和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

役に立ちまっせ。

2013-05-03 | 短文紹介
本を読みつづけられない自分なので、
その気分をすくいあげてくれる、
そんな言葉にあたればと思うのでした。
さてっと、
谷沢永一著「紙つぶて 自作自注最終版」の
p761にこんな箇所があったのでした。

「児童書の売り上げは伸びているのに、
 読書習慣が続かない。」

う~ん。私は、
本を買うくせして、
読書習慣が続かない。
ということろです(笑)。

ちなみに、この箇所は、
『毎日新聞』書評欄の自己紹介小冊子
『日曜の朝は今週の本棚』(平成16年)に掲載されており。
主要書店主の要望からの引用なのでした。

その冊子なら、たしか私も持っているなあと、
本棚から取り出してくる。
その箇所は「書店主に聞く『新聞書評に期待すること』」にありました。
ジュンク堂書店社長 工藤恭孝
八重洲ブックセンター社長 徳永巌
三省堂書店社長 亀井忠雄
紀伊國屋書店会長兼CED 松原治
と、四人の方々がコメントを寄せており。
引用の箇所は亀井忠雄氏のコメントでした。

そういえば、「自作自注最終版」のp197に
古書店の店主が登場して印象深い箇所あり。
その前半部分を引用。

「終戦のドサクサで店舗を構えることの出来ない古本屋も少なくなかった。そのうち運の強い人が、大坂・難波の地下道に場所を確保した。戦前から手軽な販売目録を出して業界では有名である。本名は伊藤一男、それを何故か、カズオ書店と名乗った。至って優しく親切で、客を大切にする誠実では、私は今までこの人を越す例に接したことはない。
たまたま仕入れてきた『文章世界』の、増刊別冊号を除く本誌の揃いの前へ、中学生の私を連れて行き、谷沢はん、これ、買うときなはれ、あんた大きなったとき役に立ちまっせ。カズオさんの言う通りであった。・・・・」
コメント
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