに兵役義務を現在の4ヶ月から延長すると発表されました」「台湾における有事に対する危機意識の高さがひしひしと伝わってくる場面でありました」「昨年末に安全保障3文書が閣議決定されており、それを高く評価され、日台双方にとって大変タイムリーな会談となり、2プラス2の必要性までも言及されたところです」とアピールしました。





 そのうえで「防衛能力の強化や反撃能力の保有など専守防衛のもと大きく転換する抑止力を高める必要不可欠だということを総理がしっかり説明することが必要だ。総理は年初の欧州北米訪問の際、G7首脳との会談で、核兵器のない世界の実現についてどのような成果を得られたのでしょうか?また、それを踏まえたG7広島サミットに向けた取り組みについても総理にお伺いいたします」と質問しました。

 平和安全法制当時は外相だった岸田文雄首相は答弁で、「我が国の有り様は一切変えることなく、防衛力の抜本的強化に取り組みます。持続可能で包摂的な経済社会を作っていくために民間の活力を注入します」と語り、閣議決定と防衛増税による軍拡を正当化しました。

【衆議院本会議 同日】

 きょうの代表質問は長時間ですが、首相と国土交通大臣の2人にしか質問答弁の要求がなかったので、他の大臣は眠かったかもしれません。

 馬場伸幸・日本維新の会単独代表。

 馬場さんは4党協議を振り返えり、「粘り強く国会質疑と折衝を繰り返すことで抜け穴だらけだった当初の政府案に一定の実効性を持たせることに成功しました」と語りました。馬場さんは「被害者救済法は、政府与党がもともと今国会へ先送りし、ほとぼりが冷めるのを待とうとしていたなかで、議員立法で対案を示し、前国会中の成立を実現しました」とアピール。改正感染症法の(1)5類引き下げ(2)ワクチン情報提供ーーの2つの附則も維新の手柄だとしました。

 馬場さんは身を切る改革で「日本維新の会が持つ科学技術・イノベーション特別委員長のポストを返上し、委員長手当(議会雑費)や公用車などの無駄な税金が組み込まれた特別委員会を廃止することができた。小さな変化だが、これまでなかった具体的な実績だ」と維新流儀を東京でも展開。馬場さんは「平成24年11月の党首討論で当時の安倍総裁が1割削減を約束したのに、10年間着手すらしていない」と自民批判のボルテージをあげました。

 馬場さんは憲法審査会について「いつまでも意見を言っていてもしかたない」と言外に立憲を批判しつつ、緊急事態条項の発議案の成文化を岸田さんに求めました。こちらは自民に寄せてきました。

 公明党の石井啓一幹事長に対して首相は「国土強靭化の強力な推進にとりくむ」と3度目の基本計画策定を明言しました。

 国民民主党は玉木雄一郎さん、共産党は志位和夫さんが質問しました。

 ところで、今月、「共産党幹部会委員長公選」を求める本が2冊発刊され、私はすべて読みました。委員長を目指す党支部員が他の支部員と接触できないので推薦人を集められないとの実態を初めて知りました。公選は派閥をつくることになると志位さんは言及しています。本を読んだ限りでは、公選制は説得力に乏しいと、私は率直な感想を持ちました。しかし、志位さんに対して、田村智子副委員長らに交代すべきではないかと、「非党員だけどシンパと思われる有識者」からSNS世論が上がりつつあります。

【衆議院議院運営委員会 同日】
【参議院議院運営委員会 同日】


 古谷公正取引委員長と田中会計検査院検査会の「続投」の国会同意人事について所信表明があり、各々への各党質疑がありました。

 田中さんは「会計検査院は何かを見つけたらそれで終わりではなく、改善策を見つける。実地検査が生きてくる」と語りました。

 古谷さんは、「フリーランスにかかる取引の適正化等に関する法律案(211閣法 号=2月下旬提出予定)」に関連した質問で、「令和3年3月の公取・厚労省・中小企業庁の3者連名のガイドラインがある」とし「法案については、与党の議論が残っている」としました。古谷さんは与党と内閣官房との調整に流れが言っていることを言外に言明しました。新原・元経産省局長が内閣官房分室の担当も兼ねたため、法案作成の比重はそちらに行きそうです。

【参議院第1種常任委員会 同日】
 5つの委員会が開かれ、文教科学委員会は2月13日・14日に栃木県・宮城県で予算や日本語学校の視察をすることが決まりました。ちなみに初当選の時からずっと気づいていましたが、高橋克法自民議員は「小渕恵三首相の株上がれ」の映像の隣に移っていた栃木県高根沢町長でしたので、地元凱旋となります。総務委員会は兵庫県。国土交通委員会は詳細は未定ながら2月13日・14日。参議院内閣委員会は「れいわ新選組の山本太郎と大島九州男の良い話」が界隈で知られていますが、大島九州男さんが委員になりました。参議院外交防衛委員会は視察をすることだけ決めました。外交防衛委員長は阿達雅志さんですが後ろ盾の安倍元首相・岸信夫前防衛相が政界から相次いで去るので厳しくなりそうです。

【参議院国家基本政策委員会 同日】
 室井邦彦委員長が何らかの理由で欠席。他の理事が取り仕切り合同審査会の手続きをしました。

 以上です。

 

【第50回衆院選】公明党2名公認、新・東京29区(荒川区・足立区)に岡本三成さんで、新・東京12区(北区等)は撤退か

2023年01月26日 17時09分16秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]西田実仁・公明党選挙対策委員長、きょねん6月、埼玉県内で、宮崎信行撮影。

 西田実仁・公明党選挙対策委員長はきのうの党の定例記者会見の冒頭に発言し、第50回衆院選で、岡本三成さんを新・東京29区(荒川区・足立区西部)に、斉藤鉄夫さんを定年特例を決めたうえで、広島3区(広島市安芸区など)で公認したと発表しました。


[写真]岡本三成さん、都議補選の応援演説時に、宮崎信行撮影。

 2020年国勢調査にもとづく10増10減で、東京都は5増、広島県は1減となっており、当然両都県とも小選挙区の区割りが変わりました。

 ところで、改正公選法は既に施行していますが、区割り変更の大小・現職のバッティングを考え、「新・東京29区」と「広島3区」というような表記を柔軟に使っていきます。

 これについて、自民党の森山裕選対委員長から反発があるとの説もあります。

 新・東京29区に岡本さんが立った場合、北区全域を含み板橋区の一部も「東京12区」に公明党が今後擁立するのかどうかは明言しませんでした。

 荒川区は創価学会の平和会館が2つ以上あります。都議選は定数2なのに連続して当選しています。前回の都議選では、区道ないし私道を候補者不在で流す選挙カーを、私が両手足を広げて大文字になり、ストップ。大学生の男女3人組だけで回しており、「情勢どうなの、心配してるのよ」と話しかけたところ、数十秒後に年長の男子学生が「分かりません、と言って」と私が非居住・非創価学会員だと見抜いたようでした。

 足立区では、2013年3月9日に、私が創価学会員に集団監禁される事件が発生。太田昭宏国土交通大臣が就任4か月後に、私の父が脱税をしているのを知っていると脅して、家賃値下げ要求をされました。これは昭和時代に、所得税確定申告書にこの人物の名前を書いていなかった事実がありますが、宮崎機械法人から社長個人に対しては本社・第4倉庫などの家賃をまとめて払いけっこうな所得税を払っていました。また不動産取得の際に別の銀行の定期預金を使ったのは、裏金ではなく、メインバンクの気に障らないように内緒にしていたのであって、まったく問題ないことを知っていたため、びくともせず。これに連座して「バランス釜が自爆した」という嘘をつかされたプロパンガス会社の専務。日本最大の「プロパンガス業者競合地域」は実は、東京23区で十数社が競合というすごい状態。一番安い業者を教えてくれるウェブメディアがありますが、問い合わせたら、その会社はプロパンガスは廃業したようです。安定財源を失いながら、設備会社としては活躍しているようです。


[画像]宮崎信行が創価学会足立支部員の営利目的集団監禁事件で脱出して荒川土手に批判した直後に、友人向けSNSに投稿した写真と文章の写し。

 脱出直後に、私が友人向けSNSに書いた辞世の句は「足立区で大家業。アベノミクスの光と影3つ。脱出して、生誕の地。荒川のほとり。謙虚に誠実に」と書いてあります。私は荒川区にある「東京女子医科大学東医療センター」の生まれですので、足立区の監禁現場を脱出して、荒川土手にたどり着いて、場所が分かる写メールを友人向けSNSにあげたというところです。

 私は創価学会台東支部の中堅に告げ口したところ、足立支部員の首謀者から号泣謝罪電話。但し、前回の衆院選でも首謀者の配偶者から選挙はがきに「宮崎智志様」という経緯不明のハガキが来ましたので、フレンドの目標達成が大変なのかもしれません。

 因縁のある足立区西部と荒川区がセットになって「新・東京29区」になりましたので、経済的協力者との縁をひもときながら、第50回衆院選での報道をしていくかもしれません。

 選挙道楽30年。ますます楽しい。

 以上です。

【日銀新総裁】立憲の笠浩史議院運営委筆頭理事「候補者の所信聴取と質疑のライブ中継」を要求、野党は本会議反対でも政府案で決定が確実なため委員会で存在感発揮へ

2023年01月26日 16時30分07秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]笠浩史・衆議院議院運営委員会野党側理事、きょねん2022年11月、宮崎信行撮影。

 日本銀行の新総裁をめぐり、衆議院議院運営委員会で所信表明と質疑のインターネット生中継をするよう、立憲民主党の笠浩史・筆頭理事がきょう26日の理事会で要求したことが分かりました。

 衆参両院は、古谷公正取引委員会委員長と田中会計検査院検査官の「続投」を求めた政府が提出した国会同意人事案に関して、きょう所信表明とそれに対する質疑をしました。参議院側はネット中継したのに、衆議院は非公開だったことから、立憲は「今後の同意人事だが、ネット中継してもいいのではないか」と促しました。山口俊一委員長(自民党)と盛山正仁・与党筆頭理事(同)も前向きな方向で協議事項にすることにしました。

 公正取引委と検査官は通称は「認証官」とされ天皇の前にモーニングで出る必要がありますが、日銀総裁は違います。とはいえ、国内外に与える影響力はけた違い。

 また野党としては、政府が提出した総裁候補に、本会議で反対してもその人物が総裁に就任することは99%で確実です。よって議院運営委での質疑でアピールするしか算段はありません。

 各党はこの後、政調部会などを開き、党としての賛否を決定。本会議にのぞみます。国会同意人事案は衆参の先議はないほか、衆議院の優越規定が存在せず、衆参両院とも過半数の賛成が必要です。

 参議院では、西岡武夫議運委員長(民主党、のちに議長、故人)の時代からネット配信を開始。自民党側の抵抗で「録画おっかけ配信」となったこともありましたが、西岡さんの腕力で押し通しました。衆議院ではきょうも非公開で行われました。

以上です。