安全保障関連法は憲法に違反するとして、北海道内の市民など私を含む412人が国に対し、自衛隊の派遣差し止めや賠償を求めている裁判で、札幌地方裁判所は22日、原告の訴えを退ける判決を言い渡した。
札幌地方裁判所の岡山忠広裁判長は「自衛隊の派遣は行政上の権限に基づいて行われているもので、民事裁判で差し止めを求めるのは適切ではない。また、平和的に生存する権利は法律上保護された具体的な権利であるとはいえない」などとし、原告の訴えを退けた。
一方、安全保障関連法が憲法に違反するかどうかについては判断を示すことがなかった。
全国で、安保関連法違憲訴訟が22か所で行われているが、判決が出たのは札幌が最初である。。
安倍晋三が提出し強行採決した、集団的自衛権行使容認を前提にした「安保関連法」に対して、90%の憲法学者が憲法違反に当たると主張していた。日本国民は物忘れが激しく、もうすでにあれほど憲法違反と騒ぎ立てた人々は霧散してしまっている。
日本は憲法9条の2項で「交戦権」を認めないと明記されている。
戦争の放棄(平和)と主権在民(民主主義)と基本的人権は、わが国の憲法の基本である。このうち司法が平和を憲法が認めていないと判断したのである。平和に生きる権利(平和的生存権)を憲法が保障はしていないとの判断である。政権に忖度するとこの様なバカげた判断が下されることになるのである。
自衛隊のイラク派遣訴訟で、2008年に名古屋高裁で「平和的生存権は基本的人権の基礎で、憲法上の法的な権利」と認めている。
今回の判決に対して防衛省は「国の主張について裁判所から理解が得られたものと受け止めています」というコメントを出した。おかしいだろう。法廷は判断を示さななかったのである。それとも理解が得られたとは、十分忖度してくれたという意味であるか。いわば札幌地裁の門前払い判決を歓迎したのは、司法が安倍政権の心情をくみ取って判決を下したのを、防衛省が理解しただけのことである。日本の司法が独立が消えて久しい。かつては自衛隊存在が違憲であると何度か判決を出していた時代が懐かしくもある。