すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

感謝、春山小景

2015年05月12日 | 雑記帳
 「人が作ったものでない『自然』を毎日10分見続けること」とは、かの養老孟司先生の有名な言葉である。そういう習慣はかなり意識的に行わないと身に付かないものである。身の周りにも十分そういう場はあると思うが、なかなか実行できない。ただ、春と秋のシーズンは山菜採りも兼ねて少しは足を運んでいる。


 大型連休中は結構忙しかったり、酔いつぶれていたりで動けなかった。天気が良かったその前後、昭和の日である29日、そして運動会代休の10日に、毎年出かける近場の里山へ向かう。一眼レフはぶら下げなかったがコンデジで何枚か撮った。毎年の同じ頃と比べると、今年の春はやはり時期が少し早いと感じた。


 両日ともに印象深かったのは鳥の声。今年はやけに大きく聴こえしばし耳を傾けた。実はクマ対策にと思って(今年は町内での目撃情報がやけに目についたので)ラジオも携帯してつけてはみたが、どうもそぐわない気がしてすぐに消した。数種類の鳥の鳴き声が四方から聴こえ、「癒し」という感覚を久々に味わった。


 春山の収穫を知っている範囲でいただく。タラノメ、スジノコ、ホンナ、タケノコそしてワラビ。今年は特にワラビが早い。しかもいいポイントを見つけ、数年ぶりに満足できた。山菜取りの眼とは「つかんだ瞬間に別のポイントを探す」と言われる。夢中で採り、時に耳を澄ましたことに対する感謝の意を少し表す。


 自分にとってのそれは、写真で小さな植物を写すことだろうか。短い期間にしか命の輝きを見せられない、山の植物たちを愛おしく感じる。そしてまた毎年繰り返すその営みには感嘆さえ覚える。名前については全く詳しくなく、ほんとに有名なものしか知らないが、それでも心にファイルできるよう撮り残しておく。

 春山小景~なかま

 春山小景~うたう