1980年代のニューヨークで一人暮らしをする犬のドック。TⅤディナーと呼ばれる冷凍食品をレンジで解凍して、テレビをザッピング。そんな風に一人寂しく過ごしていた日々が、TV通販で友達ロボットを購入した時からカラフルに変わり始める。
ニューヨークの名所を楽しそうに巡る二人一緒に過ごす休日。少しずつ心が通じ、静かに手をつなぐ姿が眩しい限りだ。そんな風に夏の終わりの海水浴も楽しかったのに、海水でロボットが錆びてしまった事で二人の穏やかな日常は突然終わってしまうのだ。ロボットを助けようにも動かなくなってしまった身体は重く、海水浴場は翌年の夏まで閉鎖されてしまうのだ。何とかしてロボットを助けたいドックだが助ける術はなく、ロボットは寒い海辺でひと冬を過ごす。
翌年の夏の海開き、ドックがロボットを助けに行くものの彼の姿はない。スクラップ工場に送られてしまったロボットはアライグマのラスカルに助けらる。バラバラになった部品を回収し、見つからなかった胴体はダブルラジカセとなり、斬られてしまった足を新しく作ってくれたラスカル。ダブルラジカセからはロボットとラスカルそれぞれの好きな歌が流れる。ロボットは第二の人生を歩み始めていたのだ。
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シンプルな線でありながら、次々と変わるアングル、ロボットとドックのちょっとした目の動き。セリフは一切ないのに、それらのシンプルな動きと♪Do you remember?The 21th night of Septermber?と二人のテーマソングのように流れるEW&FのSeptemberの力で言葉がない事を忘れてしまう。
突然訪れた別れと、それぞれ新しいパートナーと歩き出してからの突然の再会とロボットが見せる大人の行動。振り返らずに別々の道を歩いて行く姿も二人一緒に過ごしていた時と同じように眩しい。
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エンディングロールにYuko Haramiさんという名前を見つける。(検索してみたところ)パブロ・ベルヘル監督の奥様との事。
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入場者プレゼントでカレンダーを貰う。