【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沼巧「政権交代後の10年間は国民の選択肢を無くして追い込み諦めさせる政治」→首相「丁寧な説明に努める」

2023年01月27日 17時53分36秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]立憲民主党の会議に出席する小沼巧参議院議員、きょねん2022年6月、宮崎信行撮影。

 代表質問が終わり、週明け8時55分から予算委員会。衆参とも予算委の趣旨説明がされました。

【衆議院予算委員会 きょう令和5年2023年1月27日(金)】
 参議院本会議散会後に「令和5年度当初予算案」財務省の鈴木俊一(岩手2区・10期)井上貴博(福岡1区・4期)の麻生派正副大臣コンビが説明しました。麻生派ばかりなのは麻生太郎さん(82歳)が国税庁に弱みでも握られているのでしょうか。政治資金を帝国ホテルインペリアルタワーのクラブの愛人に払っている人の妻の弟が側近って、3世議員どころか2世議員たちもキモい。

 なお、きょねんは鈴木大臣・岡本三成副大臣(=当時・公明党)が読み違えを連発する失態がありましたが、ことしは事前によく練習していたようです。岡本さんは「闇パーティー」「隠し資産」が副大臣退任後になってから発覚。きょねんの立憲民主党「提案路線」国会対策委員会の甘さも露呈されたともいえます。

【参議院予算委員会 同日】
 本会議が順調に進んだので、「令和5年度当初予算案」の説明を定刻通りに聞きました。2月13日(月)14日(火)に石川県で視察をすることを決めました。当委員会の次回の開催は3月の見通し。

【参議院本会議 同日】 
 代表質問2日目。

 立憲民主党は小沼巧さんが登壇。小沼さんは郷里であり、北関東唯一の「2人区」である茨城で4年前初当選。首位より半分以下の得票での当選でしたが、人口推移から茨城は定数2が続く見通し。

 小沼さんはきょねんの通常国会ではお手柄続きでした。

 農林水産委員として、JAS法で、「物資」とすべきところを「物質」と法文が十数年間違っていたことを、農水省が改正法案執筆時に気づきながら、国会議員には黙ってシレっと束ね改正法案を執筆したのを発見。

野党過去官僚が気を吐く、小沼巧さん「平成11年から法律間違っていたのを隠して改正しようとしている」指摘し与党委員長も激怒、有志の会本会議で「温対法」一会派だけ反対 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

 これは与野党マスコミも激怒となり、農水省が謝罪に追い込まれました。

 決算委員会は、決算承認案だけでなく予備費使用総調書の承諾案も所掌しています。ここでも、提出資料の誤りを見抜き、文部科学、財務両大臣に頭を下げさせました。

「11兆円の説明を求めます」の予備費審査はあっさり6時間も、小沼巧気を吐き文部科学、財務大臣謝罪 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

 こちらも、参議院国対委員長(引退)が立憲結党の功績組織内議員の充て職のような感じになっており、提案路線のもと今でも知られていないかもしれません。

 小沼さんは次のように語りました。
立憲民主社民の小沼巧です。会派を代表して質疑を行います。自民公明の連立政権が成立してから10年が過ぎまして、内外情勢はますます混乱を極め、国民は不安にさいなまれているのであります。この間、政府与党はアベノミクス、GX、新しい資本主義などなど、次々と美辞麗句を吹聴してきたのでありますが、私はその成果に疑いを持っているのであります」と語りました。

 そのうえで、小沼さんは「政治を諦め、失望し、絶望して投票所から遠ざかってしまった多くの国民も同様の疑いを持っているに違いない」と述べました。

 おとといの衆議院本会議で、野党時代の「バラマキ4k」として子ども手当の所得制限を主導した茂木敏充さんが10年越しで所得制限の撤廃へ手のひらを返しました。

 小沼さんは「かつて民主党政権の子育て支援策に批判や反対ばっかりしていた自民党が反省も悪びれもせず、制限撤廃を言い出した。盗人猛々しい政治」をただすと意気込みました。

 「都合が悪くなると隠したり、定義をしれっと変えて何かやってそうな雰囲気だけはいつもしてるんだけど、いやあ振り返ってみると、結果はついてこない。耳当たりが良い掛け声だけでなんとなくやってもらっているような錯覚だけを与え続けてきたのが、今のそしてこの10年間に及ぶ政府与党の実態じゃないかと考えますが、いかがでしょうか」。

 「政府与党は自らの無為無策を放置した挙句に一切悪びれず、他に選択肢がなくなるまで国民を追い込み、国民を諦めさせる政治を行っている。嘘やごまかしのないまっとうな政治を追求する我々とは決して相容れない

 などと印象に残る演説をしました。

 これに対して、岸田文雄首相は「今後も財政民主主義の観点から予備費の使用にあたっては」「国会や国民に対して説明責任を果たしていく」として、お得意の「丁寧な説明に努めてまいります」で答弁を終えて問いに答えませんでした。

 舩後靖彦さんがテレビ入り本会議で初めて質問しました。舩後さんは民間人としては、安倍晋三さん(故人)の知己で保守的な考え方を持っていると聞いたことがあります。

 やはり安全保障に見識があるようで、舩後さんは「敵基地攻撃能力あらため反撃能力を持てるとする安全保障3文書が改定された」と切り出しつつ「防衛予算を減額として、その分を国民生活の向上に資する予算に組み替えるべきだ」と述べました。そのうえで「れいわ新選組の大島九州男さんに対する(火曜日の令和3年決算の)答弁で、国債は国民の借金ではないことが明らかになった」とし「れいわの政策に自信を深めている」と話しました。

 舩後さん「安倍友」説はおそらく本当でしょうが、当選に前後して山本太郎代表に「こびた」わけでなく、現状認識の身軽さを持った舩後さんこそ真の愛国者だと言えそうです。舩後さんも65歳とまだまだ若いので、引き続き注目したいところです。

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