South Is. Alps
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Square Kauri
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Lake Griffin
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ぶっかけ蕎麦

今日は一日中、リトルワールド。暑かった。腰が痛かったが、二周半野外展示場をめぐり、合わせて、6キロぐらい歩いた。これで、大体完治できるだろう。午後一時間ほど、ソファーで休ませていただいた。リハビリのような一日。同様のツアーが明日、月曜も続く。これで、調整完了ともくろんでいる。

ぶっかけ蕎麦(焼茄子を作る。オクラをざっとゆでて細切れにしてよくたたいてねばりを出しておく。山芋をすりおろしておく。大葉、茗荷を細切りしておく。好みの蕎麦をゆでて冷水にさらし、用意しただし汁にいれ、用意した焼茄子、オクラ、山芋、大葉、茗荷、それに、青葱をかけ、わさびを添えて共する)

2006-09-08 20:09:49 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『SF魂』

小松左京、2006、『SF魂』、新潮新書

この春日経新聞に著者の「私の履歴書」が連載された時、本書がまもなくリリースされるとの記述もあったかと思う。執筆時期が重複してのことであろう。内容についても、当然、重複している。私としては、自分自身が中学生高校生のころに読んだSFのレビューという感じで面白く読めた。

本書はもちろん、小松本人による小松左京論である。当然、批判的ではなく、自己擁護的なわけで、それはそれでよかろう。私にとっては、世代は異なるけれど、ある種の同時代史のように読める。SFマガジンは創刊号は幼すぎて手が届かなかったが、中学生や高校生の時は定期購読していた。また、小松左京のたいがいの単行本はほぼリアルタイムで手に取っている。その意味での同時代史なのだ。私は必ずしも小松ファンではなく、日本のSFでは星新一や筒井康隆のファンであった。

ただ、小松左京の場合は、SF作家にとどまらない懐の広さが面白いところといえよう。小松左京の仕事で興味深いところは、三つあろう。もちろん、SF作家としてのそれ。そして、万博がらみの仕事だろう。もうひとつは文理融合的な発想に基づくコーディネータとしての仕事だろう。三つ目は、最初と二つ目と密接につながっていて、別立てしなくてもいいのかもしれない。それは、それとして。
SF作家としては小松左京の作品はスペースオペラといったら小松が気を悪くするかもしれないけれど、でも、その系統だろう。ただ、わたしは、ハインラインやアシモフ、クラーク、バローズ(これを並べるか、というファンも多かろうが、高校生時代、濫読したのだ)のほうが面白かった。
むしろ、小松のこの流れは、どちらかと言うと、パスしていただろう。しかし、彼のSFで面白かったのは、「日本アパッチ族」、それから、「ゴエモン」シリーズである。コメディのようなそれである。小松が漫才台本や放送台本を多作していた時代があったことは、本書でも詳しく触れられているが、私は、小松の本領は本人の意図とは違って、「復活の日」や「果てしなき流れの果てに」ではなく、これらだと思う。
ただ、「日本アパッチ族」は、同じ題材で開高健の「日本三文オペラ」のほうが面白かった。
彼のSF作品では「日本沈没」や「首都消滅」といった近未来ものと言うか、本人がかかわる「未来学」領域の作品がエポックメーキングで大変面白いと思う。プレートテクトニクスの理論をいち早く作品に生かして日本を沈没させ、かつ、その構想は、今までかつて島国で存亡の危機をほとんど経験せず(敗戦を終戦と呼び変えて、存亡の危機とはみなさないということまでしてしまうという甘さなのだ)すごしてきた日本社会を国土消滅の中に追い込み、それをシミュレーションすると言う構想、これは、とてもじゃないが、小松左京一流のものだろう。もちろん、まだ、構想途中のように思える着想なのだが。

また、大阪万博、つくば万博、花博などの万博プロデュースと言うのも、小松の仕事の面白いところだ。かれは、文系理系をとわず幅広く人脈を広げ、関心を広げてきたので、万博のような夢を展開するのはうってつけであっただろう。産業との癒着もさほどではなく、また、政治との癒着もさほどではなく、むしろ、アカデミックにアプローチできると言う小松ならでわのスタンスと人脈はまさにうってつけであっただろう。ただ、彼の未来学は必ずしもばら色ばかりではないように思えるが、彼なりのエンターテインメントがばら色をつけてしまったと言うべきかもしれない。
小松の仕事はまだまだ、指しかけの碁が多い。その意味で、もっと飛躍させるなり、後継者を見出すなりして、彼の「未来学」をもっと展開すべきであろうかと思う。

SF魂

新潮社

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2006-09-08 17:56:28 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )