福島原発は、世界中で恐怖と災厄のシンボルのようなイメージになってしまった。「福島」はHappy Islandであるはずなのに。
原発保有国には多大な衝撃を与えている。善し悪しは別にして、その受け取り方の程度には国によってかなりの振幅がある。イタリアのように原発再開を国民投票で拒否した国が現れた。ドイツ、スイスもすでにこの方向に向かっている。
他方、比較的動揺が少ない国のひとつにカナダがある。カナダの発電量で原子力発電の占める比率は約15%だが、すでに18基も原発を保有している。筆者は若い頃カナダに関連する仕事にかなり深く携わったことがあり、この国の自然エネルギー、とりわけ水力資源の圧倒的な豊富さに強い印象を受けていた。必要な電力量のほとんどすべてが、水力でまかなえるのではないかとさえ思ったほどだ。しかし、その後、気づいてみると、この国もかなりの数の原発を保有するようになっていた。とりわけ最大消費地のオンタリオ州にほとんどが集中して設置されている。ピッカリング原子力発電所は、設置されてすでに40年近く経過している。大都市トロントからわずか20キロメートルくらいの距離にある。
この地に住む長年の友人からは、震災後直ぐに見舞いと激励のメールがあった。長女がかつて日本で英語教師をしていたことがあるだけに、言葉を失うほどの衝撃だったという。オンタリオは地震も津波も発生する確率はきわめて低いが、人間のミスは十分起こりうるので、原発はもういらないと記されていた。
昨年、久しぶりに日本へやってきたアメリカの友人B夫妻は、毎日福島原発の状況をチェックしているという。引退し、ヴァーモントの小さな町に住みながら、今は世界のあらゆるニュースを知ることが可能な時代になっている。知らせてくれるニュースは的確だ。震災後、たびたび親切な激励のメールを送ってくれているが、復興が遅々として進まない様子に、しびれを切らしたのか、下に掲げる動画*を送ってくれた。ちなみに夫妻は熱心なジャズ・ファンで、かねてから世界中の主要なコンサートを聴きに回っている。このブログに来ていただく皆さんは、とっくにご存じなのでしょうが、こんな動画があるとは今日まで知りませんでした(笑)。原発は絶やしても、福島支援は絶やせない。心に火をともしたい!
*現在はYou Tube でしか見られないため削除しました。