そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

TPPには反対であるがグローバル化はやってくる

2019-04-13 | 国際・政治
アメリカのトランプが唐突に就任早々にTPPから離脱した。TPP推進派は、12カ国の7割にも及ぶアメリカが抜けると、条約は成り立たなくなるといいながら、TPPイレブンとか名付けておじることなやっている。
TPPは国家間の主に企業のための商取引を、無関税にしようとする一種の商取引である。国が主導しているかに見えるが、それはグローバル化を訴えるための隠れ蓑に過ぎないからである。
世界は好むと好まざるとに関わらず、確実にグローバル化が進行している。避けられないグローバル化とは、環境と情報である。
特に環境の変化には国境などない。1月に東京で25度を超えたり、桜が満開になった後に積雪が観察されたり、異常豪雨のところと渇水状態の地域が同時に存在したり、竜巻や雹が絶え間なく観察される。かつて人間が体験しなかったような異常気象が、もう異常とは言えないほど続いている。
世界各国の産業活動は、これまでと異なり大量のエネルギーを使用する。そのエネルギー源の大半は、化石燃料である。放出されるCO2に国境もなく、雲の高齢化を促すPM2.5は何処にでも飛んで行く。環境の変化は、世界中が共有しなければならない。
もう一つの情報はインタネットの普及と高度化によって、国家や企業にいいように利用されるなどの極めて危うい内容を孕みながらも、さらなるボーダーレス化は進行していることである。
TPPには基本的に反対である。貨幣という人間決めた基準で生産活動を促すシステムは、持続性のないもになってしまう。労働効率主体の生産活動に持続性は保証されいないからである。
もう一つグローバル化が進行するものがある。金融のグローバル化である。これは人類にとって極めて不健全で危険な傾向である。現在世界の取引はほとんどがドル建てである。これに待ったをかける勢いなのが、中国の主導するブロックチェーンによる決済である。ドルはもとより銀行すら介さない支払いは、金融のボーダレス化は、権力や国境の壁がいずれ立ちはだかる。企業利益を優先するTPPの阻害要因になるからである。アメリカはドルによる金融覇権を失いなく足掻くであるろうが、これも情報のグローバル化の流れの中にある。もうすでにアメリカは、ドルで見えない支払い方法はテロ対策にならないと言い出し、孤塁を守ろうとしている。
ものの摂理を超えた方法や、地球の許容量を脅かすような生産形態、国益や企業益を優先しているようではグローバル化した地球上で人類は行方を失うことになる。その典型が軍事である。
下の表は植物の生産性を表したものであるが、緯度が低く日照量が多く雨量の多い日本が、いかに農業の生産性が高いかがよくわかる。土地が狭いとか規模が小さなことで、日本の農業の生産性の高さを見誤ってはならない。食料生産こそが、未来を担保するものであるからである。
コメント (26)
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