【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「有志の会」が気を吐く「農地法にも外資規制が必要だ」と北神圭朗さん企業の農地所有「特区法改正案」の今国会成立を見越した提案で農政通に同調の動きも出そう

2023年01月31日 18時33分38秒 | 農業
 岸田文雄首相の「黄金の3年間」ともされる衆議院予算委員会のテレビ入り質疑で、「有志の会」が気を吐きました。

 有志の会は、第49回衆院選で無所属で小選挙区当選した5人の男性議員が結成し、現在は参議院の女性無所属も共同歩調をとる会派。「小選挙区当選者のため農政通が多い」との評価もできそうです。

 きょう令和5年2023年1月31日(火)の衆議院予算委員会のテレビ入り基本的質疑で、北神圭朗さん(京都4区・当選4回)が質問に立ち、農地法に外資規制を入れることを提案しました。

 政府は、来月下旬に「国家戦略特区法及び構造改革特区法を改正する法律案」を提出し、兵庫県養父市だけの特例となっている法人の農地取得を全国に広げる方針。内閣府内での調整にてまどりましたが、閣議決定で法案が提出した後の成立は確実とみられます。

 農林水産省は、省内に農地法改正検討チームを設け来年以降に一定の方向性を示す方針。このため、現行農地法によって企業が農地を取得する動きは全国に広がりをみせると思われます。

 野村哲郎農相は「借地ではなく取得となると、別の目的があるのではないか」と答弁し、企業の真意を疑う局面もあると、北神さんに同調。北神さんはパネルを使って、「放送法、航空法には外資規制があるのに、農地法、森林法には外資規制がない」と指摘しました。

 内閣府主導で進んだ企業の農地取得の全国化に歯止めをかけるために、「有志の会提案」に農政通の間で賛同する動きも出そうです。

 以上です。


【小麦】4月改定では価格はほぼ据え置きか、小麦価格はウクライナ侵攻前の水準に戻る、野村農相

2023年01月31日 18時18分51秒 | 農業
[写真]実りの秋の国会議事堂裏側、宮崎信行撮影。

 野村哲郎農相は、きょう2023年1月31日の衆議院予算委員会で「小麦の価格は昨年6月以降下落して、ウクライナ侵略前の水準に戻っている」とし政府売り渡し価格の4月の改定では「急激な価格変動は回避できる」と答弁しました。立憲民主党の後藤祐一さんに対する答弁。

 きょねん2月24日からのロシアとウクライナの交戦で、ウクライナからの輸出が一時全面ストップ。日本の6月の参院選でも争点の一つとなり、首相が「10月まで据え置く」と実績めいた語り口で主張したことを、立憲民主党の泉健太代表が「当り前だ」「分かっていないのではないか」と反論演説する場面がありました。

 農相は「小麦は4月と10月に価格を決めて、価格を6か月間反映するが、ウクライナ侵略により急騰に対する緊急措置として1年間に延長して平準化してきた」とし、国際取引価格が前の水準になったことから、4月改定で大きく上がることはないとしました。

 小麦は数か月程度の備蓄が可能なことから、日本政府など世界の官民で、余剰分を整理するなどして、先物・現物価格が安定したと考えられます。

 一方、日本国内では、昨年お家騒動も含めた倒産が相次いだ鶏卵の価格が史上最高値となっています。

 以上です。

衆議院予算委基本的質疑1巡目から与野党委員間で児童手当の所得制限見直し機運が高まる「戦闘機飛来したら反撃能力」の謎の答弁も

2023年01月31日 17時43分48秒 | 第211回通常国会(2023年1月)

 第211回通常国会は序盤から、3代目岸田文雄ファミリーのずれっぷりに批判が集まりました。「育休・産休中にリスキリングできる」とした首相答弁が土日にSNS炎上し月曜日午前中に自民党議員が火消し。長男の政務秘書官からお土産をもらったかが今朝の閣議後会見で一斉に質問され、全閣僚がお土産をもらっていたらしいということが明らかになりました。

 おととしの菅義偉首相の、長男・上司・総務省局長の3人の会食の音声データでは、小一時間したところで、長男ば「BS!BS!BS!」と3回絶叫し、上司が「あれはCSだよ」とたしなめつつ、けっきょく局長にBSの規制改革の話題に持っていくという、一種の哀れさがありました。

 しかし、前々回の総裁選(敗北)をめぐり日テレ「バンキシャ」で肉のハナマサで食材を買い、赤坂議員宿舎で合計3名で料理・食事を楽しむ岸田さんが、8月なのに、鍋料理をしているずれっぷりを私は見逃しませんでした。

 それはさておき、長妻昭政調会長から質問がスタート。長妻さんはことし最初の政調全体会の冒頭あいさつで「29年ぶりの与党修正」に言及しました。

 首相炎上とは別に、与野党の委員から、「児童手当の所得制限を外してはどうか」とのコンセンサスができつつある異例の基本的質疑となりました。

【衆議院予算委員会 きょう令和5年2023年1月31日(火)】
 「令和5年度予算案」は3日目で、基本的質疑1巡目の後半でした。

 立憲民主党は幹事長の岡田克也さんの関連質疑で、長妻昭政調会長が登場。長妻さんは、民主党政権マニフェスト「3つの約束」の目玉政策「子ども手当」を振り返りました。マニフェストでは所得制限なしの1人月2・6万円でした、平成22年度予算案編成をめぐり、小沢一郎幹事長(当時)が「全国民からの要望だ」として所得制限を要求。鳩山由紀夫首相が政府原案を自ら記者会見説明し「所得制限はいたしません」と党内での紛争があったことを明かしました。その後、12年前の統一地方選直前に、野党・共産党が突如「子ども手当法」に賛成して、成立。野党・公明党は市川市議会からの横展開「児童手当法」にこだわりましたが、このときの混乱はいったん収束。しかし、その後「バラマキ4K」をめぐる民自公3党実務者協議を経て、社会保障と税の一体改革法で、所得制限が法定化しました。

 2007年のミスター年金、長妻昭さんは政権交代後に4期生では唯一入閣して、厚生労働大臣をつとめました。5号館に入る時には拍手なしという禍根を残す扱いを受けました。

 長妻さんは大臣として陪席した参議院の委員会で丸川珠代さんから「愚か者めが、くだらん選択をした馬鹿者どもを絶対に許しません」との言葉を浴び、これを自民党が1500円のTシャツにしてネットウヨらに販売したことを取り上げました。これまで民主党政権担当者の反論を、日本国民は聞く耳を持たないという印象でしたが、ようやく潮目が来ました。

 長妻さんは「消えた年金」について、死亡した人のデータも見られ、遺族が数百万円を取り戻した例もあるとして、政府が広報すべきだとしました。

 玄葉光一郎さんは外相経験者だとして、存立危機事態における反撃能力で質問。首相は「(日本列島に)戦闘機が飛来したら」反撃できるという趣旨の答弁をして、波紋を呼びそうです。さらに、復興特別所得税を導入したときの政調会長兼大臣としての忍びなさを振り返りつつ、期間が延長されるかどうか気にしました。根本匠委員長も同調しているようにも感じられました。

 国民民主党の浅野哲さんは、先日内閣府にこども担当相をたずね、児童手当の所得制限撤廃を訴える岡山の市民らの取り組みを紹介しました。同党は、きょう参議院に法案を出しましたが、最大野党の岡田克也幹事長は同日の定例記者会見で「なぜ単独で出すのか」と不快感を示しつつ、方向性は同じだとしました。

 あす2月1日(水)午前9時から、全閣僚出席の基本的質疑2巡目が開かれます。テレビ中継はありません。

 で、早々に落としどころを探してみました。児童手当法第5条に所得制限の根拠がありますが、金額はすべて政令委任。閣議決定だけで所得制限は撤廃できます。

 特別会計予算書の紙で263ページ(PDF268ページ)を見ると、年金特会の中の児童手当勘定は1兆1849億円と巨額です。仮に所得制限を撤廃すると数千億円の増額となるでしょうが、予備費ではなく、特別会計の与党修正ということもできなくはないと思います。これは提案です。当初予算の修正は平成6年の野党・新進党の要求を受けて与党・自民党が住専への6000億円を落としたのが最後で、民主党発足後は一度もありません。

【閣議 同日】
 閣議後の記者会見で「岸田翔太郎政務秘書官から土産を受け取ったかどうか」問われました。例えば、文部科学大臣ならば、社会部や科学部の記者が政治部デスク・キャップからお願いされて、代わりに聞いたことになります。

【参議院 同日】
 なし。

以上です。

 

【参議院】2月の参議院は、行政監視委員会、3つの調査会の参考人質疑、参議院改革協議会、懲罰委員会

2023年01月31日 17時13分11秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]左から、参議院の分館、本館、別館(第一別館)、6年前、宮崎信行撮影。

 参議院では、行政監視委員会、3つの調査会の参考人質疑、7常任委員会の視察(既報)が、衆議院での2月の当初予算案審議中になされることになりました。

 公職選挙法をめぐって、現在は解消されていない違憲判決はありませんが、合区の増設を含んだ選挙制度改革を話し合う、参議院改革協議会も動きそうです。

 与党・自民党の参議院国対委員長らが同党の役員会で報告しました。

 以上です。

 

安倍龍太郎朝日新聞記者特オチ、存立危機事態での反撃能力は米国含む否定せず、9年前の記者会見で筆者の「ガイドライン」3回質問で私の前席でのびをする侮辱行為

2023年01月31日 05時05分35秒 | マスコミ批評
 きのうの衆議院予算委員会では、存立危機事態での反撃能力の行使について、日本以外の米国の事態も否定しないと首相が答弁しました。これについてけさの日経新聞が1面で報道し、読売・毎日・東京・産経の在京6紙中5紙が4面よりも前に報道しました。

 ところが、朝日新聞は安倍龍太郎記者が書いた1面も含めて、どこにも存立危機事態の情報が入っていません。

 特オチとみなしてよさそうです。

 今から9年前、2014年9月2日の民主党・海江田万里代表記者会見で、筆者・宮崎信行はガイドライン(日米防衛協力のための指針)について合計3回質問しています。国立国会図書館が収集して保存しているページでは、再編集されていますが、実際には、別々に3回質問しています。我ながらしつこいとは思いますが、3度目に海江田さんは「これはなかなか難しいと思いますね、はっきり言いまして。そこが狙いかもしれませんね」と語り、日本で政権交代してもガイドライン再改定をアメリカに申し入れるのは難しいとの考えを示しました。だから、3回聞いたかいはありました。

 ところが、この3回目の質問のときに、安倍龍太郎・朝日新聞記者が前席で両腕を上に上げて伸びをした後にゆったり両腕を背もたれにかけて飽きたポーズをして私を侮辱しました。極端に記憶力がよく過去を水に流さない性格の私は、今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。

 この翌年2015年春にガイドラインは改定。宮崎と面識がある、半藤一利さんは、TBS時事放談で「若い人はガイドラインの動きを先に抑えておくべきだった」と2015年夏の安保法制のときに話しました。

 安倍記者本人に直接言わずに、9年越しで、集団的自衛権に関する特オチ、かつ朝日新聞社の経営が傾いた隙を突いて雪辱するのは陰湿だと思いますが、どうしても書きたかったので、書きました。


◎海江田内閣での日米ガイドラインやり直し「マニフェストに入れるのは難しい」集団的自衛権【追記有】 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

◎海江田内閣での日米ガイドラインやり直し「マニフェストに入れるのは難しい」集団的自衛権【追記有】 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

[写真]海江田万里・ネクスト首相(民主党代表)、2014年9月2日(火)、民主党本部内、筆者(宮崎信行)写す。海江田万里ネクスト首相(民主党代表)は2014年9月...

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 以上です。